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第269話 苦悩

ドイツ機動戦艦との戦いにより、紀伊の戦場から大きく引き離された海域で大和は戦っていた。

ラグナロクを撃沈したとはいえ大和は3艦の機動戦艦と交戦中だった。

大和の乗員は名前を知らなかったが潜水型機動戦艦『トロンべ』水上型機動戦艦『ヘイルダム』『ベオウルフ』、

有賀は勝率の高い戦いを選び艦をトロンベが潜んでいるであろう海域に向けた。

案の定、水上型の機動戦艦はバルムンクの射程以上に大和が遠ざかると追撃を開始した。

だが、大和への攻撃がなくなったわけではない。


「ミサイル7!来ます!」


「アイギスを展開せよ!」


「了解!」


定期的にドイツの機動戦艦は大和にミサイル攻撃を仕掛けてくる。

有賀も反撃しつつ敵の動きを鈍らせていた。

アイギスが健在である以上ミサイルはけん制にしかならないのだ。


「被害状況はどうか?」


有賀が聞く。


「甲板の火災は食い止められましたがCIWSの多くがやられました。 右舷のミサイルランチャーは全滅状態です」


「速力は全速で40ノットが限界です。 そして・・・」


「対空ミサイルの残弾が後27発しかありません」


副長が言った。


「かなり、使ったからな・・・」


有賀が言った。

大和は航空戦など連戦に連戦を重ねているのである。 いくら、長期戦闘を見越した機動戦艦といえども限界があった。


「おいつかれるのも時間の問題というわけか」


可能な限り敵戦艦をひきつける。

その狙いも有賀にはあった。

1隻を撃沈し、3隻を大和に引きつけている。

紀伊が敵の機動戦艦を撃破すれば背後からドイツ機動戦艦を襲ってくれるはずだ。

まだ、現状なら可能性は低くても日本に勝ち目はある。

ここで敵機動戦艦を殲滅しアメリカと講和できればドイツに逆に攻め込むことができる。

その時の大和の役目は大きいだろう。


「だが、妙だな」


「何がですか艦長?」


副長が言った。


「敵さんなんで、追いついてこないんだ? 速力の落ちた本艦なら追いつけるはずだろう」


「そういえば、そうですね」


妙なことにベオウルフもヘイルダムも大和に追いついてこない。

まだ、何か意図があるのかもしないと有賀が思った時だった。


「電探に感あり!こ、これは・・・」


「どうした?」


有賀が聞いた瞬間、兵は蒼白になっていった。


「こ、攻撃隊です! 東より大編隊接近! 数さ、300!」


CICがざわついた。

有賀は軽く息を吸うと


「ドイツの戦闘機か?」


「違います! 速度からしてアメリカです!」


「馬鹿な・・・米太平洋艦隊は連合艦隊主力と交戦中だ。 なぜ、この海域にいるんだ」


副長が言うのは無理もなかった。

実際、1000キロ以上離れた海域で今まさに連合艦隊は米艦隊と決戦を行っているのだから・・・


「副長、来たものはしょうがない。 今は、対応することだけを考えるんだ」


「はっ! しかし、艦長対空ミサイルは・・・」


「アイギスがある」


有賀は言ったが速力が落ちている以上、機関は万全とはいえない状況だ。

アイギスが停止する可能性も0ではない。

ならば、本来の戦艦の艦長の仕事をするだけである。

有賀は艦内マイクを手に取った。


「艦長の有賀である。 総員に達す! 米機動部隊艦載機と思われる大編隊を先ごろ確認した。 狙いは本艦であることは間違いない。 だが、我らはここで沈むわけにはいかない! 各員奮励努力せよ!」


大和の各部署から乗員の声が轟いた。












「まったく付いているのかついていないのか・・・」


男は言った。

男がいるのは空母のCICである。


「ついているではないですか提督、こんな主戦場から間に合うかわからない我らの艦隊に攻撃のチャンスをくれたのですから」


「確かに運がいい状況ともいえるが……」


男は口には出さないがどうしても、日本の機動戦艦を相手にはしたくなかったのである。

それは・・・


「ランカスター提督、まさかとは思いますが日本艦隊に攻撃を仕掛けることに疑問が?」


参謀の一人が言うとランカスターは嫌そうに眼を細めた。

彼は、イギリスで三笠や尾張と共に戦った提督である。

勝手に日本と協力したことからルーズベルトを激怒させ左遷させられたがあまりの、提督の死の連続でこうして、提督の座に戻ったのである。

それでも、主戦場から外される輸送任務であったがランカスターは今、空母24隻を中核とする機動部隊の提督であった。

この参謀もランカスターのお目付け役ともいえる存在だった。


「まさか、だからこうして攻撃隊を飛ばしたじゃないか」


先ほどまで行動を共にしていた潜水型のドイツのモンスター戦艦はこの場から姿を消しているが定期的に大和の場所を教えてきている。

大和に艦隊が発見されなかったのもドイツの兵器の存在があってこそらしかった。


「第2次攻撃隊を飛ばすべきです。 相手はモンスター戦艦大和なんですぞ」


「それは、第1次攻撃隊が接敵してからでもいいじゃないか?」


ランカスターはうっとおしそうに言うと参謀は顔を真っ赤にしてまくしたてる。


「やはり、提督はやる気がないと見受けられます」


他の参謀達も攻撃することに異存はないらしく何も言わない。

ランカスターは孤立無援の状態だった。

結果的に押し切られる形になる。


「分かった。 第2次攻撃隊発艦、続けて第3、第4次と続けさせよう。 これで満足か?」


「ええ」


参謀は言うのだった。


(ルーズベルトの犬め)


ランカスターは内心舌打ちしながら視線を地図に戻した。

大和がいるであろう海域。

イギリス近海で共に戦った2艦の姿が浮かぶ。


(これも、運命か)


ランカスターが言った時同じく第2次攻撃隊のアベンジャー雷撃機が出撃していくのであった。


ドミニク「どうでもいいけどこのランカスター提督史実ではいないよな?」


作者「まあ、この世界ではアメリカの提督は次々と戦死しているから、その中で偶然昇格した人ってことで」


ドミニク「にしても作者やるな2日にで更新かよ」


作者「ワハハ、ほめたまえ」


ドミニク「ということは、やはり最速更新に戻るんだよな?」


作者「無理です。 今日はたまたまでして」


エリーゼ「死すべきは草薙です」


作者・ドミニク「お約束うううううううううううううううう!」


ズドオオオオオオオオオオオオオン

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