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独立機動艦隊『紀伊』―連合艦隊大勝利!  作者: 草薙
米太平洋艦隊大反撃
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第24話 蒼龍―琉球基地

1942年10月某日。未来から偶然が重なり太平洋戦争の時代に飛び込んでしまった藤宮 桜は沖縄にある独立機動艦隊の『琉球基地』敷地内にある女性専用の独身寮の自分の部屋で目を覚ました。

時計を見ると時刻は7時10分を指している。

桜は非番である。

ちなみについに桜の働く場所が決定した。機動戦艦紀伊の厨房である。

しかし、今『紀伊』の乗組員には上陸許可が下りており紀伊はドッグで整備の真っ最中である。

従って紀伊の食堂で働く桜達はお休み状態なのだ。

無論、軍隊なので訓練などもあるが桜の場合は今日は非番であった。

つまりは休みである。

もう少し寝てようかとも思ったのだが目がさえてしまった。

「起きよう…」

目をこすりながら桜は洗面所に入っていった。




食堂に入ると意外な人物が桜の目に飛び込んできた。

正面のテーブルに座っているのは雨宮 葵。原子力空母『蒼龍』の女艦長である。

彼女はお茶を飲みながら和食を食べている。

まあ、この時代に洋食を食べたいといっても適わないのだが…

桜は葵が19歳の女性だということを食堂の仕事仲間から聞いていたし1度写真を見る機会もあった。

従ってすぐに分かったのだが…

「ん?」

葵が顔を上げると桜と目があった。

「藤宮 桜さんよね?」

「え?ああ、はい。そうですが…」

突然名前を呼ばれて桜は戸惑ったが葵はにこりと笑い

「蒼龍艦長の雨宮 葵です。今日は日向長官に頼まれて基地の案内に来たの」

「え、えええ!」

桜はびっくりして叫んだ。

あの日向は一体何を考えてるのか?

わざわざ自分なんかのために艦長職にある葵を案内に寄越すなんて。

だが、桜はふーと息を吐いて思った。

日向は特に何も考えていない。

偶然葵がいたから頼んだ。

そんなところだろう。

「藤宮 桜です。あの、私なんかのためにいいんですか?」

葵はにこりと笑いながら

「いいのよ?私も今日は非番だし蒼龍は今ドッグで点検中だしね。藤宮さん…」

「あ!桜で結構です」

「じゃあ、私も葵でいいわよ?」

「い、いえさすがにそれは…」

「そう?」

と、葵は言った。

実のところ桜はこの独立機動艦隊の規律の緩さに戸惑いを抱くことがある。

もちろん出撃しているときなどは緩みきってるわけではないが非番となると

大丈夫かと思うようなことが多々あるのである。

「じゃあ、行きましょうか?あ!朝食が先よね?」

「あ、はい!」

そして、いそいそと桜は朝食をとりに行くのだった。




「じゃあ、私はここで」

「え?」

寮を出たところで葵はいきなりそんなことを言い出した。

桜は案内をしてくれるというのにどういうことだろうと思いながら

「ああ、ごめんね。私が案内してあげたいんだけど嘉手納飛行場に行く用事があるの。

あなた艦魂が見えるのよね?案内はこの子に頼むわ」

「あ…」

そこで初めて桜はいつの間にか立っていたのか長い黒い髪の少女が立っていた。

年はやはり13歳くらい。

日本人を思わせるその髪だが瞳の色だけは青い瞳だった。

「彼女は『蒼龍』、真名は『星菜』って言うんだけどとりあえず認めてもらえるまで

真名で呼んじゃだめよ?この子凜ちゃんや明ちゃんと違ってそんなに乱暴じゃないけど

罪の意識が芽生える瞳で睨まれるから」

蒼龍はじっと桜を見ている。

「よ、よろしくお願いします」

桜は手を差し伸べて握手しようとするが蒼龍はふいっと顔をそらしてしまった。

「こら!星菜!桜にそんな態度取っちゃ駄目でしょ?」

蒼龍はうーと不満そうな顔で葵を見たが

「じゃ!星菜頼むわね!もし、桜が変なこと言ったら夜一緒に寝てあげないからね」

「葵…」

蒼龍は真っ赤になりうつむいてしまい葵は笑いながら去って言った。

なんと明るい人だなと桜は思いつつ

しゃがみこんで蒼龍の視線に顔を持っていった。

「あ、あの蒼龍ちゃん?案内なんだけど無理には…」

「やる…」

「え?」

蒼龍はきっと桜を睨むように見ると

「やる!葵がやれっていったんだから必ずやり遂げる!」

まるで戦いに行くような目で彼女は言ったのであった。




「ここが基地の中核に当たる部分」

真っ先に蒼龍が連れて来てくれたのは日向や古賀と言ったいわゆるトップが

作戦会議をしたり本土から要人を招く施設がある総司令室がある建物だった。

簡単に言うなら中には入れない。

いくら独立機動艦隊の規律が甘い部分があるとはいえここは要人が出入りする場所なのだ。

入り口には銃を持った兵士が歩哨として立っている。

しかもその人は

「こ、小西さん!」

桜が声を上げるとその兵士。小西ははっとした顔で桜を見るとうれしそうな顔で

「あなたは確か藤宮さん!」

「どうしたんですかこんなところで」

「はい、実は…」

お忘れのかたもというより大部分の方は忘れているだろうから説明しておこう。

彼は小西2等水兵。戦艦『大和』の機銃要員の1人だったわけだが偶然が重なり

未来の話を全て聞いてしまった人物である。

さすがに山本五十六も彼を大和に残しておくわけに行かず秘密がばれないように独立機動艦隊へ転属命令を出したのであった。

彼は大和を下ろされて悲しんでいるのかといえば

「いやあ、この部隊はいいところですね。飯はうまいし景色は綺麗。おまけに防御は鉄壁。

未来の話を…」

ドガ

「ギャ!」

小西が悲鳴を上げて前に転がった。

桜はその瞬間を見ていた。

蒼龍が小西の後頭部に飛び膝蹴りをかましたのだ。

一瞬実体化して…

彼女は地面に着地すると何事もなかったかのように建物を見ている。

一応言っておくが今の蒼龍は艦魂が見れるもの以外には見えない。

危険を感じた桜は

「あ、あの小西さん。なるべくあの話はしないほうがいいですよ?」

と、警告してみたが

「あの話?ああ!みら…」

バキ

「ふぎゃ!」

今度は蒼龍のストレートパンチが小西の頬に叩き込まれた。

(こ、この子…)

まあ、確かに本土から人が来るこの場所で未来の話はまずいだろう。

というかこの人口軽いんだなと桜は思いつつ

「大丈夫ですか?」

と手を差し伸べるが

「ああ、ありがとうやっぱり未来…」

ズドオオン

「がは…」

ものすごい音と共に蒼龍が小西の背を踏みつけたのである。

哀れな彼はそのまま気絶してしまう。

「ああ!」

桜は慌てて助け起こそうとするが小西は完全に意識が飛んでいるようである。

「大丈夫。手加減はしたからすぐ目が覚める」

と蒼龍は言う。

というかここは総司令室がある建物の前である。

蒼龍は自分以外には見えない。

つまりこんな場所で兵士が目の前で倒れていたりなんかすると非常にまずいことになるのではないだろうか…

「ご!ごめんなさああああい!」

桜は蒼龍の手を引くと一目散に逃げて言った。

後ろで何やら騒ぎ声が聞こえた気がするが気のせいだろう。

ああ、気のせいだ。

そして、蒼龍との基地めぐりは続く。


星菜「初登場の蒼龍です。真名は星菜といいます。好きなものは葵」


凛「ま、また新たな艦魂が…」


明「ああ、私の出番が減っていく」


星菜「ふっ」

  ↑

不適に笑う


凛「新参者のくせにその態度はなによ!」


明「珍しく意見があったわね凛。出る杭は打つのよ!」


星菜「やるの?」


凛&明「潰れなさい!核ミサイル発射!」


星菜「神雷隊全ミサイル発射!」


作者「ねえ、みんな!実は新しい艦魂の蒼龍の…ってぎゃああああああ」

ズドオオオオオオオオオン


凛&明「くっ!邪魔が!」


星菜「次回も私と桜が基地案内」


凛&明「ああ!予告!」


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