第35話 ハワイ大攻防戦−第2の開戦 超機動部隊VS独立機動艦隊
日本軍のミッドウェー攻略作戦が行なわれているその頃、ハルゼー艦隊は空母100隻からなる超機動部隊を率いてミッドウェーから1000キロの地点にいた。
「ハルゼー提督、そろそろよろしいかと?」
「まだ早い」
ハルゼーは言った。
何が早いのかといえばミッドウェーに送る航空機のことである。
空母に積まれている戦闘機や雷撃機は航続距離の関係上この時点で飛ばしても
満足に戦えない。
今、参謀が言ったのはミッドウェー島に着陸することを前提にした意見だったが
ミッドウェー島の滑走路がどうなっているのか分からない以上うかつなことは出来ない。
もし、破壊されていれば航空機は全て不時着して使えなくなる。
それに…
「奴が来る…」
ハルゼーは言うのだった。
「奴とは?日本海軍のことですか?」
参謀長が言った。
「モンスターだ」
ハルゼーは言うと窓に目を向けた。
旗艦『リンカーン』でハルゼーは準備を行なっている。
決して油断をするなと二ミッツに言われたがそんなこと言われるまでもないとハルゼーは思っていた。
この海域来るまでに航空機の半分以上を空に上げている。
今、ハルゼー艦隊は駆逐艦以外にも空を4千近い航空機が制空に出ているのだった。
そして、ついにその報告が入ってきた。
「レーダーに反応!戦艦または空母が4です!その他の反応はありません」
かっとハルゼーの顔が見開いた。
「予定通り第1次攻撃隊は上空の制空隊を向かわせろ!急いで第10次攻撃隊まで挙げて休むまもなく攻撃を仕掛けるんだ!」
「ジェット戦闘機がこちらに突っ込んできます!」
「いいか!どこか国だかの言葉に背水の陣という言葉がある!まさにこれは背水の陣だ!
敵は日本最強の戦力なのは間違いない!だが撃滅できれば我がアメリカ合衆国は
勝利するだろう!攻撃を開始せよ!」
空を埋め尽くすほどの編隊がグオオオオオオンというレシプロ機の音を立てながら
攻撃に向かった。
そして、ロケット弾、ミサイルを両者が発射し質と物量の戦いは切って落とされたのである。
「神雷、ハリアー、雷神、敵航空戦力と交戦を開始しました!」
「食い止め切れません!敵編隊がこちらに向かって突っ込んできます!」
「バリアをいつでも張れるようにしておけよ!制空隊は迎え撃て!対空ミサイルは射程に入り次第攻撃開始だ!本艦はこれより敵艦隊に突撃をかける!最大戦速!」
矢継ぎ早に命令を出しながら日向は思った。
この位置からして間違いなく敵は空母だ。
それもとてつもない数の。
史実など比べ物にならない空前絶後の大戦力がハワイにいると見て間違いはなかった。
山本長官の艦隊は大丈夫だろうかと日向は思ったが今はこの目の前の敵を壊滅させなければならない。
敵は今までの教訓を生かして航空機を上げられるだけ上げている。
となれば空母はもちろんのこと航空戦力も叩き潰さなければならない。
今回ミッドウェーに日本軍が侵攻すれば間違いなく援軍が来ると日向は読んでいた。
それも巨大戦力であることが予測されたので独立機動艦隊は『蒼龍』、『尾張』を除き編成は
機動戦艦『紀伊』
原子力空母『飛龍』、『加賀』、『赤城』
の編成である。
戦力としては
VTOL戦闘機『ハリアー3』 10機
ステルス戦闘機『神雷』 810機
ステルス攻撃機『雷神』 150機
戦闘ヘリコプター『シーホーク』 35機
それが今この海域にいる独立機動艦隊の全戦力だった。
戦力差はおよそ8倍である。
未来の兵器を持っていなければ確実に負け戦であった。
今、空に上がっているステルス戦闘機は全てステルス性能を捨てさせてミサイルを
1つでも多くつけている状態であった。
紀伊は空母から離れると敵艦隊へ70ノットの速度で突撃した。
そして、敵航空機が見えてくる。
アベンジャーを始めとした雷撃機を始めグラマンといった戦闘機の姿も見える。
空を埋め尽くす大軍だが空のあちこちで爆発が起こっていることからこちらの航空隊が攻撃を仕掛けていることが分かる。
さすがに今回は1機も喪失なしとは行きそうになった。
「ミサイルロックオン!」
CICから声が上がってきた。
「撃て!」
日向が怒鳴ると30のミサイルが紀伊から白煙を吐いて飛び出し敵編隊に向けて放たれた。
敵はチャフをまいて逃れようとするが無駄である。
今紀伊を初めとした独立機動艦隊のミサイルには全て電磁防壁が施してある。
そして、30の航空機が消し飛ばされるが爆炎の中から生き残った戦闘機、雷撃機が紀伊に殺到する。
その攻撃方法は真珠湾で使われた一斉攻撃だ。
「バリアだ!」
日向が怒鳴ると紀伊の周りに薄い紫色の膜のようなものが現れる。
敵は魚雷を放ってロケット弾を浴びせるが直前で掻き消えてしまう。
そして、攻撃が休むことなく始まった。
紀伊はバリアを解除することが出来なくなり自らの攻撃を封じられることとなったのである。
バリアの中から攻撃できれば無敵だがそうは問屋がおろさないのであった。
さらに言えば紀伊の速度も落ちた。
70ノットから50ノットへである。
バリアシステムは速度を20ノット奪うのだった。
核融合炉のためバリアが消えることはないがその結果敵の攻撃は激しくなっていった。
凛「今回は私が主役!」
明「よかったわねぇ…」
↑
出番がないのでへこんでいる。
撫子「まあ、明様、そんなに落ち込まないでください。私も出ていませんから」
↑
にっこりと撫子
星菜「お姉さま優しい…」
明「そ、その笑顔は反則よぉ!」
↑
走り去る明
撫子「あ!明様!」
↑
明を追っていった。
星菜「お姉さま!」
↑
撫子を追う。
凛「ちょっ!私だけ置いていくの!待ってよ!」
↑
みんなを追っていく。
作者「そして誰もいなくなった…さびしいです。
次回予告ですが…いえません。ご意見感想お待ちしております」