第243話 見えぬ連合国艦隊―幻龍轟沈
「敵艦隊の補足はまだか!」
神雷、烈風がドイツ軍と激突した報告を聞きながら山本は怒鳴った。
このままでは、一方的に殴られる状況になる。
焦りが冷静な判断を狂わせる。
山本は落ち着こうと息を吸った。
「長官! 敵、戦闘機の一部が直進してきます!」
「やはり、50機程度で止められるものでは……」
航空参謀がちらりと山本を見た。
判断は一瞬である。
「やむおえないか……竜神を……」
その時、兵が転がり込むように入ってきた。
その報告は南から敵、戦闘機が向かっているという情報だった。
「後ろから……ドイツの潜水空母か!?」
山本は舌打ちしたい気分になったが
「速度から考えてシューティングスターと三笠は言っています」
「シューティングスターだと? アメリカのジェット戦闘機ということはまさか、敵の空母は……」
その数は50機だという。
だとすれば陽動か……あるいは
直ちに、直掩の竜神40機がそちらへ向けて飛んでいく。
ドイツの戦闘機隊は独立機動艦隊の艦載機が防衛のために飛んでいく。
その5分後、新たな情報が艦橋に飛び込んできた。
「長官! 西の海上より、敵編隊接近中! 数100!」
「ドイツか?アメリカか?」
「アメリカです! シューティングスターかと」
(また、シューティングスターか……)
西 南 東と敵の攻撃は続いている。
偵察に竜神をだしているがどの方面にも敵、空母の姿はなかった。
今のところ、直掩の戦闘機を増やすことで対処できているが戦力を分散している状況に変わりはない。
「どういうことでしょう長官? なぜ、空母がいないのに戦闘機が……このシューティングスターは一体……やはり、例の潜水空母でしょうか?」
「敵は、潜水空母にシューティングスターを搭載している可能性がある」
「なぜですか? ドイツには高性能なジェット戦闘機があるではありませんか」
「飛んでくる方向に敵艦隊がいると思わせるのが目的なのかもしれん……」
しかし、山本としても自信はなかった。
艦隊に近づけないことは大事だが敵艦隊の位置の特定は急務だ。
未だ、三笠のレーダーに反応がないということは敵艦隊の位置はかなり遠いと見て間違いない。
「長官! 今度は北の方角からシューティンググスターが接近中! 数30!」
これは、直掩の戦闘機を減らす陽動だと山本は確信した。
なら、敵の誘いに乗ってやる必要などない。
「村雨に北の編隊を迎撃させろ」
「了解!」
直ちに、信濃の後ろについていたイージス艦村雨の艦長は命令を実行に移す。
「シースパロー発射始め!」
「小雪はやらせないわよ!」
村雨の艦魂、由真が軍刀を振り下ろした。
沖縄の独立機動艦隊の基地で建造された大和を除く大日本帝国所属の唯一のイージス艦村雨のミサイルは一切の容赦なく30のシューティングスターを消し飛ばした。
「敵艦隊の補足はまだか!」
艦隊に一切のダメージはないが焦りは募るばかりだった。
その頃、第5艦隊司令長官ハルゼーは報告を聞きながら満足していた。
山本が予想した通り、この波状攻撃は陽動である。
どこにいるかわからない機動部隊の存在は焦りを生む。
レーダーがある以上、ミッドウェーのように奇襲はできないが例外もある。
ドイツから情報を得たハルゼーは航空機射出のみを前提にされたグアム級潜水艦隊を
あちこちに伏せて、日本海軍にまるで機動部隊が複数存在するように見せかけていた。
射出した後は潜って離脱してしまうグアム級潜水艦の発見は容易ではない。
日本海軍は一点の方向に索敵機を絞ることができなくなるのだ。
この戦い必ず勝つ。
ハルゼーは決意していた。
そして……
「ミサイルが来ます!」
兵の言葉に山本は驚愕した表情で
「どこからだ!」
「北西方面からです! 数40!」
村雨、三笠から迎撃ミサイルが発射される。
30のミサイルが撃墜されたが他のミサイルは迎撃できずに突っ込んでくる。直掩の竜神がミサイルを撃墜しようとカバーに入る。
「くっ!」
大空のサムライ坂井は1つのミサイルを撃墜したが他の9発は迎撃できずに艦隊に突っ込んでいった。
「退避ぃ!」
日本海軍のこ紅龍級空母幻龍の甲板では今まさに竜神が発艦しようとしていた。
整備兵が空を指して怒鳴っている。
ミサイルは真上に上がり甲板にいた竜神に突き刺さり爆発を起こした。
たちまち、甲板に引き出されていた竜神同士が誘爆する。
幻龍の艦魂は痛みにのたうちまわり、その彼女にさらに4発の対艦ミサイルが突き刺さった。
ミサイルは装甲を突き抜け格納庫まで達し、格納庫にあった竜神や兵達を軒並み吹き飛ばした。
そして、大爆発を起こして一瞬にして、大型空母と同等の積載能力を持つ幻龍は轟沈したのである。
さらに、残りの5発の内、4発は駆逐艦に突き刺さった。
まともな防御力のない4隻の駆逐艦は一瞬で海面に没しさらに、1発は戦艦伊勢に向かっていた。
「くっ!」
戦艦、伊勢の艦魂は日本刀を振りかざすがミサイルはまっすぐに突っ込んでくる。
伊勢の機銃の兵たちは必死にミサイルに向け3連装機銃を放つが当たらない。
「ああ……」
伊勢の艦魂剣が呟いた時、機銃を放っていた兵の機銃がミサイルに当たった。
そして、伊勢の至近距離でミサイルが爆発したのである。
爆炎に包まれる伊勢はまるで被弾したように見えた。
「姉上ぇ!」
妹の日向の艦魂、京子が悲鳴を上げる。
爆炎は伊勢の表面をわずかに焼いただけに過ぎなかったが巻き込まれた機銃の兵達は軒並み焼け死んだ。
甲板には見るものが見れば吐き気を催す黒い死体が散乱と現れたのである。
「衛生兵!衛生兵!」
生き残った兵たちはその光景に悲鳴のように泣き叫んだ。
「幻龍轟沈! 伊勢が小破! 4隻の駆逐艦が一瞬で……」
「くっ!」
山本は今度こそ舌打ちした。
貴重な空母が撃沈されてしまった。
さらに悪いことに幻龍に配属されている戦闘機は全て竜神だった。
出撃している竜神はあるだろうが50機以上は失われただろう。
「敵艦隊の位置はまだつかめないのか……」
祈るように山本は言うのだった。
作者「今日の私は阿修羅すら凌駕する存在だ!」
ドミニク「まあ、書ける時は書いとけ作者」
作者「今日は京都からお送りしています」
ドミニク「京都にいるのか?」
作者「はい、場所はもちろん言えませんが今日は京都にいます。 フフフ、本当ならドイツ旅行してる予定だったのに……」
ドミニク「まじかよ作者」
作者「まじですよ? 実際、帰ってきてからみんなにドイツ旅行行ってきましたというつもりがアイスランドの噴火のせいで断念です(泣)」
ドミニク「残念だな作者……」
作者「くそぅ……取材旅行のつもりでイギリスとフランスにも行く予定だったのに残念だ……」
ドミニク「おい……おまえ、何連休なんだ?」
作者「フハハハ! 15連休だ!有給も使い、さらにインフルエンザの罪悪感から先輩たちにも協力してもらったんだ!」
ドミニク「最低だてめえ!」
作者「うるさい! それだけインフルエンザで私は先輩の尻にぐいしたんだ!」
ドミニク「じゃあ、旅行キャンセルしたんなら暇なんだろ?」
作者「いや、旅行しないとばれたから京都のとある家の関係に呼ばれた」
ドミニク「なんだよそりゃ? てめえの家は厳しいのか?」
作者「祖父の家がね……まあ、パソコンやる余力はあるけど今日は布団の中で携帯で書いた奴を投稿している」
ドミニク「まあ、俺はどうでもいいが……本編のほうだがよ」
作者「ああ、ハルゼー提督も考えてるね」
ドミニク「見えない艦隊か……位置がわからなきゃ日本の自慢の竜神もミサイルも使いようがねえな」
作者「ここに彼方さんがいたら的確なアドバイスしてくれたかもれませんが彼女は赤道の方に行ってますからね」
ドミニク「剣ちゃん撃沈かと一瞬焦ったぜ」
作者「決戦の最中ですよ? 次話では京子様か桔梗様か鈴様か誰が死ぬかわかりません」
ドミニク「ミサイルを放ったのはやはり、潜水型の機動戦艦か? あいつなら海中からミサイルを放てるからな。 それにアイギスを使えば深度1000メートルぐらい越えられるだろう」
作者「機動戦艦はアポクリファだけじゃない可能性もあるということだね」
ドミニク「やべえな、敵艦隊をほそくしてないから日本艦隊は下手したらワンサイドゲームじゃねか」
作者「ハルゼー提督は名将になってるからね……このままでは……」
フィリア「キャハハハご褒美よ草薙・ドミニク」」
作者・ドミニク「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
」
ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン