第213話 裏切りの艦隊
ジェット戦闘機『バッヘム』はF22、通称ラプターを参考にしつ作られた戦闘機であり、ステルスに特化した戦闘機であった。
日本の神雷と基本的な性能は変わらない。
それゆえに更なる次世代機となるメッサーシュミットゼロやメッサーシュミット1000には及ばないのである。
第5世代戦闘機以降はステルスか無人になるかと思われていたが次世代機のコンセプトは『史上最強の戦闘機』を作るという時代に逆行したコンセプトであった。
ステルスの必要性を廃し、他の機を圧倒できる性能と柔軟性を選んだ。
それが、メッサーシュミットゼロであり震電なのである。
とはいえ、バッヘム……いや、F22の驚異の能力を聞けば諸君もわかるではずである。
F22は2009年の時点の日本では主力戦闘機F15ストライクイーグルを圧倒する性能を見せ付けた。
具体的に言えばストライクイーグルのレーダーにはラプターはほとんど移らず目視戦闘以外ラプターの発見は困難であったとのことである。そして、バッヘムはラプターの発展型である。
ザイドリッツを始めとする艦隊がレーダーで探知できるはずもないが、バッヘムは技とミサイルを多く取り付けることによりステルスを捨てて艦隊に向かった。
バッヘムの識別信号まで出して……
「艦長、カイザー艦隊……いえ、空母オーディーンより打電!」
「何! 読め」
艦長は緊張した声で言った。
ジェノサイドすると言われたらさすがに戦わないといけない。
「はっ!」
兵も震える手でそれを持ち読み上げる。
それは、読みやすく書けばこんな内容である。
『第5機動部隊は直ちにドイツ本土に帰還せよ。諸君は同胞である。新政権にも快く受け入れられるであろう。時間は与えない。10分以内に反逆か帰還かを選ぶといい。帰還ならオーディーンに打電すれば諸君は新ドイツに帰国は適う。しかし、あくまで逆らうなら皇帝の艦隊と絶望と共に諸君の命をかけて戦うことになるだろう』
「……」
「艦長」
副長が言った。
「バッヘムは後何分で我が艦隊を射程に納める?」
「15分です」
落ち着いた声でレーダーを見ていた兵が言った。
「……」
「艦長! カイザー艦隊はドイツ人です!降伏……いえ、帰還しましょう祖国に」
ザイドリッツの艦長はかっと目を見開いた。
「分かった。しかし、オーディーンに連絡したら他の艦が攻撃してくるかもしれん。ジェットエンジン及び機関最大でこの海域を離脱する!航海長!」
「はっ!ジェットエンジン及び全速!」
艦長達はシートベルとをしめ艦内では警報が鳴り響いた。
「上空のフォッケバインには警戒するように伝えろ」
「はっ!」
「オーディーンにはザイドリッツはドイツに帰還すると打電だ」
「了解!」
次々兵が命令を実行していく。
ジェットエンジンを吹かしたザイドリッツが駆逐艦や巡洋艦の間を抜けて海域から脱出しようとする。
「艦長!他の艦が!」
「おお!」
ザイドリッツの艦長は見た。
大型空母のザイドリッツが寝返りとも言える行動をとったため他の艦も次々ザイドリッツに続いた。
芋づる式に艦隊が連れたと言える。
「オーディーンより打電!」
「読め」
「はっ!貴艦隊の英断を歓迎するです」
「ふぅ…」
艦長は額の汗を拭った。
カイザー艦隊との戦いは避けられたのだ。
「味方にすれば頼もしいが敵にしたらカイザー艦隊は恐ろしいな……」
ザイドリッツの艦長は呟いた。
しかし、あくまでクーデター軍に反抗する艦もあった。
そのほとんどは駆逐艦といった小規模な艦であったが中には巨大な艦があった。
戦艦『アウルゲルミル』、基本的に現在のドイツの艦名は北欧神話から取られる。
しかし、彼女はかつて別の名で呼ばれていた。
「我々はクーデター艦隊には屈しない!」
ドイツ第5機動部隊の司令は怒鳴った。
高速戦艦とはいえアウルゲルミルと僅かな駆逐艦の小さな艦隊はカイザー艦隊に決戦を挑む。
そして、アウルゲルミルの艦内は戦闘準備のために慌ただしくなる。
「……」
その騒ぎの中、彼女は闇の中で静かに顔をあげた。
やつれた彼女の髪は金髪に青い瞳。
しかし、瞳はにごり、髪はほつれている。
ひどい有様であった。
「忙げ!敵には機動戦艦がいるんだぞ!」
「は、はい!」
兵達が彼女の目の前を走っていいく。
少女の顔に生気が僅かに戻った。
「機動戦艦と……戦う?」
彼女の真名はサラ、かつて、ペテルギウスと呼ばれていたモンタナ級戦艦、そして、アメリカの艦魂。
セントヘレナ島沖で壊滅したアメリカの元第3機動部隊の艦魂であった。
作者「フハハハハ! 更新だ」
エリーゼ「定期更新の方が読者は喜ぶんじゃないですか?」
作者「ふん、読者などしらんわ」
エリーゼ「あなた今、何のキャラ演じてる気ですか?」
作者「今日こそどちらが偉いかはっきりさせてやるぞアイスドール」
エリーゼ「やればいいじゃないですか。できるなら」
作者「轟け!僕の!」
エリーゼ「アニメの見すぎです。まったく、こんなのがお金をもらって社員なのが信じられません」
作者「ソウル……」
エリーゼ「黙りなさい罰です」
作者「ぐあああああ!」
ズドオオオオオオン
エリーゼ「燃え尽きましたね。真っ白に」