第244話 比叡被弾ス
ドイツの機動戦艦は最低でも空母1に潜水型の機動戦艦1と攻撃から推定することができた。
だが、三笠艦長、藤森 冬花は無駄だと分かりながらもミサイルの発射された場所に対潜ミサイルを撃ちこもうとしたが敵を発見することはできなかった。
もっとも、アイギスを装備する機動戦艦にミサイルなど蚊にさされた以下の攻撃にしか感じまい。
機動戦艦の存在も大事だが問題は米艦隊の補足だった。
波状攻撃を仕掛けてくるシューティングスターは敵艦隊の補足を困難にし、防戦に回る中、どこからか機動戦艦がミサイルで攻撃をかけてくる。
水上型の機動戦艦しか存在しない日本にはできない戦法であった。
やはり、ドイツの方が技術的には上なのだ。
「……」
冬花はレーダーに目を向けるがそれを見ている兵からは何の言葉もない。
やはり、補足できていない。
しかし、米艦隊はレーダーからは逃げられまい。
映らないということは射程圏外に米艦隊は存在していることになるのだ。
おそらく、ドイツも……
(いずれにせよ米艦隊の補足こそが……)
偵察に散ったパイロット達を思い冬花は指示を出し続けた。
襲来したドイツのバッヘム、メッサーシュミット1000と神雷、烈風は一進一退の攻防を続けていた。
初戦こそバッヘム、メッサーシュミットが数の多さで押していたが、同数の神雷や烈風が襲来すると戦況は互角になった。
いや、三笠や村雨の援護があるからこの場所では日本軍有利というのが正しい。
元々、性能差に大差はない。
バッヘムVS烈風なら烈風が圧勝する性能だし神雷VSメッサーシュミット1000ならメッサーシュミット1000が有利となる。
そのため、互いの戦闘機は同性能の戦闘機と戦うことが必然となっていた。
「一進一退か……」
味方の神雷が炎を上げながら落ちていくのを見ながら高畑は思った。
その瞬間、高畑の乗る神雷にミサイルロックオンの警報が鳴り響いた。
「く!」
舌打ちしながらチャフを巻きそのミサイルをかわして後部についた戦闘機を振り切ろうとする。
相手は、メッサーシュミット1000である。
こちらの方が分が悪い。
(やるしかないか……)
高畑は機体を旋回しながら降下させていく。
相手も、同じスパイラル軌道で追跡してくる。
スパイラルダイブという空戦の技術の一つであり、危険極まりない技術だった。
高畑は降下のGと海面激突の恐怖と闘いながらスロットルをわずかに緩めた。
メッサーシュミット1000はそれに気付かず、神雷を追い越してしまった。
ガラ空きのメッサーシュミット1000が高畑の前に現れることになる。
刹那の一瞬、高畑は最大限の集中力を発揮し、敵をロックオンする。
(俺の勝ちだ!)
白煙を吐きながら高畑のミサイルはメッサーシュミット1000に吸い込まれていく。
敵機はチャフをばらまいたがミサイルはメッサーシュミット1000に着弾し、大空に花火を作った。
「次は……」
高畑は次の相手を探す。
僚機は先ほど落とされてしまっている。
その様子を見ていたものがいた。
エミリア・ガースキ―である。
「やるな、あの神雷」
危険なスパイラルダイブから後ろを取り、性能の勝るメッサーシュミット1000を撃墜した技量は見事の一言に尽きた。
あれはエースパイロットに違いない。
エミリアは彼を撃墜することを決意した。
中隊長達を越えるにはあのようなエースとの戦いは不可欠だ。
エミリアは愛機のメッサーシュミット1000を高畑の神雷に向けた。
高畑とエミリアの空戦は一部にすぎない。
空ではすさまじい空戦が繰り広げられ、パイロット達は自分の技量を相手に叩きつける。
その光景は、各空で竜神とシューティングスターの間でも繰り広げられまさに、戦場の主役はジェット戦闘機が担うように見えた。
しかし、その時はやはりやってきたのである。
「長官! ミサイル接近!また、40です!」
「くっ……迎撃できるか……」
山本は苦虫を噛み潰したような顔で言った。
おそらくは、潜水型の機動戦艦から打ち出されたミサイル40を三笠と村雨は必死に対空ミサイルで迎撃しようとした。
もちろん、竜神や神雷、烈風も防御に加わるが迎撃できなったミサイルは無情にも艦隊に向かう。
その数は7
そのうち、6は駆逐艦を消し飛ばし、1発は戦艦、比叡に向かった。
すさまじい、対空砲火を区切りぬけてミサイルは比叡に向かう。
「取り舵いっぱぁい! ジェットエンジンが焼き切れて構わん!かわせえええ!」
比叡の艦長が悲鳴のように叫び艦魂の朱里は刀を持ったまま、静かに目を閉じた。
あれはかわせない。
……
ズドオオオオン
「あああああ!」
朱里は絶叫し血の海に倒れた。
すさまじい爆音と共に比叡の前部に対艦ミサイルが直撃したのである。
炎が嵐のように荒れ狂い比叡の速力は下がる。
「比叡が!」
「朱里!」
参謀の一人が言うと山本は思わず比叡の艦魂の名前を呼んでしまった。
彼女は山本の大切な友人だ。
「比叡が艦隊から落伍します!」
12ノットまで速度の下がった比叡はジェットエンジンを備えている各艦に追いつけない。
かといってこのまま放置すれば、いい的になるだけだ。
「比叡に護衛をつけて、オアフ島まで引き上げさせろ」
「いた仕方ありませんな」
黒島が残念そうに言った。
戦艦の離脱は兵の士気にかかわりかねないのだが速度の落ちた戦艦を抱えたまま、進軍はできまい。
むしろ、沈まなかったことだけが不幸中の幸いと言えた。
戦艦の防御力がなければ一撃で沈んだだろう。
それにしても……
「敵艦隊はまだ見つからんのか……」
幻龍に比叡、次々と日本艦隊は被害をこうむってきている。
このままでは本当に負けてしまう。
その頃、三笠所属の複座の烈風は日本艦隊から遥か北の海域を偵察していた。
そして、彼らの遥か下には求めてやまなかった存在があった。
その通信は直ちに行われた。
「ブルー1より三笠へ! 米機動部隊を発見! 1000隻を越える大艦隊! 超巨大空母6隻を確認! 位置は……」
日本海軍が反撃の糸口を掴んだ瞬間であった。
作者「よし、連休だから更新だ!」
ドミニク「今回は朱里ちゃんかよ」
作者「大丈夫! 沈んではいないさ」
ドミニク「にしてもよ、戦艦離脱はやばくねえか?」
作者「追い込まれてきた感じが……」
ドミニク「問題は、日本を翻弄している潜水型の機動戦艦だな。 まあ、ミサイルに限りがあるだろうから打ち止めは近いと思うが……」
作者「しかし、次話でついに!」
ドミニク「日本の反撃か!?」
作者「第1次攻撃隊発艦だ!」
ドミニク「よし! アメリカ軍なんか質で押し切りだ!」
作者「ワハハハハハ、覚悟しろアメリカ軍」
ドミニク「ざまあみろ!」
朱里「ドイツの存在忘れちゃだめですよ2人とも」
作者「朱里様おいたわしや」
ドミニク「ううむ、血に染まる少女と言う姿も絵になるな」
朱里「2人とも真面目に……」
柚子「妹を愚弄するなら死ね!」
翡翠「死にやがれ!」
刹那「ひどいです!」
作者・ドミニク「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
ズドオオオオオオン