第245話 全て先読む連合軍
敵艦隊発見
その報告は兵達の士気を上げた。
一方的に殴られる状況から一転して攻撃できるのである。
しかも、その位置は竜神の航続距離内である。
「ついに捉えたか米艦隊を……」
「長官、ここは攻撃しかありません」
宇垣参謀長が言った。
山本は頷くと
「独立機動艦隊にも支援を要請してくれ。 米機動部隊は連合艦隊が引き受ける。 ドイツは任せる」
「了解しました! 第1次攻撃隊を発艦させます」
空母 翔鶴 瑞鶴 大鳳 信濃などの正規空母 朱雀 玄武 青龍 白虎といった輸送船改造空母から次々と竜神が飛び立っていく。
独立機動艦隊を除く日本海軍の今作戦参加空母は23隻である。
幻龍が撃沈されたため現在は22隻になった空母から総計 272機の竜神隊は敵艦隊を目指して飛び立ったのである。
そして、その編隊が武蔵から見えなくなった時、その報告は来た。
「長官、アメリカの第1次攻撃隊と思われる大編隊をレーダーで確認しました」
「大編隊? 数は?」
山本が聞いた。
「北からは570機、さらに合衆国本土より飛来していると思われる大型爆撃機がレーダーでは確認できます。 数500」
「大型爆撃機とはB24か?」
「いや、おそらくB29だろう」
「どうしますか? 北の米第一次攻撃隊はこちらの第1次攻撃隊を使えば早期に迎撃は可能ですが……」
現在、多方面からのシューティングスターの猛攻により、日本の直掩の戦闘機はばらばらにされてしまっている。
もちろん、各空母には戦闘機は多数存在するが第2次や第3次攻撃隊を考えるならあまり、直掩には避けないのが現状だった。
独立機動艦隊の空母に迎撃を頼む手もあるがドイツがいる以上、彼らにはドイツとの戦いに集中してほしい思いもあった。
「直掩の戦闘機は何機いる?」
山本が聞くと参謀の一人が答えた。
「40機です。 後、30機上げることは可能ですが……」
70:570、質で勝る竜神なら戦況は互角に持ち込むことは可能だろう。
「直掩の戦闘機に迎撃を命じろ」
「了解! しかし、一時、艦隊の上空ががら空きになりますが……」
「何、村雨のイージスでいくらかはカバーできるさ」
それに、三笠もいる。
その隙は、2艦の最強の防空システムに任せるしかなかった。
直ちに直掩が米戦闘機隊に向けられた。
日本海軍の第一次攻撃隊と米第一次攻撃隊は至近距離で互いにすれ違ったが睨みつけるだけで互いに獲物に近付くため無視。
そして、直掩の竜神70は米第1次攻撃隊に接触した。
「攻撃開始!」
中隊長の言葉通りにミサイルが竜神から放たれる。
魚雷を積むため、第1次攻撃隊に随行していたアベンジャーやヘルダイバーが叩きおとさて行く。
しかし、日本軍の攻撃はそこまでだった。
敵編隊から閃光がまたたき、竜神の一機を貫いた。
「何!? これはまさか……」
竜神の日本兵が驚愕した声で言った瞬間、銀色の戦闘機が彼の視界に飛び込んできた。
同時に紅い機体が確認できた。
「ま、マーナガルムだと……」
日本最強の戦闘機、震電ですら互角にしか戦えないその3機と10機の無人機はレーダーに探知されないアイギスを解除すると猛然と直掩の竜神に襲いかかった。
その攻撃は圧倒的で70機の竜神は一機残らず叩きおとされた。
「悪鬼め……」
パラシュートに揺られながら竜神のパイロット綾咲が言った。
そこへ、マーナガルムが反転してくる。
(まさか……)
彼の思うとおり、マーナガルムがアルテミナスを発射した。
一瞬で黒こげの日本兵の死体ができる。
それは、2機のマーナガルムからの攻撃で海上に落ちた竜神のパイロット達にもアルテミナスの光は降り注いだ。
恐怖に悲鳴の怒号。
それを聞きながら説教的に攻撃に参加したフランカは爆笑しながら言った。
「アハハハハ! ああ、面白い! 最高!」
圧倒的な力で弱者をいたぶり命を蹂躙する快感。
それは人間なら誰でも持っている感情である。
ヴェルナーとフランカはこの欲望に忠実な人間だった。
また、このような攻撃が正義になる。
戦争こそが人間の歪んだ狂気なのかもしれなかった。
そして、先に第1次攻撃隊を攻撃させることに成功したのは米航空隊であった。
「直掩の竜神70機……全滅しました……」
「……」
山本は無言で目を見開いた。
「米攻撃隊……いえ、米独攻撃隊間もなく、主砲の射程に入ります」
その言葉に、山本は彼方との会話を思い出していた。
「マーナガルムに対する対抗策はやはり烈空弾か?」
「ただでさえ、数の少ない烈空弾での迎撃は論外よ山本長官」
それは、山本が天城 彼方と2人だけで話した時に出たことだった。
「では、あのアイギスのついたドイツの戦闘機相手にどう戦う? どうすればアイギスを破れるんだ?」
「方法は一つ、零式弾を直撃できるならアイギスは敗れる。 機動戦艦のアイギスは出力上破れないけど戦闘機なら……」
今まさにその時が来たのだ。
「主砲零式弾砲撃始め!」
武蔵 長門を始めとする戦艦部隊の主砲が空を向く。
そして……
ズドオオン
作者「な、なんだと!?」
ドミニク「ちっ! あいつらはここにいやがったか
作者「だが第一次攻撃隊は無傷だ:
ドミニク「しかし、情報を全て得ている米軍に勝ち目あるのか作者」
作者「奇跡は起きます! 起こして見せます!」
京子「奇跡しかないのか汝らぁ!」
作者・ドミニク「うぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン