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独立機動艦隊『紀伊』―連合艦隊大勝利!  作者: 草薙
建国 ドイツ神聖帝国
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第222話 死と新生

「……新たなる帝国! その名は……」


新たなる帝国、その名をラジオの人達はあるものは興奮しながら聞き、あるものは舌打ちし、あるものは嘲笑した。

いずれにせよ新たなる帝国とやらはドイツの覇権をにぎることになる。

世界の三分の1以上を制覇した超帝国の覇権を……


ゲーリングは酔っていた。

次の言葉で全てが決まる。

新たなる歴史が……今、歴史の主役の中に自分はいるのだ。

ヒトラーではない。

フレドリクでもない。

世界は私のものなのだ。

ゲーリングは思う。


(さあ、聞け!我が帝国の名を!)



「……その名は大ドイツ帝国!」

高らかにゲーリングは宣言する。

大ドイツ帝国、

その名はラジオを通じて広く人々の耳に入ったのである。

ゲーリングは次の瞬間、この場にいる兵士たちが歓喜の声を上げると信じ興奮しつつ目を閉じていた。


「?」


しかし、その歓声の声はまったくない。

それどころか数千の人間がひしめくこの場なのにまったく音がない。

ゲーリングは妙に思いながら目を開ける。

そこには、ドイツ兵達の姿がある。

彼らは表情を変えずに壇上をただみつめていた。


(こ、これはどうしたことだ!)


心の中でゲーリングは焦っていた。

予定では大歓声を浴びながらアメリカや日本を撃滅する演説をすることになっていたのだ。

予定では


(あえて言おう!アメリカや日本などカスであると!)


しかし、それもこの場では言うことができない。

ゲーリングがどうするべきか考えていたその時


パチパチパチ


音のない世界に乾いた音が生まれた。

1人の小さな拍手である。

思わずゲーリングは拍手の相手を見ると目を見開いた。

舞台の端から拍手しながら歩いてくる軍服の男こそ、ゲーリングが反乱することを決意させた男だ。

アドルフ・フレドリク

ヒトラーのナチスと共に強大なソ連を解体し最強を謳われた日本の機動戦艦尾張を撃沈したドイツ最強の艦隊カイザー艦隊の頂点に君臨する男。

フレドリクはコツコツと音を立てながらゲーリングの方に拍手しながら歩いてくる。


「素晴らしい演説です。ゲーリング皇帝陛下」


(それは後で宣言するつもりだったのだ)


とゲーリングは皇帝という言葉に内心舌打ちしたが同時に混乱していた。

なぜ、この男が舞台にでてくるのだと……


「大ドイツ帝国の建国おめでとうございます」


「あ、ああ……」


今、この瞬間もラジオで放送されているというのにゲーリングはフレドリクの意図が分からず間抜けな返答をしてしまう。

演説の熱もすっかり冷めてしまったがここは引けない舞台である。

なんとか場の空気を戻そうと必死になる。


「ありがとう総司令、カイザー艦隊の頂点の君がいてこその大ドイツ帝国だ。今ここに宣言しよう。 独裁者ヒトラーの第三帝国に代わる第四の帝国大ドイツ帝国はカイザー艦隊ある限り不滅であると!」


そのとおりですと返答が返ってくることをゲーリングは期待した。

だが次ぎのフレドリクの言葉にゲーリングは心臓が止まるぐらい衝撃を受けた。


「では、お前の帝国はここで終わる」



「な、何を!」


ゲーリングが悲鳴混じりに言うとフレドリクは馬鹿にしたような目でゲーリングを見ると

広場のドイツ兵達に体を向けた。


「今ここに私は宣言する。 独立機動艦隊、我がカイザー艦隊は大ドイツ帝国に一切協力はしない!」


「馬鹿な!」


ゲーリングは今度こそ悲鳴を上げた。






当然のことながらラジオを聞いていた人々は大混乱に陥った。

いったい何が起こっているというのだ。



フランスのレジスタンスのアジトでは


「お、おい!フリック!なんだこりゃ!何が起こってるか説明してくれ!」


「わかるか馬鹿野郎!静かにしてろ!」


小太りの男を怒鳴りつけるとフリックはラジオからの次の声を待った。







ユダヤ人強制収容所では看守のドイツ兵がびっくりした顔でラジオを見上げている。


「なんだ?いったい何が……」


しかし、彼らがそれを知るにはラジオを聴き続けるしか方法は存在しない。








「ど、どういうことだフレドリク! 貴様裏切る気か!」


激高したゲーリングは全国放送の中怒鳴った。


「裏切るだと?」


しかし。フレドリクは凍るような冷たい目線でゲーリングを見てから彼に背を向けドイツ兵達に体を再び向ける


「今ここに宣言する。 私は大ドイツ帝国に代わる新たなる国を建国することをここに宣言する!」


「な!?」


フレドリクは右手を空に掲げ握りしめ言い放つ。


「その国とはこの地球という惑星に存在するただ一つの国家! 国家間の戦争という愚かな人類の愚を未来永劫亡くす国! そして、ゲルマン民族の差別をなくす度量を持つ国家だ! その名はドイツ神聖帝国!」


「オオオオ!」



割れるような歓声がドイツ兵達から巻き起こる。

列席していたロンメルやデーニッツ達が拍手を始めると次々とその場にいた関係者たちは次々に拍手を始めた。


「ハイルフレドリク!」


「ハイルフレドリク!」


誰かが叫ぶと同時にハイルフレドリクの大合唱が起こった。

ゲーリングは知らなかったがこの場にいるドイツ兵のほとんどは事前に知らされている

兵士たちであった。

知らされていない兵たちも周りの空気に流されて次々と声を上げる。


「そして……」


フレドリクはゲーリングに向き直ると宣言した。


「今この時を持って我がドイツ神聖国は大ドイツ帝国に宣戦を布告する」


「フレドリクぅ!」


ゲーリングは激高し銃を抜くと触フレドリクに向けると引き金を引いた。


パアアン


会場内に銃声が響く。


「……」


とゲーリングの体が崩れ落ちる。

その周囲には血の海が広がっていく。

フレドリクはたった今ゲーリングを射殺した銃を右手に握ったままドイツ兵達に向き直った。


「今ここに大ドイツ帝国は打倒された。今この時を持って我がドイツ神聖帝国が地球を統一する始まりの日となるのだ!」


割れるような歓声を浴びながらフレドリクは耳のインカム越しのラジオに話を続ける。


「私はヒトラーの愚を続けない! ヒトラーがした愚かなる行為! 罪なきユダヤ人の殺害を現時刻を持って禁止する!そして! 我がドイツに反抗を続ける連合国各国に向けて宣言する。

無条件降伏を受け入れよ! 降伏する国家は解体し我がドイツの国民として歓迎しよう。

民族という差別はしない。

 しかし、あくまで逆らうのなら皆殺しにされる覚悟で向かってくるがいい!海では我がカイザー艦隊が相手をしよう。空はメッサーシュミットが相手をしよう!地上はレオパルドが相手をしよう。休戦はない! 我がドイツの目的は世界の統一! 統一国家の樹立である! これより168時間の猶予を与える。大日本帝国・アメリカ合衆国!イギリスは直ちに無条件降伏せよ! あくまで逆らうというのなら武力による統一を我がドイツ神聖帝国は開始することになるだろう! そして、168時間以後国家としての降服は認めない! 制限時間以降反抗する勢力全てを反乱軍と呼称する!」



歓声は割れることを知らない。

会場にいるヘレンは思った。


(いよいよ始まるんですね。 世界統一戦争に向けた戦いが……)


自分を救ってくれたフレドリクはユダヤ人の解放を宣言してくれた。

これで、自分たちの苦しみの日は終わる。

フレドリクがドイツを掌握した以上作戦遂行の障害はなくなった。

しかし、同時に彼が……フレドリクが遠い人になってしまったようなそんな気がした。


(エリーゼはどう思ってるのかな……)


テレサはこの会場にいない艦魂の少女のことを思った。

そして、同時にユダヤ人解放ということは自分はもう、あのフリードリッヒ・デア・グロッセにはいられなくなることを察知していた。


(離れたくないな……)


そう、ヘレンは思った。

平和なドイツ国民に戻ることは可能だろう。

フレドリク達はきっとそれを後押ししてくれる。

現にそういう話をすでにそれとなく聞かされているのだった。

それを防ぐにはどうするか……


(海軍に……)


彼女は一人の軍人として人生を歩むことになり、ドイツ神聖国初めてのユダヤ人の兵士となることとなる。










「馬鹿なこんなの嘘だ!」


ユダヤ人収容所の看守は悪夢だと思った。

今、こいつらを解放したらどうなる?

自分は恨みで袋叩きにされてしまうかもしれない。

しかし、ドイツ神聖帝国の皇帝(なのかはわからないが……)は罪なきユダヤ人の殺害を禁じてしまった。


「どうやら貴様の負けのようだな」


ユダヤ人の青年がにやりとして言った。


「く! この豚め!」


看守は銃の引き金を引こうとするが先ほどのフレドリクの演説が耳に残って引き金を引けない。

あの宣言が本当ならすぐに開放するように命令が来ることだろう。

このドイツに逆らう者など存在しない。

あのカイザー艦隊がバックにいるのでは勝ち目など欠片もないからだ。


「ちくしょう!」


看守は壁を思いっきり叩いてから出口に向かい走って行った。







レジスタンスのアジトではフリックが難しい顔で考え込んでいた。


「フリック、おい!」


小太りの男が話しかけフリックは彼をにらんだ。


「なんだよ」


「いったいどういうことなんだ? 俺にはよくわからなかった」


「馬鹿か? ようはこのフレドリクという男は逆らう国家を全部つぶしてドイツ神聖帝国という統一国家を作ろうとしてるんだ」


「するとおれたちの国……フランスはどうなるんだ?」


「解体だ……二度とフランスが再興することはない」


「そんな! 大変じゃないか! 早く潰さないと……」


「できるか!馬鹿野郎!」


フリックは怒鳴りつけてからラジオを見た。

あの力強い男の声。

あれが、歴史の中央に立つ男の声。

世界征服という数多の指導者たちが夢見てきたことをこの男はやってしまうかもしれない。

しかし……

まだ、希望はある。

解体されていない限り大きな国力をもつアメリカ合衆国、オーストラリアに逃げたとはいえロイヤルネイビーを持つ大英帝国、そして、紀伊・三笠・大和を持つ大日本帝国。

これらの国家が協力すればまだ、強大なドイツに対抗することは可能かもしれない。

彼らが協力できれば強大な国際連合軍が出来上がるだろう。

そして、それらはドイツに敵対する人間にとって最後の希望なのだ。








この数日後、ドイツ神聖国は永久中立国としてただ一国ヨーロッパに存在していたスイスに侵攻、スイスは必死の防戦を試みたが圧倒的な物量と最新兵器の猛攻によりわずか2日で無条件降伏を受諾し、スイスという国家は消滅した。

同時に、すでにドイツの傀儡となっていた国家も次々と降伏を宣言していった。


作者「やっとここまで来たよ……」


エリーゼ「フレドリク様……」


作者「なんだい?かっこいいとか?」


エリーゼ「あなたには関係ありません豚」


作者「ぶ、豚!?」


エリーゼ「あなたなど豚にすぎません。 どうせ現実で腹の出た巨大なデブで同人誌を読みながらフヘヘと……」


作者「待てい! どこのひきこもりだそれは! 私は酒も飲まずに煙草も吸わない! 健康第一に運動もするどこにでもいる社会人だ!」


エリーゼ「それは驚きです」


作者「あ、あの……目の前にいる私太ってないでしょ?」


エリーゼ「そういえばそうですね」


作者「まったく……」


フィリア「キャハハハ! 見つけたぁ!」


作者「ぎゃあああああああああああ!」


ズドオオオオオン


エリーゼ「どうかしましたかフィリア」


フィリア「どうしたじゃないわよお嬢、次回からまた、ジャップの話らしいじゃない」


エリーゼ「ああ、確かアメリカの話を少しするかもと 草薙はいってましたね」


フィリア「つまらないわ。 早くジャップや連合各国を皆殺しにする話を書きなさいよジャップ」


作者「あたた……まあ、それはともかく次回から日本サイドに戻ろうかな」


エリーゼ「このまま、ドイツ快進撃でいいんではないですか?」


作者「いや、ドイツサイドばっかりやってるわけにも……読者から日本サイドにはまだ、戻らないんですかとよくメッセージが……」


フィリア「誰?殺してあげる」


作者(言えないな……)


エリーゼ「それそうと日本のどこに戻るんですか草薙?」


作者「たぶんハワイですよ。 フレドリクの演説のせいでハワイは……」


フィリア「大混乱ってわけね? キャハハハ! 見てみたいわね」


エリーゼ「無条件降伏の相談でもするんですか?」


作者「紀伊ある限り日本は降伏などしない!」


フィリア「キャハハハ! その紀伊もエデンで沈むのよ!」


作者「日本連合艦隊は天下無敵の最強艦隊だ!」


エリーゼ「さすがは日本人ですね。 幻想を見るのもいい加減にしたらどうです?」


作者「何!」


エリーゼ「戦力は圧倒的です。質も数もすべてにおいて劣る日本……いえ、反乱軍に勝ち目などないのです」


作者「くっ……実際勝ち目ないですよねこれ……」


フィリア「認めたわね」


作者「負けなんて存在しねえ! エリーゼ! 知略で勝負だ!」


エリーゼ「あなたは戦●ですか?」


フィリア「ねえ、草薙ぃ! 試験はどうしたの?」


作者「うぐ……まだ、結果は来てないけどかなりつらいかも……」


エリーゼ「更新速度はどうなのです?」


作者「1週間に1回はなんとかしたいけど無理なのか……」


フィリア「キャハハハ! ダメダメ人間よねぇ!」


作者「生きててごめんなさい……」


エリーゼ「なら死ねばどうです?」


フィリア「はーい、最後の爆発あ・げ・る♡」


作者「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」


ズドオオオオン



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