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第298話 隊長は誰?

「・・・」

どこまでも広がる無限の空間。

星星が今の人類の科学力では到底到達できない距離に時を重ねた光を放っている。

「・・・」

音もなくその巨大な構造物は遥か先に見える青い星に向かっている。

後数時間でこの巨大な構造物はあの星に激突するだろう。

ファントム・・・いや、Su50のAIが受けた命令は日本、アメリカに打撃を与えることだ。

「・・・」

学習型のAIは・・・彼は考える。

日本アメリカ、どちらにダメージを与えるのが命令をより、遂行できたと言えようか?

「・・・」

AIは模索する。

かつての歴史、今の歴史を振り返り考える。

彼らは考えている・・・

その闇の中で

                   †

機動戦艦紀伊の格納庫は今、大騒ぎになっていた。

やることが多くあるためだ。

整備兵達は震電改、紫電改、光神、そしてもう一機の追加装備と調整の最終確認。

そして、他の整備兵達は4機を宇宙に送り出すために必要な垂直式のカタパルトの準備と調整。

いずれも、最終段階だが今回は時間との勝負と言うこともありみんな、1秒でも早く正確に終わらせようと躍起になっていた。

その4機のパイロット達はそれぞれが新たに支給されたパイロットスーツを着てそれぞれの機体に乗り込んで互いに通信機で最終確認を行っていた。

「うう、新品の服ってなんかなれないのよね。このパイロットスーツちょっと張り付きすぎな気もするし」

「バイオスーツって名前らしいよ。宇宙飛行士が使ってる奴の改良版。耐G処置も施されてるし宇宙に放り出されても破けないで空気さえあれば活動できるしね」

通信機越しに聞こえてきるのは美夜と真也の声だ。

「で?ドミニク1号はどうなのよドミニク」

「ドミニク1号じゃねぇ!ヴィント・ドラッへだ!」

美夜の言葉に反論するようにドミニクが怒鳴る。

「確か、ドイツ語で風龍でしたっけ?」

凪が思い出すように言った。

「正解です凪」

後ろから、飛魂の久遠の声が凪の耳に届いた。

「日本の戦闘機なのにドイツ語で言いわけ?」

「対外的には風龍ってしとけば問題ないよ。ちょっと、中国よりな気もするけど」

「まあ、対外的には仕方ねえよな。で、調子だが良好だ。さすが、彼方ちゃんの調整した戦闘機」

「そんなことより・・・」

「そんなことって・・・」

ドミニクが落ち込んだ声を出したが美夜は無視して

「どういうつもりよ真也」

「どうって何がだい美夜ちゃん」

「ちゃんっていうな! なんで私が隊長なのよ」

「あれ?不満なの?」

「不満って言うか・・・その、認めたくないけど私あんたにスコアでは負けてるじゃない・・・なのになんで・・・」

「いいんじゃない天城博士と日向長官達が決めたんだから」

それを聞きながら凪は彼方に聞いた話を思い出した。

                   †

「凪は自分が中隊の隊長に向いてると思う?」

そう、彼方に問いかけられ凪は少し考えてから首を横に振った。

「ううん、私は隊長に向いてない」

「今回の任務では2機1小隊として戦ってもらわないといけないけど全体を指揮する中隊長の存在は不可欠。ドミニクは論外だし、となると藤堂か風祭に2択になるのよね」

彼方は考え込むように言ってから凪を見る

「凪は隊長としてならどっちを推薦する?実は何人か聞いて後は凪しだいなんだけど」

凪は少し考えてから横にいる久遠に目を向けた。

「どう、思う久遠?」

「凪、私が生まれてからまだ、時間がたっていません。情報不足により精密な答えは出せません。ですが凪は向いていないと思います」

「はっきりいうなぁ・・・そうか・・・そうだよね」


凪は苦笑しつつうーんと天井を見て藤堂と美夜と飛んだ記憶を思い出しながら結論を出した。

「美夜の方が向いてると思う」

すると、彼方は右手を口に当てて

「凪もか・・・戦闘機に乗っててあの2人の知り合いは口を揃えてそういうわね。私は藤堂の方が向いてると思ったんだけど・・・」

「真也さんはどちらかと言えば美夜のサポートが向いていると思うよ」

「どういうこと?」

「美夜教導隊では部下に慕われてるの。でも、甘やかしすぎずそれでいて面倒見がいいから。ちょっと、短気なとこあるけど真也さんがそれをサポートすればいい組み合わせになると思う」

「なるほどね。風祭を下にしたら下手したら反発するから隊長にするわけね」

そういうわけじゃないんだけどと思ったがこればかりは一緒にいないと分からないことなのかもしれない。

一応、彼方もGに耐えるための訓練はしているがやはり、空の戦いをするものと技術の人間とでは違うということだろう。

「ドミニクは凪の相方にするからそのつもりでいてね」

「うん」

基本的に戦闘機の戦いは1機のみの編成と言うことはほとんどない。

ただ、最近はアイギスの登場により1機のみの編成でも戦えないことはないということになり、見直しが図られている。

例えば、圧倒的な性能差があるならば1機のみでも問題ない。

アメリカを相手にするだけならレシプロ機対ジェット戦闘機になるわけだから必ず2機以上で組む必要はなかったのである。

だが、ドイツはそういうわけにも行かない。

エーリッヒ・ハルトマンは凪に対して異常な執着を見せているため一騎打ちとなったが次もそうなるとは限らない。

とはいえ、震電改の化け物のような性能と凪の腕についていけるパイロットは限られる。

「あいつ、馬鹿だけど腕は悪くないのよね」

ドミニクをほめるのが嫌なのか彼方は周りにドミニクがいないことを確認している。

「うん、ドミニクさんはいい腕だと思うよ」

仮にも凪はドミニクと命がけの空中戦を行っている。

まあ、結果的に凪がよくするとんでもない機動に圧倒されドミニクは破れたわけだが・・・

「というかね凪。あんたと震電改の組み合わせ作った私が言うのもなんだけど凶悪すぎるのよね」

「き、凶悪?」

「万の戦闘機を凪一人で落としたって聞いても私は驚かないわよ」

にやりと笑う彼方だがそれはさすがに無理と言うものだ。

「む、無理だよそんな」

「私と凪なら可能です」

と久遠までが言ってきたので凪は首を振りながら

「も、もう久遠まで!無理だってば!私なんかよりお父さんとか小川大尉のほうが・・・」

「まあ、あの2人もエースと言えばエースだけどね」

「そういえば、お父さんと小川大尉は?」

正確にはこの世界の神埼進は凪の本当の父親ではない。

この世界では凪は生まれていないのだがついそうよんでしまうのだ。

「あの2人は太平洋の機動部隊に合流して振ってくる破片に備えてるわよ。というより、ほとんどの戦闘機は

その任務についてるはずだけど」

「そうなんだ・・・」

1度ゆっくり話す機会があるといいなと凪は思った。

                    †

「凪」

「あ」

久遠の声に振り返ろうとして凪は知った顔を見つけたので風防を開けた。

「どうしたんですか神崎中尉!」

兵が言ってきたので凪はちょっと待ってくださいと震電改の横に来ていた凛に顔を向けた。

「紀伊さんどうしたんですか?」

凛は凪をまっすぐに見たまま

「私、今回は何も出来ない。だから頼むわよ」

出来ることなら自分も行きたいと凛は思っていると凪は思った。

たくさんつらいことがあった。

凛と凪はたくさんの友人、戦友を失いある意味似たもの同士なのかもしれない。

「任せてください。凪と私が組めば無敵です。どうか、宇宙は任せてください」

先に言われたなと凪は久遠に苦笑しつつ

「私は決着をつけたい人がいます。だから、必ず任務を成功させて戻ってきます。紀伊さんは・・・」

「凛でいいわ」


さらりと、自然に言われたが凪は少し嬉しかった。

ようやくこの艦魂に認められたのだと

「凛さんはゆっくり休んでてください」

「そうできればいいんだけどね」

凛はそういいながら周りを見た。

「恭介達も何かしてるみたいだし地上は任せて遠慮なく暴れてきなさい凪、久遠」

「はい!」

「任せてください!」

その言葉に凛は満足そうに頷いた。



作者「今年一番は紀伊だぜ」


エリーゼ「あなたふざけてるのですか?今は2月ですよ」


作者「い、忙しいんだよ社会人は!」


エリーゼ「関係ありませんこれはなんですか?」


作者「ああ、ファンタジーの下地返せ!」


エリーゼ「罰です」


ズドオオオオン


作者「ぎゃあああああ!紙が灰に!」


エリーゼ「さあ、続きを書きなさい」


作者「うう、悪魔め…次の記念話では大和長官にすでに承諾を受けてるんだ。うひひ」


エリーゼ「呆れた変態ですねあなたは」


作者「し、しまったああああ!ドミニクの戦闘機の応募ありがとうございましたぁ!」


ズドオオオオン

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