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第232話 パーティースタート

2010年あけましておめでとうごさいます。

更新速度が壊滅的になった紀伊ですが見て下さる方は見てあげて下さい。

「ここね……」


巨大としか言いようがない格納庫を前にして凛が言った。

彼女の右手には少年兵が襟首を捕まれて気絶していた。


「さてと……」


どうしようかと凛は思った。

このまま、少年兵を置き去りにすることは可能だが、まがりなりにもここは飛行場に隣接する格納庫の前だ。

車両や航空機が少年兵を轢き殺してしまわないとも限らない。


「はぁ……」


凛はため息をついて目の前の格納庫を見上げた。

どうやら選択肢は多くはないらしい。

ズルズルと少年兵を引きずりながら格納庫の脇にあるドアを開いた。







「何よこれ……」


そこは闇であった。凛は始めてくるのだが少し暗くなりかけている太陽の光では格納庫の奥はまったく見えない。


「誰かいる!」


とりあえず声をかけるも返答はない。

後ろからジェット戦闘機のキイイインという音は聞こえるが格納庫は静かだった。


「誰もいないの?」


常識的に考えれば誰もいないはずだが凛は少年兵を引きずりながら闇の中に足を踏み入れる。

自艦のレーダを通して水平線の彼方まで見通せる凛ではあるがさすがに紀伊のレーダーではここに誰がいるかなどわかるはずもない。

留守なのだろうか


「誰もいないの?」


ちょっと不安になりながら凛は格納庫の中央に向かい歩く。少年を引きずったまま……

その時


バタアアアン


その音に凛はびくりとして後ろを見ると扉が閉じている。

そのため、凛の視界は完全に闇に閉ざされた。

思わず掴んでいた少年兵の襟首を強く握りしめるが事態は改善されない。

転移しようかと思ったが逃げるようで嫌だと思い止まる。


「だ、誰かいるの! 出てきなさい!」


格納庫に反響する声。

今回も無言かと思われたその時だった。


「フフフ、ハハハハよく着たな紀伊の艦魂とおまけよ」


「だ、誰よ!」


突如降り注いだ声に凛は彼女の武器である剣を手に出現させた。



「出てきなさい!」


しかし、闇の中の声は馬鹿にしたように笑った。


「フフフ」


「な、何がおかしいのよ!」


凛が怒鳴ると闇の声も怒鳴った。


「全軍かかれ!」


「っ!」


その瞬間、凛の周りに大勢の気配が出現した。

闇のために姿は見えないがまさか、敵だというのか……


「この!」


その瞬間、凛が考えていたのはこの状況の打開である。

掴んでいた少年を力任せに気配に向かい投げ付けた。


「え!ちょ凛しれ……」


少年は闇の中をすっ飛んでいき何物かに当たった音がする。


「きゃあああああ!」


女性の悲鳴だ。

凛は声に向かい剣を持ったまま飛び掛かろうとしたまさにその時格納庫の明かりがパッと輝いた。


「う……」


凛は急激な光量の変化に目を思わず閉じてしまうが突撃は続けた。


「止まってください凛司令!私です雪ですよぉぉ!」


哀れ、少年に押し倒されるような体制で雪は悲鳴をあげた。

「雪?」


その声に足を止める凛。

同時に目が慣れてくる。

駆逐艦雪風の艦魂雪が苦笑しながら凛の前でにこりと微笑むと。


「おめでとうごさいます凛司令」


「なに……」


「「おめでとう!」」


凛が最後までいう前に大音量のおめでとうが格納庫に響き渡る。

凛が辺りを見回すとどこに隠れていたのか帝国海軍の艦魂達や星菜達未来の艦魂が笑顔で立っていた。

そして、その中に見知った顔を見つける。


「恭介……」


右手を腰に当てながらにやにやする日向 恭介は凛を見ながら言った。


「誕生日おめでとう凛。今日だろ確か」


「あ……」


言われてみればそうだった。

完全に忘れていたが……


「こ、これってもしかして……」


闇で見えなかったが格納庫はパーティー会場のセットが設置されている。

ケーキを始め大福や羊羹、ラムネといった食べ物が山のようにテーブルに並べられていた。



「貴様の誕生日はついでだ。 このパーティーとやらは士気向上を目的としたものだ」


戦艦金剛の艦魂柚子が言うと恭介はにやにやしながら


「そんなこと言って張り切ってプレゼント探ししてたのは誰だったかな?」


すると、柚子は顔を真っ赤にして否定する。


「な、何を馬鹿な!そんなことはしていない!」


「どうなんだ刹那?」


「柚子姉さんは真剣でした」


「刹那ぁ!」


「まあまあ、姉さん落ち着いて」


比叡の艦魂、朱里が言うと柚子はふんと顔を背けてしまった。


「士気向上という点は間違いないがのぅ」


京子が言うと刹那もうなずきながら


「うん、あの凛……」


遠慮がちに刹那は凛に声をかける。

彼女は前に凛にひどく拒絶されているのだ。


「くだ……」


くだらないことはもういいと凛が言おうとした矢先


「よし! パーティーを始めるぞ!」


いつの間にか凛の後ろに立っていた恭介が言った。


「ちょ……恭介私は……」


その時、ライトが消え一瞬闇が格納庫を襲うがすげに格納庫の端に作られた一角にライトがつく。

そこには原子力空母『蒼龍』の艦魂星菜と原子力空母『飛龍』の艦魂がマイクを片手に立っていた。

「さあさあ、始めるよ! 第1回『凛の誕生日パーティー』+……」


弥生が元気よく満面の笑顔で叫び



「……士気向上」


ぼそりと星菜が続く


「「始まるよ!」」


「「オオオオオオオオ!」」


ビリビリと格納庫が響き渡るぐらいの艦魂達の声が響き渡る。

ほとんどが徹夜のはずだがすさまじいぐらいテンションが高かった。




「ちょ……私は……」


「はいはい、主賓はこっちや」


がしっと凛は比較的大柄の戦艦武蔵の艦魂、桔梗に後ろからからめとられてずるずる引きづられていく。


「は、放しなさいよ!」


じたばた暴れる凛であったがさすが史実では世界最大の戦艦武蔵の艦魂、力も並ではない。

結局すとんと会場に設置された椅子に座らせられてしまった。


「……っ」


凛は怒りに満ちた目で桔梗を睨み付けるが彼女は明後日の方向を見たままにやにやしている。


「さあ開始されたよパーティー! まずは……」


「……ルール説明」


弥生が言うと星菜がぼそりとマイクで答える。

二人の前には箱が用意されていた。


「まずはルール!お姉ちゃんよろしく」


「……引いて実行」


「はい、みんなわかった?」


「「分かるか!」」


会場から一斉に艦魂達から非難の声があがる。


「そうだね。分からないよね~」


「頑張ったのに……」


星菜がしゅんとなる。


「簡単に言うと箱に入れられた紙に書かれたゲームを進行していくんだよ」


「誰が引くのよ?」


村雨の艦魂由真が言った。


「ここは進行係の私が引かせて……」


そこまで言った時、彼女の横から箱に手を突っ込み紙を引き抜くものがあった。そのものは紙を開くと高らかに宣言する。


「……内容は伝言ゲーム」


「あ!お姉ちゃんひどい!私の仕事!」

星菜は無表情だがどこか満足そうに弥生に向かいピース


「……早いもの勝ち」


「ずるいよぉ!」


「おーい!司会さん、早く進めて~」


艦魂達からの声に不満そうな顔で弥生はマイクを手に取った。


「まず、伝言ゲームだけどこれは『誰が』『どこで』『何を』『どうかした』という『』の中にみんなが適当に書いた紙の内容を組み合わせて遊ぶゲームなんだけど……」


「まずはこれ」


そういって星菜が置いたのは箱だった。

「お、お姉ちゃんいつの間に……」


「用意周到」


星菜はそういいながら箱に手を突っ込む


「えーっとこれは例ですが私達が作った紙で実戦してみます」


「まず、一枚目」


「はい読むよ~まず、誰が!」


「ドミニクが」


星菜の言葉に会場の視線が一斉にドミニクに集まった。


「お、俺かよ?ハハハ、まいったなぁ。ここの女の子達全員にキスされる内容ならいいなぁ」



「馬鹿……」


彼方はため息をついて言う。


「さて、二枚目行くよ!どこでだよ」


「ここで」


「次は誰に」


「彼方に」


「はっ?私?」


彼方が自分を指す。

「おお!彼方ちゃんか!ということは素晴らしい内容を期待するぜ」


星菜の口が緩んだ。最後の紙を引き抜くと弥生が読み上げる。


「な●は風に蹴り飛ばされる」


「な、なんじゃそりゃ!あんまりだ!」

ドミニクは悲鳴をあげたが彼方は首を傾げる。


「ねえ、凪、ドミニクを蹴り飛ばすのは分かるけどな●は風って何?」


「俺蹴り飛ばされるのいいのかよ!」


ドミニクの抗議に苦笑しながら凪も首を傾げる。


「どうやらな●は風っていうのが分からないんだね彼方さん。じゃあこっちきて」


弥生が言うままに彼方は歩いて行き帰ってくるとドミニクをゴミを見るような目で見つめた。


「か、彼方ちゃん?」


思わずドミニクは一歩後ずさった。

しかし、彼方は一歩前に踏み出すと口元を歪めた。


「少し……反省しようか?」


「何そのキャラ!悪魔!な●はさんって悪魔なの!?」


「うん、とある動画共有サイトではユ●オンのエースのグラハム●ペシャルを破りワシントンを壊滅させた悪魔だよ……」


弥生の言葉がドミニクの耳に届く。

しかし、彼が聞いたのはそれが最後だった。

風を切るような音と共に彼方の蹴りが炸裂したからだ。


「ぴや!」


面白いように空中でくるくる回りドミニクは床に沈んだ。


「以上!みんな伝言ゲームの内容わかったかな!」


「おおおおお!」


艦魂達から了承の声があがる。



「伝言ゲーム開始ぃ!」


「ワアアアアアア!」


「……」


艦魂達の歓声を聞いてもぴくりとも動かなくなったドミニクを見て一人の艦魂は静かに十字を切った。


作者「はぁはぁ……くそ……なんでこんなことに……」


ドイツ兵1「草薙はいたか?」


ドイツ兵2「いやいない」


ドイツ兵1「ちくしょうあの変態供どこにいきやがった!大和は捕らえたのか?」


ドイツ兵2「いや、奴はすでに脱出したらしい」


ドイツ兵1「草薙だけは必ず捕らえるんだ!行くぞ!」


ドイツ兵2「おう!」










作者「よ、よし行ったな?特別編でドイツにきたはいいが帰れなくなってしまったよ……艦魂達は私を八つ裂きにしようと血眼で探してるしドラムカンの中に隠れるなんてス●ークみたいだ」


ドイツ兵3「こっちはどうだ?」


作者「うわ!」


ドイツ兵3「あ!く、草薙!」


作者「あ、アデュー!」


ダダダダダダ


ドイツ兵3「ま、待て!」


タタタタタタタ



作者「く、くそ!追ってが増えてきやがった!こうなったら!」


ドイツ兵「追い詰めたぞ草薙」


作者「く、まさに言葉通り崖っぷちか……だが、私を甘くみるなぁ!」


ドイツ兵「な、何!崖から飛び降りただと」



作者「ワハハハハ」


バシャァアアアアン


ドイツ兵「アホだ……真冬の海に飛び込むなんて」










作者「うおお!寒い寒い!しかし、日本まで泳いで帰るしかない!いや、不死身を生かして海底を歩いて帰ろうかな……ってあれはサメの尾鰭!ぎゃあああああ!助けてくれぇ!」


こうして草薙はドイツより日本に逃げ帰った。

ハワイに到着した草薙はもちろんぼろぞうきんのようであったという。



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