第229話 練度は世界一
「ふざけるな!」
パーティーの会場となったのは震電と蒼雷を置く格納庫であった。
天城 彼方はそれを聞いた瞬間激怒したが蒼雷の1号機はテスト飛行を含めて完成している。
パイロットの選定はまだ、すんでいないもののパイロット選びは格納庫じゃなくてもできるというのが理由だった。
凪とドミニクに説得されついに折れた彼方は寝ると言って格納庫と隣接している宿舎の自室に戻り4日ぶりに眠ってしまった。
残されたドミニクと凪は日向に参加の是非を聞かれ是非にと参加を希望したのだった。
「……」
凪は今びっくりしている。
何故かと言えば1時間前までと状況が一辺していたからだ。
「おら! そのテーブルはそっち! ラムネを忘れんじゃないよ! 馬鹿野郎! 椅子は4個まとめて持ってこい!たるんどるぞ貴様!」
凪は名前を知らなかったが格納庫の中心で雑用係の駆逐艦の艦魂に怒鳴り散らしているのは重巡の艦魂らしいと階級章で分かった。
指揮は見事なもので突然にも関わらずパーティーの準備は着々と進んでいく。
さすが日本が誇る水雷戦隊の中核を担う駆逐艦の艦魂達。
雑用の練度も世界一だ。
「ねえねえ君、可愛いね。どう俺と一緒に空飛んでみない?」
しかし、そんな艦魂達を邪魔する男が一人。
ドミニク・ハートである。
彼は駆逐艦の艦魂達に声をかけまくりデートに誘いまくるが全戦全敗である。
余談だが基本的に艦魂が見える人間の男が少ないためどうしてもあぶれてしまうものが必ず出る。
なので艦魂が見える男というのは基本的にモテる傾向があるとドミニクは考えつき1番数が多い駆逐艦の艦魂達に声をかけてハーレムを狙ったのである。
意外にもデートに誘われて顔を赤くする艦魂もいるにはいたが最終的に指揮を取っていた重巡の艦魂にドミニクに尻を蹴飛ばされて彼の計画は頓挫したのである。
彼はさる有名な艦魂小説の主人公にはなれないということだ。
それとごろか……
「おらドミニク!もたもたすんじゃねえ!」
「まじかよ!あんまりだ」
しまいには重巡の艦魂に命令されて会場の設営に関わるのだが……
「邪魔ですどいてください!」
「どいてください……役立たず」
「ちっ……」
「役に立たない男です」
駆逐艦の艦魂達にさえ邪魔者扱いされる有様であった。
「あ、あの手伝いましょうか?」
凪はそんなドミニクや艦魂達を見て重巡の艦魂に声をかけるが
「それには及びません。 どうか開始時刻まで時間を潰していただきたい。 おら!休むな貴様!それでも日本海軍の駆逐艦か!」
息を切らしていた少女に鉄拳制裁を食らわす重巡の艦魂。
怖い人だと思いながら、格納庫内にある震電の場所に行って飛魂のソラと話をしようとしたが彼女は艦魂達が集結しているこの状況がうれしいのか駆逐艦の艦魂に混じり会場の設営に参加していた。
「やることないな……」
本当にやることがないので震電のコクピットに顔をだすと後部座席にぶすっとした月城 孝平がいた。
「あの……何を?」
彼はむっつりした顔で凪を見ると一言
「居場所がない……」
女の子だらけの状況からコクピットに逃げた孝平であった。
機動大和の艦魂総司令室というのは艦魂達の文字通り最高司令部である。
普段は作戦の説明などに使われるその部屋は史上最大の作戦が話会われていた。
「みなさん……」
それなりに広い部屋の中に静かな声が響く。
和服に身を包んだ清楚な女性である。
余談だが2009年にはすでに絶滅した大和撫子と呼ばれる女性だ。
「私は困難な作戦を遂行しなければなりません」
まるでドイツのベルリンに殴り込みにいくかのような深刻な台詞。
作戦内容はそれに勝とも劣らない。
その作戦とは……
「凛様をいかにしてパーティーに参加させるかということです」
その場の艦魂達顔が歪んだ。
ほとんどの駆逐艦の艦魂達はパーティーの準備をしているので戦艦、空母の艦魂達である。
「ふん、くだらんな。 力ずくで連れて行けばよかろう」
柚子は吐き捨てるように言った。
「しかし、凛のやつ成長しおってからは力が強くなったからのう……」
「確かに、以前の彼女にはない力強さを感じます」
京子が言うと姉の剣が同意した。
連合艦隊最強の剣の腕を持つ彼女にここまで言わせるとは余程のことである。
「ほうっておけ撫子。 参加したいやつだけが参加すればいい」
「そういう訳には参りません鈴様」
「せやな、凛の誕生日も兼ねるとなると主役はおらなあかん」
「くだらん誕生日パーティーなぞ全員がやるわけではあるまいに」
「そんな柚子姉さん協力してよ……」
「むぅ……」
うるうると目をにじませる刹那を見て柚子はたじろいた。
鬼の金剛と言う名称がすっかり全体的に定着している彼女だが妹の頼みには弱い。
「そうだな、協力してやろうぜ姉貴」
「私も刹那に同意です」
「おまえら……」
自分の姉妹がすべて敵に回ってしまったので柚子は諦めた。
「分かったよ……」
「柚子がそういうなら……」
嫌々の鈴も同意する。
その場にいる艦魂達も満場一致で凛をパーティー会場へ連れていくことを決めた。
その具体的な方法だが……
「やはり、力ずくでいいではないか」
「あかんて、なんかいい案ないんかみんな?」
桔梗の問いにみんな黙り込む。
歴戦の戦士達ではあるがこういった作戦はあまりやらないのだ。
「やはり、力ずくで……」
柚子の声が響く。
乗り気ではないが最悪そうするしかないと思い始めた時であった。
「フフフ、お困りのようだな」
「何奴!」
鈴が軍刀に手をかけて立ち上がった瞬間部屋の隅に光が収束した。
艦魂の転移である。転移が終了すると恭介と星菜が立っていた。
「サンキュー星菜」
「ん」
恭介は星菜の頭をなでてから艦魂達に向き直った。
「凛をパーティー会場に連れて行きたいんだろ?俺が勝利の秘策を授けてやろう」
「力ずくはあかんで?」
桔梗が念を押すように言うと恭介は頷いた。
「任せておけ、それより準備は大丈夫か?」
恭介が聞くと撫子が微笑みながら
「準備は30%まで終了していますよ日向様。 なんとか明日までには完了させます」
「よしよし」
恭介は腕時計を見ながら
「時間はあるがまあ、聞いてくれ、まず……」
連合艦隊主力艦魂部隊の作戦が始まろうとしていた。
作者「そりゃあ!」
京子「よし、読め草薙」
作者「はいはい、えっと『戦艦長門』で『草薙』が『ムスカ風』に『鈴』を『蹴り飛ばした』」
星菜「……プ」
弥生「アハハハハ! やるんだよ作者」
作者「で、できるか! 殺されるわ!」
京子「よし、判定係の判断はどうじゃ?」
桔梗「ありや」
作者「うわああああ!」
京子「ほら行った行った」
作者「くそ……」
タタタタタ
弥生「面白いよね伝言ゲームって」
京子「うむ『どこ』で『誰』が『どんな風』に『何か』を『どうかした』という『』に皆が適当に書いた紙をほうり込むゲームじゃな。 何がでるかわからんからある意味王様ゲームみたいじゃな」
星菜「例えば『ここ』で『私』が『恭介お兄様』を『キス』したなんて……」
弥生「ちょっと!そんな都合がいい話がある訳無いよ!」
星菜「例えばの話……」
桔梗「まあ、さすがに全裸で連合艦隊司令部を走り回るって奴を草薙があてた時は制限したけどな」
弥生「やらせればよかったんだよ」
桔梗「いやいやあかんやろ。そのために審判の私がおるんやから」
京子「この伝言ゲームじゃがパーティーでやるそうじゃな」
弥生「2~3話後だけどね」
京子「そうじゃ!読者に『』を募集するのはどうじゃ?」
桔梗「おお!おもろいなそれ」
星菜「……じゃあ『どこ』で『誰』が『何々』で『何々』を『どうした』というのを書いてメッセージにほうり込んで……」
桔梗「真面目に募集するで、採用者は本編で出てくる特典つきや」
弥生「できないこともあるから注意してね」
京子「場所はオアフ島の格納庫じゃから無理な奴はダメじゃぞ」
弥生「後卑猥な言葉は厳禁だからね」
桔梗「さて作者はと……」
作者「ハッハッハ、人がゴミのようだ」
鈴「な、なんだ貴様!いきなり!」
作者「!」
↑
泣きながら飛びひざげり
鈴「私を舐めるなぁ!」
ズドオオオオオオン
作者「目がぁ! 目がぁ!」
ズドオオオオオオン
弥生「ちなみにム●カはわかる人だけわかるネタだよね~」
桔梗「ええんかこれ……」
星菜「問題ない」
弥生「じゃあ、みんな応募待ってるよ!今年中には見れるからねぇ!」
桔梗「ほんまか?」
京子「分からぬ……草薙に聞け」
桔梗「不安や」