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第230話 新たなる出会い

昭和18年4月3日、現地時間15時11分。

連合艦隊最大の作戦『菊水作戦』発動まで後一日と半日を切ったその日、凛は紀伊の艦僑にいた。

艦魂の見えない士官が数人いるが構わずに外を見る。

日本連合艦隊の艦艇が集結しており、補給作業もほぼ、完了しいつでも出撃可能な状態の艦隊があった。

その中でも離れているにも関わらず巨大な存在感を示す機動戦艦大和を見ながら凛はため息をついた。

視線を少し左へ移すと戦艦霧島の姿が見えた。

再び凛はため息をついた。

撫子に刹那。

両戦艦の艦魂達はどれだけ拒絶しても接してくる。

刹那にいたっては昨日凛がひどいことを言うと泣きながら部屋を出て言ってしまった。


(でも……)


あれでいいと凛は思う。

悲しみがあるのは失うものがあるからだ。

なら、それを無くしてしまえばいい。

明が死んでから凛はそれに気がついた。ただ、憎しみを敵に向けるだけで他人を気にしない。

なんという楽な生き方なのだ。

なのに彼女達は自分を決して放ってはおかない。


(恭介……)


凛は成長して幾分か膨らんだ胸にあるペンダントを軍服越しに右手で掴んだ。

星型のそのオルゴールが内蔵されたペンダントは未来の世界で日向 恭介に買ってもらったものだ。ちょっと高かったがねだって買ってもらった大切な宝物。

失いたくないなら日向 恭介をも拒絶すべきだが凛は彼を拒絶することはできなかった。

避けるのが精一杯だ。


それは未来の機動戦艦霧島の艦魂桜との約束だけが原因ではない。

凛の中にある何かが彼を拒絶することを拒否するのだ。



(私は復讐だけを……)


凛は転移すると甲板に出る。

紀伊の前部甲板である。

服からペンダントを取り出して海に投げすてようとするができない。


「……」


衝動的なことでもあったので凛は黙ったまま、ペンダントを再び首にかけると踵を帰そうとした。

少し歩きたい気分だった。

しかし、彼女の気分は一瞬で変わることとなった。


目の前に男が気絶していたからだ。


「は、はぁ? な、なんで!」


思わず口走った疑問の声をあげ凛は16~18ぐらいの今の自分と同じくらいの容姿の少年に駆け寄った。

一応、周りを見渡すが誰もいない。

どうやら、凛が転移した場所に偶然いたらしく、艦魂が転移の際に出す力に吹き飛ばされてしまったらしい。

だらし無く、目を回している独立機動艦隊の日本兵を見ながら凛は気づいた。


「パイロット?」


凛はこの紀伊の中の人間の顔は大体覚えている。

最低でも名前は覚えていなくてもああ、いたなこんな奴ぐらいは記憶しているのだ。

しかし、目の前の少年は見覚えがない。例外があるとしたら入れ代わりが多いパイロットだ。

紀伊には震電を始め、ハリアー3が搭載されているがいずれも超がつく精鋭で部隊は構成されている。

入れ代わりといえば戦死したパイロットに対する補充もそうだ。

ハワイ攻略でも紀伊のハリアーのパイロットには数人の戦死者が出ている。

そのためパイロットは補充されるのだがその補充は琉球基地から厳しく選抜される。

主に神雷のパイロットから選抜されるわけだが紀伊への配属願いは多く、厳しい道のりだ。

この少年もそういった類なのだろうか……


「ちょっと……」


しゃがみ込んでつんつんと頬を突いてみるが反応なし。

一応呼吸はしているようだが転んだ時、頭をぶつけたらしくコブが出来ていた。

「どうしよう……」


これがただ、倒れているだけの人間なら今の凛は放っておくところだが、明らかに自分が気絶させてしまったのでこのまま、立ち去り風邪でも引かれたら目覚めが悪すぎる。

さっきまでの鬱な気分もどこへやら、おろおろと最近では珍しい顔で凛がしていた時だった。


「う、うーん……」


突如気絶していた少年が呻き目をうっすらと開けたのだ。


「!?」


凛はびっくして目を丸くして固まってしまう。



「痛たた……何なんだ一体」


少年は仰向けに倒れたまま首を傾ける。


凛のいる方向に……そして、彼はある一点で首を止めた。



「……」


「……」


凛と丁度目が合う位置で二人は数秒信じられないものをみたかのように固まっていた。


やがて……


「や、やあこんにちは、えっと紀伊の女性兵士かな?」


ぎこちない笑顔で彼は言った。

凛はまだ、固まっていたがやがてそのままの体制のまま



「あんた……私が見えるの?」


「え? それってどういうこ……!?」

突如、少年の目が大きく見開かれた。

同時に顔が真っ赤になるが視線は固定されたまま


「?」


凛は再び固まってしまった少年の視線を追うように自分の視線を少年の見ている物に合わせた瞬間、火がでるようにぼっと赤くなった。

艦魂の軍服はミニスカートである。

つまり、しゃがみ込んでいたらあれがもろに見えるわけで……

しかも、凛は少年の顔の近くにいたものだから……


「……っ!」


声にならない声をあげながら凛は立ち上がると少年をぎろりと視殺できそうなぐらいの殺気を放ちながら睨み付ける。


「ち、違うんだ! 」


「……何が?」


俯きながら言う凛もはや冷静ではないのは明らかだ。

ドイツ機動戦艦に向けるような殺気を放っている。

少年の頬にはぴりぴりと殺気が纏わり付くような感触があった。


「め、目が覚めたら白いものがあっただけでその、僕は悪くないんだ! み、見たくてみたんじゃなくてその……いや、見たくないと言えば嘘になるけど僕は無理矢理になんて意志はなくて、そもそも僕がここに来たのはパイロットとして配属されてから艦を見て回りたかったのが原因な訳でごめんなさい!」


マシンガンのように支離滅裂な言葉をはいた少年であったがむろん許されるはずもなく。


「死ね! ド変態!」


顔を真っ赤にした凛が怒りの最大パワーのストレートを少年の体に叩き込んだ。


ズドオオオオオオンと巨砲のような一撃


「ぎゃふぁ!」


ありえない轟音と共に少年は悲鳴をあげ吹き飛びまったく受け身もとれず甲板にたたき付けられ再び気絶してしまった。




「はぁはぁ……」

凛は荒く息を吐いていたがはっとして再び動かなくなってしまった少年を見た。


「あ……」


なんということだろう。

再び振り出しに戻ってしまった。


「で、でもあいつが悪いんだから……わ、私のパ、パンツを見るから……」


どうしようと凛は少年を見てから少年が口走ったパイロットという言葉を思い出した。

転移で格納庫にほうり出しておこうか。でも、誰も気づかなかったらやはり、風邪を引いてしまうかもしれない。


(あ、そういえば……)


凛は今、凪がいる場所のことを思い出した。

あの建物なら同じ紀伊のパイロットである凪に引き渡すなりすることが出来る。

(そうだそうしよう)


凪に会うことは少し嫌だったが一瞬、彼女に会うだけだ。


建物の場所を思い浮かべながら凛は目を回している少年の足を右手で掴むと転移の光の中に消えた。

作者「さらば~地球よ~」


弥生「……」


京子「何をしとるんじゃ草薙は?」


弥生「知らないよ私は!」


作者「いやぁ、来週はついに宇宙戦艦ヤマト復活偏公開日ですよ」


京子「宇宙戦艦大和じゃと?」


作者「違う違うヤマトだよヤマト」


京子「何が違うんじゃ弥生」


弥生「簡単に言うとね。 未来で大ヒットしたアニメ」


京子「おお!思い出した。 しかし、あれはアクエリアスから地球を守るために自沈したんではないのか?」


作者「復活するんですよ」


弥生「まあ、興味はあるよ私も」



作者「ですね。主砲の発射音がおもちゃみたいなのはいただけないが……」


弥生「だよね……あの重い感じがよかったのに」


京子「今、予告を見たが確かにCGとやらを使いすぎとるのう」


作者「いずれにせよ見に行きますよ。 というかヤマトだから行くんです」


京子「地球最後の希望ヤマトか……燃える展開を期待できそうじゃ」


作者「まあ、あのヤマトは設定では戦艦大和の残骸を使ったとなってるから戦艦大和とも言えなくもない」


弥生「ねえねえデスラーはどうなったのかな?」



作者「死んだでしょうね……彼が生きていたら星間連合なんかあるわけがない。というかボラー連邦はどこ行ったんだ?」


弥生「そのボラー連邦が滅んでできたのが星間連合何じゃないの?」


作者「かもしれません」


京子「草薙……ヤマトを見たことない人は訳が分からない話じゃぞ」


作者「おっと、まあ、宇宙戦艦ヤマトは名作ですので是非見てみてください。映画だけみても駄目ですけどね」


京子「それより本編じゃ。奴は誰じゃ?」


弥生「新キャラクターだね」


作者「ああ、早く見たい」


京子「それはもうよいわ!」


作者「さらば~後書き~」


ズドオオオオオオン


弥生「あーあ」

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