第212話 ドイツ機動部隊の選択
「馬鹿な! 敵う訳ない!」
空母『ザイドリッツ』の艦僑で兵からそれを聞いた艦長は悲鳴をあげた。
その内容は簡単に言えば、ナチス親衛隊及び、インド侵攻全軍は直ちにドイツに戻り反乱軍を撃滅するというものであった。
元々、ザイドリッツはジェット戦闘機を運用する艦であり、ドイツ軍のインド侵攻を支援するためにここにいた。
情報では、イギリス艦隊はオーストラリアに逃げて海上戦力はすかすかのインドである。
空母の役割は陸上支援が主になると思われていた。
カラチの沖合にいた。
ザイドリッツを旗艦とするドイツ第5機動部隊は命令に従うならカイザー艦隊を撃滅せよという無茶苦茶な命令を受けたのだった。
「ナチス親衛隊の連中は頭が腐っているのか! カイザー艦隊を撃滅などできるはずかなかろう!」
「私に言われましても……」
艦長の余りの剣幕に兵はたじろいた。
「では寝返りますか艦長?」
「何だと?」
ザイドリッツの艦長が声をした方を見ると副長がいた。
「副長、寝返るとはカイザー艦隊に降伏するということか?」
副長は頷いた。
「艦長もカイザー艦隊の恐ろしさは知っているはずです。お忘れですか? カイザー艦隊はアメリカの機動部隊を訓練と評して我々に見せてくれたのですよ」
「……」
それは知っている。元々、ザイドリッツの艦長を始めとするドイツ海軍の軍人は海の戦いは潜水艦以外は弱い。
海上戦闘のノウハウも彼等の艦や軍人に習ったのである。
つまり、言うならば父と子のようなものだ。
子が父に勝てる訳がないとは言わないが今回の父は絶対に勝てない。
「取るべき道は多くありません」
副長はいう。
「というと?」
「このまま、命令に従いカイザーに突っ込み全滅するかカイザー艦隊に寝返るか。あるいは……」
副長は艦長を見ながら
「日本かアメリカに寝返るかです」
「論外だな。そんなことできるはずがない。なら、カイザー艦隊に寝返るべきだ」
「我々は試されているのかもしれません」
「どういうことだ?」
「カイザーに忠誠を誓うか否かをです」
つまり、この、海域にいる艦隊は寝返るか否かわからいからこういうことをしたということだろう。それに、空母や戦艦が派遣されていれば親衛隊に対する目隠しにもなる。
しかし、従わない艦は当然現れるはずだ。
「内乱になるぞ」
艦長は呟いた。
世界制覇寸前だというのに愚かな内乱になるか……
「たいした事態にはならないでしょう」
「なぜだ?」
「どうやら、このクーデターは念入りに準備されていたもののようです。陸上関連はインド侵攻を理由に集められ、海上の関連はカラチ沖合に集められています」
「だから、どうだと言うのだ?」
艦長が苛立った声で聞いた。
「簡単ですよ艦長」
副長が言った。
「海と陸の決戦は一度でいい。その決戦で勝った方がドイツの覇権を握るのです。まあ、私は親衛隊に万が一の勝ち目はないと判断しますが……」
ここにはいない空母や戦艦はすでにクーデターに参加している可能性がある。
つまり、海軍はクーデター軍についていることになる。
それならば……
他の艦でも彼等と似たようなやりとりがあった。
寝返るか全滅か。
ヒトラーが嫌いだという艦長は寝返るのに積極的で、また、ヒトラーを尊敬している艦長は徹底抗戦を唱えた。
艦長によって艦の意思が別れたのである。
時間があれば兵の意思も尊重されただろうがドイツ機動艦隊には時間はなかった。
なぜなら……
「艦長大変です」
「どうした!」
ザイドリッツの艦長が副長から彼に視線を変えると兵は青い顔で怒鳴った。
「レーダーにカイザー艦隊艦載機バッヘムを確認しました!識別信号に間違いはありません」
作者「いよいよ内乱が始まった」
エリーゼ「更新が早いですね」
作者「書けるときに書く。それが読者の期待に答える男さ」
エリーゼ「あなたの場合下手な文章の集合体でしょう」
作者「ハッハハ! 動じないぞ今日は」
エリーゼ「なぜです」
作者「何故なら明日というか今日は有休という素晴らしい休みなのさ」
エリーゼ「草薙……ここを日記と勘違いしてませんか?」
作者「してないしてない。だって本編のこと話したり艦魂とお話してるじゃないですか」
エリーゼ「そうですね。日本海軍の艦魂なんて忘れられてるんじゃないですか?」
作者「大丈夫、ちゃんと話は考えてるから」エリーゼ「では明日も更新ですね」作者「やだ」
エリーゼ「はっ?なんといいました?」作者「寝る!明日は寝るんだ!泥のように眠ってやる!sleepsleepさ」エリーゼ「草薙……いい加減にフレドリク様の方を書きなさい」作者「休み♪休み♪うれしいな有休最高!」エリーゼ「もしもし、草薙の会社ですか?」社長「はい、社長です」エリーゼ「草薙の明日の有休を取り消しなさい」社長「はっ?あんただれ」エリーゼ「警告です。しないと明日ミサイルを撃ち込みます」社長「わ、分かりました!草薙の有休は取り消しします」エリーゼ「よろしい」作者「お、おい!」社長「草薙、有休はなしだ」作者「ぎゃあああ!」その後、草薙はエリーゼに土下座してなんとか休めたとさ