表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
246/316

第237話 蒼雷出撃、されどオアフ島壊滅ス 

オアフ島の基地全域に警報が鳴り響いている。

スピーカーからはがなりたてるようにミサイルの接近を喚き散らしていたのである。

パイロット達は必死に自分の機体だけでも空に上げようと戦闘機に乗り込んでいく。


「くそ! 地上でやられてたまるか! 回せ!」


オアフ島の基地の中には零戦改などのレシプロ機も存在しパイロット達が必死になって機体を空に上げる努力をしていた。

熟練パイロット達の多くは空母に配属されていたがハワイはその重要性から竜神などの最新鋭機が優先的に回されているため基地が叩かれるだけでも日本軍は甚大な被害をこうむるのである。

ましてや、最新鋭機竜神は高額である。

その稼働率は高かったが今だ、数は足りていない状況で、例外は機動部隊であるがそれも、

最優先で機動部隊の航空戦力をジェット化しようと努力した結果である。

そんな貴重な竜神を破壊されるわけにはいかなかった。


そんな中、竜神に乗り込み今まさに発進しようとしていたパイロットの目に格納庫から出てくる戦闘機が見えた。

見たことのない戦闘機である。


「新型か?」


しかし、あまり構う余裕はない。

彼がアフターバーナーを点火させようとした同時にその機体はふわりと浮きあがった。

垂直離陸ができる戦闘機らしい。

ハリアー3などの垂直離陸の戦闘機の噂は当然、彼も知っている。

最新鋭にて、エース部隊にしか配属されない超最新鋭機ともいえる機体だ。

垂直離陸した戦闘機は次の瞬間、バンと衝撃波を残し、舞い上がっていった。

次々、竜神や零戦改が滑走路に引き出されパイロット達が乗り込んでいく。


少し時間を進める。

オアフ島の北に位置するハレイワ飛行場では巨大爆撃機が外に引き出されていた。

菊水作戦の折、使用される予定の天空の要塞B29を超える超爆撃機『富嶽』である。

空襲警報が鳴り響く中、搭乗員達は必死に空に上げようと努力していた。

そんな彼らに悲劇が襲いかかる。


「敵機直上急降下ぁ!」


誰が叫んだのか富嶽の搭乗員達が空を見上げると紅の戦闘機3機が突っ込んでくる。

目のいいパイロット達はその後ろから、竜神が必死に追っているのを確認できただろうが

それどころではない。


「伏せろ!」


滑走路にいた日本兵達は慌てて口を大きく開けて耳を押さえて地面に這いつくばった。

紅の戦闘機から光のようなものが発射される。

その光は地面を切り裂くよう一閃し、並んでいた富嶽を次々と爆発させた。

光を浴びた兵は一瞬で、体を焼き尽くされ黒こげになりその躯を滑走路にさらすことになった。


「くそ! こっちの戦闘機は何をしてるんだ!」


怒鳴りながら燃える富嶽を見る兵だったが、紅の機体が反転して突っ込んでくる。

基地にある航空機を全て破壊するつもりなのは明白だった。

対空砲火が狂ったように吐き出されるがそれは一向に当たらない。

わずかに配備されているミサイルも明後日の方角に飛び去ってしまい当たる気配もない。

竜神が機銃で撃墜しようと追い迫るが、紅の戦闘機は圧倒的な機動力と速度で竜神を寄せ付けなかった。

初期の段階で飛びたてた戦闘機は良かったが、ヴィゾフニルがオアフ島の各飛行場に襲いかかるともはや、飛び立つどころの騒ぎではなかった。

オアフ島には『ハレイワ』『ホイラー』『カネオ』『ペローズ』『ヒッカム』『エワ』『バーバーズポイント』という飛行場があるが、各飛行場とも大混乱に陥った。

その大混乱のさなか、各飛行場に洋上からの巡航ミサイルが降り注いだのである。

これは、たまらなかった。

格納庫が破壊され、燃料タンクが吹っ飛ぶ。

炎が嵐のように荒れ狂い怒号と悲鳴がハワイを襲う。

だが、奇妙なことに、艦船への攻撃は微々たるものだった。

そのため、迎撃態勢を敷いていた紀伊、大和、村雨の迎撃ミサイルにより艦船に対するミサイル攻撃による被害は皆無だった。

しかし、ミサイルは次から次へと飛び込む。

明らかに日本のイージスシステムの限界を超える数である。

基地の被害は甚大になりつつあった。


そして、空の戦いは続いていたのである。


「っ!?……」


眼下で炎上するオアフ島を見て震電のパイロット神埼 凪は絶望感にとらわれそうになる。

特にヒッカム飛行場には彼女の仲間達が数多くいるのだ。

次々降り注ぐ、ミサイルを迎撃する技術が凪にはあるが、それを許してくれる相手ではない。


「くぅ……」


すさまじいGに耐えながら後方から迫ってくる黒い戦闘機に対し、凪は機体をロールさせ震電を急減速させた。

ハイGバレルロールという空戦の技の一つで成功すれば立場を逆転できる非常に難しい機動を要求される。


震電がメッサーシュミットゼロの背後をとる。


「よし! ここ!」


ミサイルをロックオン、メッサーシュミットゼロを完全に捉えた。




「……ほぉ」


ハルトマンはハイGバレルロールを決めた凪の技量と度胸に内心で感心しつつ操縦根を急激に引き起こした。

機首が天空を向き、空気抵抗が増す。

急激に減速したメッサーシュミットゼロを高速で追い迫っていた震電は追いぬいてしまう。

これも、空戦の技量の一つ、プガチョフコブラと言われる技である。

ロシアのSu35等が得意とした技である。

ハルトマンは操縦根を戻すと機体を水平にすると震電から離れる。

エース同士の戦いは操縦技術と先の読み合い。

限られたチャンスを生かすことが勝敗の鍵を握るのである。


「……はぁ……はぁ」


戦闘開始からまだ、数分も立っていないにも関わらず凪の酸素マスクに吹きかける息は荒かった。

防衛戦闘、一瞬の油断が死につながる。

ここまでの技量をもつ相手と命がけの空戦。

未来においてもハルトマンに匹敵する相手は存在しなかった。

いや、いたのかもしれないが凪は戦っていない。

彼女の知る最高のパイロットは父親だけだった。

だが、ハルトマンとあの黒い戦闘機の組み合わせは彼女の父親に匹敵するかそれ以上。


「……」


無言で武装の残残弾数のチェック。

互いに撃つ機会をあまりあたえていないため残弾数は十分である。

元々、空戦とはそういうものでチャフやフレアという防御兵器は存在するが基本的にはパイロットは敵にロックオンされないように戦うのが当たり前なのだ。


「凪、オアフ島が……」


「……」


着弾するミサイルの雨を浴びるオアフ島を凪は再びちらりと見るが降り注ぐミサイルを迎撃する暇はなかった。





防衛と攻撃では精神的なプレッシャーが全く違うというものはいるがパイロットにとってかけるものは命。

信じられるのは己の技量と機体の性能。

ハルトマンはプレッシャーは無論あったが高揚感に満ちていた。

互いの技量を100パーセント引き出して命がけの空戦。

空の決闘。

いつまでも続けていたいという気持ちがあったが、この空戦は永遠ではない。

時間切れもある。


「いつまで雑魚に時間をかけてる気なんだよおまえ! 遊んでんならもらっちまうぜ」


(何!)


ハルトマンが空に目をやると1機のマーナガルムが雲海に飛び込み震電に迫っている。

ヴェルナー機である。


「震電は私が……」


「はっ! 知るかよ! とろとりしてるてめえが悪いんだ」


ハルトマンは抗議の通信をするがヴェルナーは止まらない。

雲海の中から銀色の戦闘機が飛び出し、レーダーを無効化する

アイギスを解除する。

震電からしてみれば敵がいきなり現れたようにしか見えないだろう。


「待て! 神埼は私が……」


ハルトマンが言い終わるより先に銀色の機体からアルテミナスの光が発射されそうになる直前突如、ヴェルナーのマーナガルムが急上昇した。

直後に彼の機体にミサイルが飛び込むのがハルトマンには見えた。

だが、マーナガルムはアイギスによりその攻撃を完全に無効化する。


「新手か!?」


レーダーで確認するとものすごい速度で急上昇してくる機体がある。

かなり早い。

竜神や神雷よりもさらに速い。

肉眼で初めて確認したその色は零戦と同じ緑の機体。


「あれは……」


思わず後方にいる飛魂のルチアに確認をとる。


「あれは……蒼雷かな?」


「蒼雷?」


「震電の先行量産型、アメリカとの戦いでは数機が投入されただけでエースパイロットの機体だって記憶してるよ大尉」


「史実では誰が乗っていた?」


「坂井、岩本みたいなエース集団だよ」


「ほぅ」


大空のサムライとも戦ってみたいとハルトマンは思っていたが今は優先事項が違う。


「私は震電を倒す。 ヴェルナー少佐は……」


「うるせぇ! あの野郎よくも!」


通信からヴェルナーの怒りの声が響いた。

ミサイルをアイギスとはいえ当てられたことにより相当腹を立てているようだった。







一方、凪もマーナガルムにやられると思った瞬間現れた戦闘機を見て驚愕していた。


「蒼雷? 誰が……」


ソラが言う。


「き、聞こえますか神埼中尉」


「そ、その声、藤宮少尉?」

格納庫で会った青年であった。


「神埼中尉を援護しろと天城中将に言われました。 これより援護を……」


「蒼雷は扱いにくいけど大丈夫?」


「は、はい実はかなりしんどいです。 ハリアーとは勝手が……」


紀伊に配属されるのはエース級パイロット、その事実を思い出し凪は藤宮 海斗をエースだと認識することにした。


「藤宮 少尉はあの銀色の機体を押さえておいてください。 勝たなくてもいいですから」


「り、了解なんとかやってみます」


通信を終えると凪は再び黒い戦闘機と意識を戻す。

藤宮 海斗の技量はどれほどかわからないが速く決着をつけなくてはならない。

凪は一瞬、下にいる友達に感謝しながら震電を加速させた。


作者「なんてこったオアフ島が!?」


メグ「結構被害与えましたからね」


作者「ひ、被害額って電卓で計算できる?」


メグ「見ますか?」


作者「遠慮します。 私が永遠に稼げない金額なのは間違いないから」


メグ「そうですか?」


作者「ところで、質問なんですがなぜ、ドイツ軍は艦船を狙わないんです?」


メグ「盛大なネタばれする気ですか?」


作者「んん、ネタばれ禁止だけどここで機動部隊を葬るほうがドイツ的には楽なんじゃないかと……」


メグ「アドルフ・フレドリクの最終目的は世界統一ですよ。 そう考えたらわかりません?」


作者「? 艦船を狙わない理由とどう結び付くんです?」


メグ「……」


作者「そんな憐れむような目で見ないでください! 泣きますよ」


メグ「しょうがないですね。 このメグお姉さんが教えてあげます」


作者「お姉さん!? 艦歴見てもどう見ても年下だろう」


メグ「つまり、草薙さんはロ●コンと」


作者「なんでそうなるんだ!」


メグ「違うんですか?」


作者「違う!」


メグ「そうですか安心しました」


作者「てか、話がそれてますよ」


メグ「草薙さんが馬鹿だからずれたんじゃないですか」


作者「馬鹿とはなんだ馬鹿とは!」


メグ「仕方ありませんね。 仮定として、あなたの世界にある●●●という国を二度と逆らえないほど屈服させるにはどうしたらいいと思いますか?●●が介入してこないのを前提として」


作者「それは……おお! 分かったぞ!」


メグ「そういうことです」


作者「なるほどなるほどドイツは……」


メグ「まあ、読者さんには教えてあげません。 ネタばれは禁止ですから予想しておいてください」


作者「ところで気になることがある」


メグ「はい、なんですか?」


作者「ドイツ艦隊とイギリス艦隊、アメリカ艦隊のの現在の場所を聞きたいんですが……」


メグ「機密です」


作者「そう言わずに……せめてアンドロメダやトロンべやアポクリファの場所を……」


メグ「死にたいんですか?」


作者「ま、まさか」


メグ「特にアポクリファとは隠されたものという意味の機動戦艦です。 教えてあげる筋合いはありません」


作者「まあ、オアフ島からミサイルの射程内に機動戦艦がいるのは確実ですけどね。 あのミサイルの量からしてたぶん……」


メグ「あなたは機密に触れました。 よって削除します」


作者「うわあああああああああああ!」


ズガアアアアアアアアアアアアン


メグ「みんなも機密には気を付けてくださいね。 消されちゃいますよ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ