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第268話 死闘 紀伊VSラグナロク

時は数時間戻る。

大和がグングニルを撃破した直後、紀伊とラグナロクの戦いは続いていた。


「撫子!」


大和の被弾を聞き、紀伊の艦魂、凛は思わず黒煙を上げている大和を見て叫んだ。


(よそ見とはいい度胸じゃなーい紀伊!)


「っ!」


頭の中に直接響くのは今まさに対峙している機動戦艦ラグナロクの艦魂だろう。

両者は距離、1万で砲撃戦を行っていたがここで、対機動戦艦を想定していない紀伊の欠点が露呈していた。


「当たらない…!」


数に限りがある烈空弾は使わず紀伊は通常の砲弾で戦っていたが紀伊の速射砲はラグナロクにかすりもしなかった。

対して、ラグナロクの砲弾は至近弾を何発も紀伊に与えている。

当たるのは時間の問題だろう。

紀伊のCICでは命令を繰り返しながら巧みな操艦で敵の攻撃をかわす日向も思っていた。


(やはりな……)


紀伊の砲は単装砲である。

それに対し、ドイツの機動戦艦は全て3連装速射砲である。

1発撃つだけなら容易に場所を特定されて回避されてしまう。

それに対し3連装なら砲弾の散布面積が広がり、回避が困難になる。

これは、未来でも指摘されていたことだが機動戦艦との戦いはないと決めつけた結果が今に至る。

つまり、この海域では紀伊より大和の方が強いのである。

敵が大和に攻撃を集中させている以上、時間をかけるのはまずかった。

ならば、するべきことは一つだった。


「最大戦速! ハープーン8番まで攻撃始め!」


紀伊が増速する。

その速力はたちまち、70ノットに達した。

凛は剣を構えた。

大和に攻撃が集中している以上、日向は時間をかける気はなかった。





「紀伊が突っ込んできます!」


「ミサイル8接近!」


ラグナロクの艦長、ワグネルは太い腕を組んで怒鳴った。


「おもしれぇ! 一撃で勝負をつける気だな! こちらも最大戦速で奴らにブチまかしてやれ!」


「アイアイサー!」


ワグネルの命令と共にラグナロクも突撃を開始した。

その距離は互いに6000まで迫った。

紀伊はミサイルにより相手の攻撃を中断させつつ、突撃する。

機動戦艦の火力は言うに及ばず護衛艦の火力とは比べ物にならない。

次々、アイギスに着弾する紀伊のミサイルはラグナロクの周囲を昼のように明るくさせた。

この状況を作り出してしまったのはワグネルに失態だった。

だが、ワグネルはこれがドイツの最大の障害であり事実上、最後の戦いであることを理解していた。

すでに互いの距離は1000を切った。

このままでは、アイギスの上から持っていかれる。


「アイギス解除! 同時に主砲をぶちかましてやれ!」






ラグナロクの周囲の薄紫色の膜が消えて行く。

それを見てフィリアは面白そうに笑った。


「キャハ、あんたのそういうところ悪くないわよワグネル」


右舷前方に接近してくる巨大戦艦にラグナロクの全部46センチ速射砲6門が全て紀伊に照準する。

その速度は第2次世界大戦の戦艦の速度と比べ物にならないぐらい早い。

この距離なら外さない自信がフィリアにはある。

アイギスを外した瞬間、紀伊の対艦ミサイルがラグナロクに飛び込んだ。

あちこち炸裂し装甲の薄い外部に露出したCIWSなどが被害を受けるがそれは、機動戦艦にとって重症ではない。

紀伊させしとめればそんなものいくらでもドイツ本国で修復できるのである。


「フフフ」


額から流れ、頬に滴り落ちる血を口元でなめとるフィリアは西洋式の剣を構えた。

そして、時同じくして紀伊の主砲もまた、ラグナロクに照準し、凛も己の剣を構える。

両者はまさに、肉を切らせて骨を断つを狙っていたと言えよう。


「「撃てぇ!」」


両艦長は同時に叫び、砲弾が発射された。

ここまで、接近してしまえば照準などしなくても、当たる、そうワグネルは読んでいたがここで予想もしなかった事態に発展した。

紀伊が突然、数発撃った瞬間、アイギスを張りなおしたのだ。

ここで烈空弾のあるラグナロクにそれはいささか無謀としか言いようがなかった。


「血迷いやがったか!?」


ワグネルは言うが敵の砲弾が迫る。


「衝撃に備えやがれ!」


マイクに怒鳴るとワグネルも椅子にしがみついた。

瞬間轟音と共がラグナロクを揺らした。

紀伊にも炸裂しただろう。

そう思って、ワグネルが顔を上げた瞬間、モニターに紀伊の姿が映し出された。

闇の中でも火災を上げていない紀伊

まさかと思った時には手遅れだった。

紀伊は体当たりする気なのだ。


「主砲発射用意! 紀伊を沈めろ!」


「駄目です艦長! 今の紀伊の一撃で前部主砲大破! 火災発生! 隔壁閉鎖により弾薬庫への優爆はありませんが……」


「な、なんだと!」


「紀伊発砲! 着弾まで……」


言い終わる前にワグネルは怒鳴った。


「総員白兵戦用意! 紀伊が来るぞ! アイギスを張れ!」


無駄だろうがなとワグネルは思った。

今から後部主砲を紀伊に向けても間に合うまい。

紀伊の砲弾がラグナロクのアイギスに弾かれる。

烈空弾ではない。

この距離で撃たないとは烈空弾を温存する気なのかあの艦長はとワグネルは思った瞬間、モニターに映る艦首で赤い槍で刺突の構えを取る紀伊の艦魂を見た瞬間全てを理解した。

敵の艦長の狙いを・・・


「しまった!」


手遅れだった。

紀伊の船体がラグナロクのアイギスに激突した。

機動戦艦のような巨大な質量にアイギスが耐えきれるはずもなくラグナロクのアイギスはガラスが砕けるように消え去った。

その瞬間は刹那である。

ラグナロクの艦首と紀伊の艦首はすれすれでかわしきれるはずもなく紀伊は左舷、ラグナロクは右舷を激突させ鉄と鉄がすれ合うものすごい音が南太平洋の海に響き渡った。

当然のことながら凛とフィリアの距離はほぼ、零距離である。

赤い槍を持つ凛を見てフィリアはおもしろそうに笑った。


「キャハハハ、やるじゃないき~い」


「これで終わりね? ドイツの機動戦艦」


「終わり? フフフ、どうかしらね」


「ふん、負け惜しみかしら?」


刹那にかわされた言葉はこれだけだった。

紀伊はすれ違いざまに主砲をラグナロクに叩き込んだ。

ほぼ、水兵発射のため、ラグナロクの艦橋を紀伊の主砲が貫いた。


「っ、フフフ、キャハハ!」


血にまみれてもなお、フィリアは笑っていた。

まだ、ラグナロクは死んでいない。

ワグネルもこのまま、終わってやるなどなかった。

後部主砲で紀伊に攻撃しようとするが

艦橋を破壊されたことで一時的機能に不備が生じていた。

ここだけではないが艦橋はレーダー類が集中する場所でもあるためで現代艦の砲はレーダーと連動している。

結果、撃てずに紀伊の通過を許してしまう。


ラグナロクと紀伊が離れて行く。


「どれだけやられた!」


「左舷バルムンク大破! 主砲第1から第6まで火災を止めるまで発射できません」


「くそ!」


ラグナロクの主兵装の8割が失われてしまった。

ミサイルでは紀伊を止められない。

後部主砲で戦うしかないのだろうか・・・

まさに、その時、その声は届いた。







「ワグネル、下がれ」








何が起こったのか分からなかった。

気がついた時には凛は血の海に倒れていた。


「う・・・」


痛みをこらえながら立ち上がるとそこは、火の海であった。

無意識に抑えていた場所を見ると腹でそこから血があふれだしているのだった。

この傷は、艦に大穴があいていることを示していた。

そして、あちこちに火傷のあともあった。

頬を触るとぬるりとした感触。

左手も動かない。

痛みによるものか骨折によるものかはわからないが紀伊は大打撃を受けていることに間違いなかった。


「恭介……」


凛は壁にもたれかかりながら痛みに顔をしかめながらも転移でCICに飛ぶ。

そこは怒号のさなかだった。

そして、彼の姿を見た瞬間、凛はひっと息を飲んだ。


「長官! 長官!」


衝撃で椅子から投げ出されたのだろう。

日向 恭介は血を額から流しながら椅子に手をかけながら立ち上がった。


「大丈夫だ古賀、それより、被害報告を」


「い、今の一撃でアイギス使用不能!………右舷より進水は隔壁で食いとめられていますが…」


兵が絶句した様子で言った。

何が起こったと言うのか……敵のラグナロクは火災のさなかだ。

紀伊がとどめを刺すというこの時、参戦できるのは後3隻いるが彼らは大和と交戦中だった。

ならば、残る可能性は1つである。


「新手か……」



その時、兵の一人が振り返った。


「長官! 敵より通信です」


「どいつだ? 今、戦ってた機動戦艦か?」


日向が聞く。


「いえ、どうやら今の攻撃をしてきた機動戦艦かと……」


「繋げ」


嫌な予感を隠しきれず日向は言った。

そして、その不安は現実のものとなった。

モニターに映し出された他人を見下すような冷酷な印象を受ける男

アドルフ・フレドリクは言った。


「久しぶりだな日向」




















時少し戻り機動戦艦大和のCICでは兵が悲鳴のような声を上げた。


「敵大編隊接近中! 数300! アメリカの航空部隊です!」


機動戦艦大和最大の危機

作者「一難去ってまた一難か!」


ドミニク「ついにでてきやがったかフレドリク・・・」


作者「この作品最強の機動戦艦として設定した悪夢のフリードリッヒ・デア・グロッセ・・・」


ドミニク「紀伊に勝ち目はあるのか・・・」


作者「紀伊が沈めば日本の敗北は決定づられたも同然か・・・」


ドミニク「しかし、紀伊はもう満身創痍じゃねえか……なんだ、あのフリードリッヒ・デア・グロッセの兵装は・・・」


作者「バルムンクじゃないさらなる新兵器をドイツは投入してきたか・・・」


ドミニク「マーナガルム バルムンク 烈空弾 謎の新兵器・・・とんでもねえなドイツは」


作者「それに大和は・・・」


ドミニク「3対1という圧倒的不利の戦いを強いられてる……ここに援軍の当ての紀伊もいけないとなるとこのままでは・・・」


作者「次話では戦艦大和方面の戦いの決着です」


ドミニク「ドイツを最低でも撤退させねえとな・・・」


作者「こうなったらドイツに拡散波動砲を撃ちこんでやる」


ドミニク「作者あきらめろこの後書から本編にはまったく介入できねえんだ」


作者「なんて無力なんだ」


ドミニク「ところで作者今年もやるのかあれ?」


作者「空気をよまないあれか? 予定ではやる。 毎度のごとく大騒ぎを予定してるけどあくまで予定ね。 忙しかったら無理だから」


ドミニク「楽しみだぜ作者」


作者「え?君の出番ないよ」


ドミニク「あんまりだ! 俺にも出番くれよ! かわいい美少女を・・・」


エリーゼ「最低ですねあなた達」


作者「し、しまった! なぜ、完成してないスカイタワーの展望台にいる我々の場所が!」


ドミニク「逃げろ!」


作者「300メートル以上あるぞここ!」


ドミニク「なんで地上でやらねえんだぁ!」


作者「あああああああああああ!」


エリーゼ「消えなさい」


作者・ドミニク「ぎゃあああああああああああああああああああああああ!」


キュイイイイイイイイイイイイイイン


エリーゼ「地上に落ちて行きましたかそれでは、大和次はあなたの最後の時です」



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