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第276話 御前会議―決戦か降伏か

昭和18年4月23日、日本では機動戦艦全喪失の責任を取り東条内閣は総辞職、後任には予備役であった米内光正政権が発足した。

米内はドイツとの決戦を視野に入れつつも和平の道を探った。

国家の解体を掲げるドイツに無条件降伏以外の道を提案する考えであった。

しかし、それと並行して決戦の準備は1秒でも早く進めなければならず天皇陛下を交えた御前会議が行われたのである。

この会議には連合艦隊司令長官山本五十六を始め、独立機動艦隊からは後任となった元三笠の藤森 冬花が出席した。

女が御前会議など前代未門の出来事であったがこれまでの戦いで多大な、貢献をしてきている独立機動艦隊の代表とあっては無下には出来なかった。


会議を分かりやすくと言う名目で様々な機器も持ち込まれており、今日本地図が映し出された画面が薄暗い部屋の中を映し出している。


「1年という猶予を宣告してきたドイツですが彼らがそれを守る道理はないと私は考えています」


会議の中、山本が言うと数人が頷いている。

この御前会議では今後の方針を固めるためのものである。

すなわち降伏か決戦かである。


「海軍はどう考えている?」


天皇陛下が言うと海軍大臣の永野が口を開いた。


「海軍としては2つの作戦を候補に挙げています。1つは漸減作戦、これは各基地の航空戦力や潜水艦及び夜戦等で敵の戦力を削り、艦隊決戦で敵を撃滅する作戦です」


「海軍の基本的な迎撃法ですがこれには問題もあります」


「というと?」


天皇が聞くと山本は言う。


「敵のドイツ海軍の戦力は未知数であり、仮に潜水型の機動戦艦を太平洋に配置し我が軍の基地の戦力をかく乱した場合、本体に夜戦の艦隊を含めて各個撃破の危険性があります」


永野がむっとした顔になった。

この作戦を永野は押しているらしい


「第2案の方はどうか?」


「はい、第2案は現状の海軍の戦力を全て沖縄に集結させその戦力をもってドイツ艦隊に決戦を挑むものです。 もちろん、艦隊の配置等の細かい調整はこれからですが」


「戦力を集中させるのは危険だ。 壊滅すればその時もう、ドイツ艦隊を止められるものがいなくなる」


山本の言葉に永野が反論した。

どちらの作戦を取っても危険であり、そして勝算は薄い。


「1つだけ聞きたい」


天皇が山本を見て静かに言った。


「なんなりと」


「報告は聞いている。 機動戦艦全てを失った我が国に勝算はあるのか?」


「正直に申し上げて勝てる可能性は限りなく0に近いです」


会議の空気が変わったのが分かった。

それはそうだろう。

連合艦隊司令長官の口から言っていい言葉ではない。

だが、山本は天皇にこの後の判断を誤ってほしくなかった。


「・・・・・・」


天皇はしばらく黙りこんでいたがやがて口を開いた。


「降伏の道もあるだろう。 無駄に将兵を死なせるならその方がよい」


「陛下」


降伏という言葉を出した天皇に山本は強い決意を込めて口を開いた。


「この戦いは日本が日本であるために必要な戦いなのです」


「勝ち目のないこの戦いに将兵の命をかける意味がどこにあるというのだ?」


「ドイツに敗北した時、日本は解体され滅びるでしょう。 ですが民族は残ります。 ですが連合艦隊は・・・大和民族の心に深く残されていくことでしょう。 どうか、家族を守る最後の作戦を行う許可をいただきたい」


「・・・」


「陛下、かつて戦艦大和は数隻の艦艇のみ引き連れて沖縄へ出撃していきました」


「?」


会議に出席している何人かは首を傾げた。

これは、天皇を含め少ししか知らない未来の話だ。


「彼らは沖縄にたどり着けず果てましたが、その60年以上たった後でも大和の名は大和民族の心に深く根付いています」


天皇は目を閉じて言う。


「山本、今の連合艦隊はあの大和と同じだというのか?」


「もちろん、あの時とは規模から何もかも違います。 ですが我らは日本海軍最後の艦隊としてドイツ海軍に決戦を挑む覚悟は持ち合わせているつもりです」


「・・・」


天皇は迷っていた。

山本のいうことは分かる。

ここで降伏すれば多くの命が助かる。

だが、連合艦隊が壊滅すれば数万の命が消えるだろう。

だが、国の頂点である以上、国のためを思い決断しなければならなかった。


「ドイツとの方針は・・・」


天皇は静かに口を開いた。















               「決戦」












天皇陛下がそう言い、皆が頷いたその時、部屋にも轟く帝都全域に空襲警報が響き渡った。


「何事か!」


米内が言うと外から声が聞こえてきた。


「敵爆撃機接近中!その数1000!」



それは、大陸より飛来するドイツの大編隊であった。

さらなる、絶望が日本に飛来する。


作者「一難去ってまた、一難か!」


星奈「このままでは、日本に残された唯一敵艦隊を上回る航空戦力さえ、なくなってしまうかもしれない」


作者「まあ、ドイツの空爆の成果にもよりますが日本にはまだ、陸海の航空戦力が充実してるから簡単にはやられることはない」


星奈「状況的にあの男が来ている可能性がある」


作者「あの男? ま、まさかあの悪魔が!」


星奈「・・・少しネタばれ・・・日本のある場所が一番危ないかもしれない」


作者「ある場所?」


星奈「読者なら気付いているはず。 あれを作るためにはどうしてもいる物質が兵庫県の隣の県などにある」


作者「あああああ!」


星奈「うるさい」


作者「ぎゃああああああああ!」


ズドオオオオン



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