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独立機動艦隊『紀伊』―連合艦隊大勝利!  作者: 草薙
日米最終決戦幕開け
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第258話 桜の贈り物

日本連合艦隊と連合国軍が壮絶な激突をする少し前、機動戦艦紀伊、大和は南太平洋にあった。

丁度赤道を越えた場所にありすさまじく熱い場所であった。


日本の第7世代戦闘機震電のパイロット神埼 凪はローテーションのスクランブルの待機を終えて仮眠するために部屋に向かっていた。

ドイツ機動戦艦の捜索は絶えず行われていたが凪はそのシフトから外されている。

なぜなら、ドイツの第7世代戦闘機に対抗するためには震電はベストの状態で置いておかなければならない。


「そういったの嫌いなんだけどな・・・」


凪は呟きながら廊下を歩く。

父親が戦死してから様々な苦労を重ねてきた凪だが特別扱いされるのは嫌いだった。


「いいから休め」


そ小川大尉の言われた時は不満だったが素直に従った。

小川 健二大尉は整備の兵士と何かを話していたがその内容は分からない。


「どうしようかな・・・」


仮眠しろと言われたが別に精神が休まるなら何をしていてもいいだろう。

凪は親友の天城 彼方の部屋に向かった。






「ああ! また計算間違えた! ドミニクあんたのせいよ!!」


「俺のせいかよ!」


凪は彼方の部屋に言ったがいなかったのでもう一つのいるだろう場所にやってきた。

ここは、紀伊の心臓部の核融合炉がある機関室の隣の部屋、アイギスを制御する部屋であった。


部屋では床に座り白衣でお父さん座りという女性あるまじき姿でパソコンを叩いている天城 彼方(17歳)の姿があった。


「ここをこうして……ああ違う! 時間がないのに!」


明らかに焦っている様子だったが凪の来訪に振り返ったドミンクが気付いた。


「よう、凪ちゃん! どうしたんだこんなところに」


「あ、おはようございますドミニクさん忙しそうですね彼方」


パソコンを凝視する彼方はよほど集中しているのか凪に気付いた様子はない。


「まあ、出港してから寝てねえからな彼方ちゃん」


「え? でも2日も?」


前に彼方は科学者は7日寝なくても死なないと言っていたが本気だったらしい。


「おかげで俺も付き合いで眠い」


よくみるとドミニクの目にもくまができているのが分かる。

2日徹夜しているらしい。


「ドミニク」


さっと彼方が右手を出した。

画面に目が向けられたままで無意識の行動かもしれない。


「はいよ」


ドミニクはたなからリボビタンxと書かれた栄養ドリンクを取り出してふたをあけてから彼方に渡した。

彼方はそれをぐっと口に流し込んでぽいっとビンを投げ捨てた。

よく見るとゴミ箱には山のようにビンが積み上げられており体調が心配になる量であった。


「だ、大丈夫なの彼方?」


「んん・・・分からねえ。 俺も飲むかな」


ごくりとドミニクもリボビタンを口に入れる。


「くぅ! 効くぜ! 凪ちゃんはどう?」


「あ、栄養ドリンクとかは私飲まないので・・・・・・」


「そうか」


ドミンクはそれ以上無理に進めようとはせずリボビタンxを部屋の隅に設置された小型冷蔵庫に入れる。

一瞬見えたがほとんどが、リボビタンxだ。


「あの、ドミンクさん2人とも食事は?」


「これだ」


ドミニクはリボビタンxの入った冷蔵庫を再び開けるとカロリーメイドと書かれたメイドの絵柄が入った箱とうウイタ―inゼリーと書かれたものを見せてくる。

ゼリー状で手軽に食べられる簡易食である。


「がんばってね2人とも」


凪は突っ込むのをやめて扉を閉めた。

廊下を歩いていると後ろから


「ドミニク! 資料室からこの本とってきて! 2分以内!」


「徹夜明けに走らせるのかよ! 悪魔だぁ!」


逆の方向に走っていくドミニクの後ろ姿を見て凪はフフフと楽しそうに笑った。






その頃、格納庫では凪の上官、小川と整備兵の月城が1機の戦闘機の前で話をしているところだった。


「こいつが零式か」


小川は目の前にある戦闘機を見上げながら言った。


「はい、かな・・・・・・天城特別中将に言われて組み上げた蒼雷の試作型です。

ですが、問題点も多いためほとんど完成しているのに蒼雷が作られたんです」


「蒼雷零式型か、問題点というのは?」


「極限まで速度と格闘戦を意識した作りですのでこいつを扱える人間がいないんです。 というより、最大Gを考えるなら人間が扱えるレベルを越えています。 速度だけなら震電や蒼雷より上です」


「最大加速はどれほどでるんだ?」


「分かりません。 天城特別中将によれば理論上はマッハ10を越えることができるといいますがパイロットが気絶してしまいますから・・・・・・」


「その速度を出さなくても戦闘機としての能力は高いんだろ?」


「ええ、少なくてもハリアー3よりは遥かに高い能力があります。 アイギスはありませんが」


月城の説明を受けながら小川はその機体を見上げていた。

もはや、ハリアーではドイツの戦闘機に対抗できないという状況になりつつある。

バッヘムはなんとかハリアーで対抗できるがメッサーシュミットクラスになれば性能差がありすぎる。

マーナガルムやメッサーシュミットゼロなど論外の性能だ。


「もう飛ばせるんだな?」


「飛ばせますよ」


「そうか」


月城の言葉を聞き小川は満足そうにうなずいた。


「よう、健二それが新しい機体か?」


「あ、日向長官」


月城が敬礼し小川が顔をしかめる。


「指揮官が艦の最後尾の格納庫に何の用だ?」


「そんなに邪険にすることないだろ? 古賀に任せてきてるよ」


「古賀参謀長かわいそうに……」


月城が同情するように言った。

小川はため息をつくと


「月城お前はもういい。 整備に戻ってくれ」


「あ、はい」


月城は震電の整備に戻るため歩きだしてから後ろを振り返った。

格納庫の端で小川と日向は何かを話していた。


(友達なんだよな確か……)


同僚より聞いた情報を思い出しながら月城は床に置いてあったケーブルに手を伸ばすのだった。




「調子よさそうだな」


格納庫の壁にもたれかかりながら日向は整備兵達を見ながら言った。


「ああ、空は俺たちに任せろ。 マーナガルムとメッサーシュミットは必ず押さえてやる」


「ああ、信頼してるよ。 お前もようやく第7世代の戦闘機に乗るんだな」


日向は面白そうに言う。


「ハリアーもいい機体だった。 だが、レシプロ機がジェット戦闘機に時代を明け渡したように第7世代に対抗するには第7世代が必要だ」


「だが、正直日本の第7世代の戦闘機はドイツに1歩遅れをとってるけどな」


「確かにな。 マーナガルムやメッサーシュミットゼロを見ていればそれは分かる」


「烈風や震電、蒼雷、対抗できる機体は存在するし神雷でも太刀打ちできないわけじゃない」


「確かに」


小川は腕を組んで目を閉じた。


「だが、空の戦いはあくまで制空権の争いでしかない。 戦いの趨勢を決めるのは機動戦艦だ」


「正直な・・・」


日向は周りに小川しかいないことを理解して上で口を開いた。


「この戦い負けるつもりはないが覚悟だけは必要かもしれない」


「核か……?」


小川の問いに日向は答えず壁から背を話して歩き出した。


「恭介?」


日向は歩きながら右手だけをひらひらと振りながら


「戦いが終わったら俺の部屋来いよ。 山本長官からもらったいい酒があるんだ」


「その時は祝杯か?」


小川に問いに日向はただ、1度振り返り微笑んでから答えずにその場を後にするのだった。





南太平洋の海はどこまでも蒼い蒼い海である。

その潮風も艦魂の凛のとっていつの時代も変わらない海の匂いだ。


凛はいつもの場所、46センチ速射砲の前で顕現させた武具を見ていた。

一つは真紅に染まった槍、もう一つは西洋の剣に近い形状を持つ剣である。


「・・・・・・」


凛は真紅の槍を空に右手で上げながら甲板に寝転がった。


「明……」


好きでなかったはずの妹の真名を凛は呟いた。

3対1という絶望的な状況でも1歩も引かず戦い続けた妹。

血に染まってもなお槍を構えて戦い続けようとした雄姿は撫子から聞いていた。

討てるだのだろうか仇を・・・

凛は考えていた。

あの時、明が死んだと聞かされた瞬間、凛の心は憎悪に染まっていた。

もちろん、今でも憎悪は存在する。

だが、時間と日本の艦魂達の会話で少しずつではあるが凛の心は溶かされていた。

日本を守るために自分は負けるわけにはいかない。

あのエリーゼと呼ばれた少し悲しい目をした艦魂も今回は出てくるかもしれない。


「絶対に負けないんだから」


ぐっと槍を持つ手に力を込めた時だった。


「ええ、勝ちましょう凛様」


転移してきた機動戦艦大和の艦魂、撫子を凛は拒まなかった。

むしろ、望んでその場に呼んだ。

寝転がったまま凛は撫子の気配を感じながら


「撫子」


「はい」


優しい声が凛の耳に響く。

目を閉じたまま少しだけ顔を赤くして


「ごめんね」


撫子が不思議そうにするのが気配で分かる。


「どうして謝るのですか?」


本当に分かっていないようである。

凛はフフフと内心で笑いながら目を開けて上半身を起こすと和服姿の

撫子が目に入る。


「殴ったでしょ? 横浜で明が死んだと聞かされた時」


激高に任せて撫子を殴ったことを凛は謝罪していた。

撫子は納得したように2010年の未来では絶滅した大和撫子の優しい微笑みを浮かべて凛を見つめる。


「フフフ、いいんです凛様、謝るのはむしろ私です明さまを……」


「うん、でもいい」


「凛様?」


「明が死んだのは悲しいけどやっぱりそれで撫子を攻めるのは間違ってるから」


凛は槍を見ながら


「だから私は日本を守る。 ドイツ艦隊を破って日本を救って見せる」


強い決意に満ちた言葉。

撫子はその姿を見て偉大な艦魂達と凛が重なって見えた。

三笠の艦魂炎樹、金剛の艦魂柚子、長門の艦魂鈴

彼女たちはみな、今の凛と同じような目をしていた。

撫子はそんな凛の姿を見て本当にうれしく思った。

この子と共に戦い迎える戦後

それは、素晴らしいものになるだろう。

未来で伝説の戦艦と日本民族の心の深く浸透しているという大和の名と共に紀伊の名も刻まれることになるだろう。

もちろん、尾張も……

思わず撫子は凛を抱きしめていた。


「ちょっ! 撫子! いきなりなんなのよ!」


腕の中で暴れる凛を感じながら撫子は凛をぎゅっと抱きしめる。


「勝ちましょう凛様。 私は今度こそ守って見せます」


その言葉に凛は暴れるのをやめて大人しくなる。


「守らなくてもいい……だから撫子は死なないで」


それは本心からの願いなのだろう。

明を失った心の傷が完全に癒えることは絶対にないのだ。

凛は仲間が死ぬことを恐れているように撫子は思った。

優しく抱きしめながら撫子はまるで母のような優しさの中で言葉を紡ぐ。


「私は日本海軍……いえ、日本の希望大和ですよ凛様、あなたが沈まないように私も沈みません。 約束します」


「絶対よ」


念を押すように撫子の胸の中で凛が呟いた。


「ええ」


撫子は言うのだった。











機動戦艦大和に戻った撫子は艦長である有賀 幸作の元を訪れた

現在彼は、部屋で水虫の薬を取りだす所だった。


「おお、撫子じゃないか。 どうかしたのか?」


撫子は優雅に微笑むとスッと有賀の手から水虫の薬を奪い取る。


「おいおい、何をするんだ」


「足を出してください。 私がいつものように塗らせていただきます」


「1人でも塗れるさ」


有賀は照れたように言ってから足を出した。

余談だが有賀 幸作の足は靴ではなく草履である。

これは水虫がひどかったというのが理由であることは史実でも知られている。


「……」


丁寧に撫子は塗り薬を有賀の足に塗っていく。

嫌な顔一つせず嬉しそうにする撫子を有賀は見つめていた。


「どうかしましたか? 幸作様?」


視線に気づいた撫子が顔を上げる。


「あ、いや……」


有賀は慌てて顔を背けながら思い出したように机の引き出しを開けた。


「そ、そうだこの前呉でいいものを見つけたんだ。 撫子に似あうといいんだが……」


そういって慌てて取りだした紙袋を撫子の前に突き出す。

水虫の薬を塗る場面でのプレゼントなどムードのかけらもないが撫子は本当にうれしそうに受け取った。


「開けてもいいですか幸作様?」


「あ、ああ気に入らないなら海に捨ててくれ」


撫子が紙袋を開けると桜の花の髪飾りだった。


「これを私に?」


撫子が聞くと有賀は恥ずかしそうに頬を書いた。


「いや、これからドイツ艦隊と決戦だと言うのに浮ついた気持ちかもしれんがどうしても渡したかったんだ。 何度か機会を見ていたが機会を逃していてな……」


撫子は頬を赤く染めてぎゅっと髪飾りを抱きしめた。


「うれしいです幸作様」


「そ、そうか? 喜んでくれてうれしい」


「はい、さっそくですがつけてみますね」


撫子は桜の髪飾りを髪につける。

大きな変化はないが有賀にはそれはよく似合っているように感じた。


「どうですか?」


撫子が恥ずかしそうに言うと有賀は


「似あう似あう! か、かわいいよ」


「ありがとう……ございます」


撫子は嬉しそうに髪飾りに手を置いた。

その姿に有賀はずっと胸に秘めていた言葉を口に出した。


「な、なあ撫子?」


「はい?」


満面の笑みで撫子は有賀をみる。


「この戦争が終わったらよければ……」


ピーピー

その時、有賀の耳についていたインカム型の通信機に通信が入る。


「また、次の機会に言う」


そう言って有賀は通信機のボタンを押した。


「有賀だ。 どうかしたのか?」


「艦長、お時間ですの連絡いたしました」


有賀が見ると確かに連絡を入れるように言っていた時間だった。

CICに行かなければいけない。

有賀は通信を切ると立ちあがった。


「いってらっしゃいませ幸作様」


後ろから撫子の声を聞き有賀はあの言葉はこの決戦に勝ってから言おうと誓い振り返る。


「ああ、行ってくるよ撫子」


作者「熱いです……」


ドミニク「暑いとかいうな作者……余計熱くなる」


作者「扇風機にクーラー最大にして新たに手に入れた恋姫無双やりながらアイスを食う。 なんという贅沢」


ドミニク「その代りてめえの電気代は毎年夏はとんでもない金額になってるよな」


作者「フフフフフフフフ、フハハハハハハハ!」


ドミニク「何を笑ってやがる!」


作者「甘い! 甘いぞ! チョコレートよりもな! 社会人にはボーナスがある!夏のボーナスが!」


ドミニク「なにいいい!」


作者「確かに最近は減りつつあるがそれも数十万クラスの大戦力だ! 電気代!はっ!10万ぐらいどんとこいやぁ!」


ドミニク「てめえ、独身のくせに!」


作者「結婚だと! 肩はらいたいわ! 趣味に使える金が減るなら死んだ方がましだ!」


ドミニク「言い切りやがった!」


作者「この気持ち! まさしく愛だ!」


ドミニク「てめえは歪んでいる!」


作者「ならばそれは世界の声だ!」


ドミニク「貴様のその歪み俺がこの日本刀で断ち切る」


作者「よく言った!ドイツ人!」


ドミニク「うおおおおおおおおおおおお!」


作者「うわああああああああああああああ!」


彼方「暑いのにうっさい!」


作者・ドミニク「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


ズドオオオオオオオオオオオオオン

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