第30話 伝説の戦艦『大和』
1942年12月10日、呉の造船所から出た機動戦艦『大和』は桂島泊地に姿を現した。
同じ機動戦艦である『紀伊』、『尾張』にはついていない3連装46cm砲がその存在を
さらに大きく見せている。
副砲は全て取っ払われ代わりにミサイルランチャーが装備され煙突があった部分には垂直発射型のミサイル発射装置が取り付けらている。
紀伊や尾張と同じく機銃の変わりにバルカン砲が取り付けられており
艦橋の横につけられていたレーダーはおわんのようなものが取りつけらている。
さらに後部にはジェット噴射に耐えられるように設計された飛行甲板が備えられている。
外から見て大きく変わったところはこんなところだが内部もがらりと変わっている。
まず、大和を動かすものが変わっている。
核融合炉である。
これは日向達の方の未来の日本人が苦労して大和に取り付けられるように作ったものだった。
性能も申し分なく紀伊や尾張よりもほんの少し小さい大和は73ノットという最大速度は
2艦を上回る速度を出すことが出来た。
そして、艦の最深部には機動戦艦の命とも言えるCICが設けられている。
無論イージスシステムもあり戦闘能力は紀伊や尾張と同格である。
バリアシステムも無論つけられておりこの時点で大和を沈めることが出来るものがいるとすればそれはドイツの未だに性能が分からない謎の戦艦『フリードリッヒ=デア=グロッセ』、
そして、フレドリクのあの言い方からしておそらく未来戦艦はまだいるのだろう。
だが、それを除くなら大和はまさに無敵の戦艦である。
まさに不沈戦艦なのである。
大和は公試運転を兼ねて洋上へ出て沖縄に向かうのであった。
「艦長、レーダーに反応あり。戦艦部隊です」
兵士の報告を聞き大和艦長、有賀 幸作大佐はうなずいた。
「主砲発射だ」
大和の主砲が動く、この主砲にも改装は及んでおり装填速度も速くなりマニュアルと自動のコンピューター制御か手動のどちらかを選ぶことが出来る。
今回はコンピューター制御で主砲が空に向けられた。
「主砲発射準備完了」
CICからスピーカーで声艦橋に声が上がってくる。
「よし!撃て!」
有賀 幸作艦長は命令を出した。
ズズウウン
腹の底に響くような音がし大和の主砲が斉射された。
ズズウウン
続けて前方の戦艦部隊も空に向けて主砲が放たれる。
これは全て大和を含めて空砲である。
生まれ変わった大和を長門を始めとした戦艦部隊が歓迎しているのであった。
その中にはハルゼー艦隊との戦いで中破した大和の姉妹艦の武蔵もいた。
有賀幸作はまるで大和が故郷に帰ってきたように喜んでいるように思えたのであった。
大和はその戦艦部隊の間を通り抜けて太平洋へと進路を取る。
ズズウウン
と、ひときわ大きな空砲が響いた。
武蔵の46cm砲である。
戦艦『長門』の艦橋でそれを
山本は目にじわりと来るような思いで見つめていた。
史実では悲しい最後を迎えた大和と武蔵が今目の前にいるのだ。
日向がから記録で両艦の最後を見せられた山本は思うのである。
沖縄特攻で共に最後を迎えた有賀艦長が機動戦艦『大和』の艦長を勤める。
運命的なものを感じずにいられない山本であった。
「大和が帰ってきた…」
そう、長門の艦橋で山本はつぶやくのであった。
「現在第5戦速!」
CICからの報告を聞き有賀はうなずいた。
現在速度は60ノットである。
大和の艦橋には有賀を含めて参謀達も座る固定式の椅子が置かれていた。
あまりの高速のためにこけてしまいかねないからだ。
「よし、最大戦速を試すぞ!最大戦速!進路を沖縄に向けよ!」
「最大戦速!」
グググと大和の船体が持ち上がるような気がするほど加速したと有賀は思いながら椅子にしっかりと座ってた。
他の参謀も同様で紀伊や尾張で訓練を受けたとはいえやはり戦艦がこのような化け物のような
速度を出すのはまだ完全にはなれない。
まあ、当たり前といえば当たり前だ。
前の大和は最大で27ノットである。それが今は73ノット出せるのだ。
3倍近いその超速度に慣れないのは無理のない話と言えた。
ともあれ大和は復活した。
後は沖縄でミサイルを受け取ればついに大和はハワイ攻略の中核として動くことになるのだ。
今大和はミサイルは一応積み込んであるが半分にも満たない数である。
まさにその時である。
「艦長!ソナーに反応!米潜水艦です!」
CICから緊急の報告があがってきた。
「なんだと!?」
有賀艦長は怒鳴った。
「丁度いいではありませんか」
有賀の隣で参謀長が言った。
「生まれ変わった大和の力を見せるのです。対潜ミサイルの試験もかねられます」
「確かにそうだな。よし!CIC!対潜ミサイルを撃て!」
有賀が命令するとCICは過すぐに命令を実行に移した。
大和のミサイルランチャーから白煙を吐いてミサイルが発射された。
ミサイルはものすごい速度で
飛ぶとやがて海に落下して70ノットの速度で目標に向かって走った。
「…」
命中まで有賀達は黙っていたがやがて…
「水中で圧壊音を確認!敵潜水艦を撃沈しました」
「よし!」
有賀が言うと参謀達からも歓声が上がった。
これが機動戦艦大和の敵へ向けての初のミサイル発射であった。
ちなみに言っておくが哀れだったのは潜水艦に乗っていたアメリカ軍兵士だったといえるだろう。
彼らは追撃してくるミサイルから必死に逃げようとしたのだが適わずに全員海の藻屑と消えたのであった。
凛「大和…それは日本民族なら知らないもののいない伝説の戦艦…」
明「史実では沖縄特攻で沈没した大和が沖縄に来るのね…なんだか妙な気分になるわね」
星菜「あえて言うなら私達のお姉さま…」
作者「ついに大和が復活したんですなぁ…いやぁ私も
待ちわびていましたよ」
凛&明「うるさい!」
↑
作者「ひっ!バルカン砲はやめてぎゃあああああ」
ダダダダダダダダダダ
???「乱暴はいけませんよお2人とも」
作者の周りにバリアが現れ攻撃を防ぐ
凛&明&星菜&作者「あ!あなたはもしや!」
???「ふふふ、私が誰かはいずれわかりますよ。では、次回予告をさせていただきます。
次回は私…あ、いえ、大和が沖縄に到着する予定です。これでいいでしょうか作者様?」
作者「はい!それでいいです!」
???「よかった。では皆さんごきげんよう」