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第261話 蒼雷VSマーナガルム 砕けし命

光と爆炎が交差する天空の戦場。

多数のジェット戦闘機がまるで史実の第2次世界大戦の日米航空決戦のような格闘戦を繰り広げる。

ミサイルによるロングレンジの戦いももちろん、この空の戦いにはある。


そして、空の戦いが続く中でも日独艦隊は互いに距離を詰めつつあった。

互いに有効な攻撃ができる砲の射程に収めるまで数時間。

その前に制空権を巡る戦いは続いていた。


爆炎が起こり、機体がばらばらになり海に落ちて行く。

蒼雷のパイロット藤宮 海斗は味方が劣勢であると感じていた。

この時点で18機のハリアーは14機まで減っており、対するドイツ航空隊は13機。

ヴィゾフニルを1機落としただけである。

数は互角だが性能面を考えればむしろ劣勢と言っていい。

第7世代戦闘機に乗る自分が何とかしなければ。

小川はマーナガルムの1機と死闘を繰り広げており

凪もハルトマンとの1対1の戦いに挑んでいる。

ならば、自分がやることは残るマーナガルムの1機をひきつけることだ。


「!?」


藤宮はその瞬間、すさまじい殺意を感じ機体を横に倒す。

同時に上空から光が蒼雷の機体の横を通り抜けて行く。


「あーあ、外しちゃったか。 でも、見つけたよ蒼いの!」


フランカのかるマーナガルムである。

獲物を見つけた狼のようにマーナガルムは蒼雷を追撃する。


(焦るな……焦るな)


藤宮は蒼雷を加速させた。


「はっ! 逃げられるとでも思ってんの!」


フランカも蒼雷を追って急降下


(よし、かかった!)


ピーとフランカのマーナガルムの中でミサイルの警告音が鳴り響いた。


「ちっ!」


短く舌打ちしてアイギスを展開。

ミサイル爆散と同時にフランカは一気に機体を上昇させた。

その下を砲弾が通過していった。

見ると大和の46センチ砲がこちらを向いている。

機動戦艦のアイギスならともかく航空機のアイギスであんなもの直撃したらただでは済まない。


「一人で戦えない雑魚が!」


フランカは蒼雷をののしりながら機体を反転させようとする。

その瞬間、大和の主砲が火を噴いた。


ズドオオン


すさまじい轟音と共にはきだされた鋼鉄の一撃。

戦乙女撫子の薙刀の一閃


「っう!」


フランカはそれをかろうじてかわすが大和の追撃は終わらない。


「撃て!」


大和のCICで有賀が怒鳴った。


速射機能を持った大和の三連装46センチ砲が再び火を噴いた。

その砲弾はフランカの上空で爆散。

破片をまき散らした。

回避のためアイギスを切っていたフランカはまともに破片を受けた。


「うわ!」


衝撃と共に機体の中で警告音が鳴り響いた。

右の翼をやられたらしく姿勢が安定しない。

見ると折れてこそいないが白煙が見えることから破片をもらったらしい。


「この雑魚が!」


フランカは憎悪に満ちた視線で大和の方向を睨みつけた。

すでに46センチ砲の射程外に出ているため砲はないが対艦装備をしてこなかったことをフランカ心底憎んだ。


「ガルム3! フランカ無事か?」


「大和! くそ! ぶっ殺してやる」


フランカが憎悪に満ちた声でユルゲンの通信に答える。


「お前は先に戻れ! 後は俺たちだけで十分だ」


「はっ? 戻れ? まだ、1機も……」


ピー


「!?」


ロックオンの警告音だ。


フランカは舌打ちしてアイギスのボタンを押す

しかし、アイギスが展開されることはなかった。


「まさかいかれた?」


今、フランカのマーナガルムは機動性を著しくそがれている。

死の言葉がフランカの脳裏に宿った。

上空からフランカの上を取ったのは蒼雷だった。

マーナガルムの好戦的な性格を利用し大和の主砲の援護を借りて戦うことを

事前の出撃前に想定していたがこうもいくとは思っていなかった。

撃墜できるとロックした瞬間藤宮は思った。

その瞬間、紀伊の艦魂のことが脳裏によぎった。


(褒めてくれるかな? あの子)


勝利を確信し銀色の戦闘機に向かい発射ボタンを押そうとした瞬間、蒼雷は影に覆われた。


「え?」


彼が発した言葉はそれだけだった。

見えたのは紅の戦闘機。

そして、その戦闘機は蒼雷の上部から体当たりをしかけ、爆発が起こった。








ピーという電子音と共に紀伊の蒼雷を示す光点が消えた。

それを甲板の上で感じながら凛は静かに目を閉じて歯を食いしばった。






ばらばらと落ちていく2機の残骸を固めにフランカはほっと息を吐いた。


「ありがとうユルゲン助かった」


「帰還しろ」


ユルゲンは短く言い放った。

彼はミサイルやアルテミナスは間に合わないと判断し1番近くのヴィゾフニルに特攻を仕掛けさせたのである。


「了解」


フランカは短く言うと2機のヴィゾフニルを護衛にドイツ艦隊の方向に飛び去っていった。





小川・凪も蒼雷が撃墜されたことを同時に聞かされるが小川は何も言わずに戦いに集中する。

凪は一瞬、藤宮の顔を思い浮かべただけで泣くこともなく戦いに集中する。


「凪・・・藤宮少尉は・・・」


ソラの声に凪は頷いた。

彼は死んだ。

だからこそ自分は負けない。

彼の死に報いるためにも凪は涙を封印し震電を加速させる。

その先にいるのは漆黒の戦闘機メッサーシュミットゼロ。


作者「ああ・・・藤宮君」


ドミニク「戦場だ仕方ねえよ作者」


作者「だがフランカのマーナガルムは撃墜できなかったが撤退させた! ヴィゾフニルも一時的に2機減った」


ドミニク「無駄死になんかじゃねえ」


作者「当たり前だ」



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