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独立機動艦隊『紀伊』―連合艦隊大勝利!  作者: 草薙
米太平洋艦隊大反撃
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第21話 愚将と名将の違い

ハルゼー艦隊を打ち破り戦艦『山城』の兵士を救助した後日本連合艦隊は

呉へ向けて進路を取っていた。

もはや連合艦隊をさえぎるものは潜水艦しかおらず、その潜水艦も独立機動艦隊所属の原子力空母『赤城』が放つシーホークヘリコプターが対潜警戒を行なっているため脅威とはならない状況にあった。

連合艦隊旗艦『武蔵』の長官室で山本五十六は参謀長の黒島 亀人と将棋を打っていた。

「それにしても完勝でしたな長官」

黒島が言った。

現在盤面は黒島が押している状況にあった。

「いや、そうでもないさ。こちらは山城を失ったんだ」

と、山本は言いながらも山本の駒を動かす速度は早い。

即決即断が山本五十六の強みの一つである。

「しかし、アメリカ艦隊は全滅しておるし今頃は真珠湾も壊滅しておるでしょう。

いずれにせよ勝利に変わりはない」

「うむ、日向君たちの行動が成功すれば我々の反撃の準備は終わる。『大和』も機動戦艦として戦力に組み込まれるだろう」

「しかし、大和は整備の関係上独立機動艦隊の基地に所属することになるそうですな。

基地の場所は…どこでしたか?」

「沖縄だよ」

パチっと山本は駒を動かしていった。

黒島がうっとうなる一手だった。

「始めは北海道で検討されたらしいが冬の間は身動きが取れなくなるからな。

沖縄の防衛と兼任して独立機動艦隊の基地がおかれることになったのだ」

黒島は盤面を見て考え込んでいる。

独立機動艦隊の基地は飛行場、軍港に加えてミサイルを作る工場が敷地内に作られており

未来から持ち込んだ重機で基地はほぼ完成している。

今は独立機動艦隊の基地を守るのは『飛龍』のパイロット達である。

無論沖縄には独立機動艦隊とは別に陸軍がいるが指揮系統は完全に異なっている。

今『飛龍』のパイロット達は日本本土や沖縄から集められた新米のパイロット達に

ジェット戦闘機の訓練を施しているところであった。

しかし、山本を始めとして大本営が驚いたのはその中に女性が含まれていたことである。

未来では実力さえあれば女でもパイロットになれるらしく実は戦闘機のようなものは女性の方が適応力があるといわれているという。

多少の反発はあったが天皇に認められている以上表だって反対することができない。

それに山本は結果さえ伴えばそれでいいと思っている。

女が軍人に。

時代は変わるものだと山本は思うのであった。

「ところで長官話は変わりますがドイツのあの噂をご存知ですかな?」

「噂?なんのことだ?」

山本は首をかしげた。

ドイツと日本は今国交断絶状態にある。

日本が三国同盟を脱退したためだ。

戦争にこそなっておらず半分敵国といってもいい状態にあるが日向の話では

ドイツは今攻め込んでいるソ連との戦いで大敗北を喫して敗戦に転がり込んでいくという。

そのドイツの噂とははて?

「あくまで噂ですが何でも優れた参謀がヒトラーについたそうです」

「ほう」

山本は言いながら駒を動かした。

「ぐっ…その参謀は妙に頭のいい奴だそうでソ連と戦う前のドイツ軍にいろいろと助言を

与えたそうです。その結果が今のドイツの大進撃に繋がったとか?」

「だが、君も知ってるだろう?ドイツは今月の13日にスターリングラードの攻防戦に突入するが来年の1月31日に敗北することがすでに決まっている。その優れた参謀とやらの智謀もその程度ということさ」

「そういえばそうでしたな。未来からの情報があるというのはいいものです」

と黒島は駒を動かそうとしたが…

「私も完敗です。いや、長官には適いません…」

と負けを認める黒島であった。




一方その頃、独立機動艦隊所属の機動戦艦『尾張』はスルプーアンス艦隊を叩き潰した後原子力空母『加賀』を伴って沖縄の基地へ40ノットの速度で向かっていた。

尾張の艦長室では艦長の椎名 浩介は先ほどまでパソコンに向かっていたが今はソファーに座りお茶を飲んでいた。

ただし、1人ではない。

尾張の艦魂であり真名を明という少女がソファーの向かいに座り椎名と同じくお茶と

明治チョコレートと書かれた板チョコを食べながら椎名と話をしていた。

「ところで浩介。私は紀伊の援護に向かわなくてよかったのですか?」

後書きを読んでいる方はすでにお気づきだろうが彼女は2重人格といっていい性格の

持ち主である。

ただし、どちらも天上天下唯我独尊ということは同じなのだが…

椎名 浩介はお茶をテーブルの上に置いて言った。

「無用だ。日向長官が問題ないと言っていた」

「どう考えても彼って馬鹿にしか見えないんですが本当に?」

「ほう、やはり長官は馬鹿に見えるか?」

「ええ、馬鹿です。ていうか馬鹿じゃなかったらなんなんですか?よくあれで司令長官なんて務まりますね」

明は冷ややかな声で言った。

「愚将か名将というのはな。外だけ見ても分からないものだ。名将に求められるのは

結果だ。少なくても日向長官は結果を残す名将だな」

「というより私はあの人のことよく知らないんですけど浩介の生徒だったんですよね?」

「昔の話だ。今は彼が上官だ」

「どんな生徒だったんですか?」

すると椎名は少し顔を歪めて

「滅茶苦茶な奴だったな…」

と、少し本音を言った。

「それはどのように?」

明は興味を持って聞いた。

紀伊こと真名は凜だが彼女があそこまで惚れ込んでいる相手に興味があったのだ。

「そうだな。昔、霧島と日向長官が太平洋戦争で勝利することについての議論を交わしたことがあったんだが霧島はお前が知っている通り核ミサイルによる一方的な攻撃による

勝利を主張し日向長官は核ミサイルはあくまで切り札として温存しつつ独立機動艦隊を

率いて短期決戦を挑むことを主張した。

未来の日本人は正直人道を重んじるところがあったからな。結果は日向長官の案が指示されたんだがそのプランの中に真珠湾に機動戦艦による単艦での殴りこみがプランに組み込まれていてな…」

「それって…」

椎名はうなずき

「そうだ。今まさに行なわれているはずの作戦だ。むちゃくちゃな作戦だろう?」

「というより作戦といえるんですかそれ?」

確か真珠湾には推定で5000以上の航空戦力がいるはずだ。

いくら機動戦艦でもミサイルがなければ苦戦では免れない数である。

「言えないな。私を始めとした周りの人々はこぞって無謀だと言った。

すると日向長官は戦いのシュミレーションを作り提示してきた。そして、

最終的にハリアーが撤退した後四方八方から攻撃を受けて…」

「ああ、なるほど分かりました。普通の戦艦ならそこで終わりですけど紀伊というより

紀伊級の戦艦なら…」

「そう、この尾張と紀伊ならな…」




<真珠湾沖>


すさまじい黒煙が辺りを覆っている。

ロケット弾、魚雷、爆弾が爆発したための黒煙だ。

その黒煙は戦艦が沈んだことを示している。

戦闘機、雷撃機のパイロット達は攻撃が成功して戦艦が沈んだと確信して

喜びの悲鳴を上げた。

「よっしゃー!」

「ざまあみろジャップ!」

「ひゃっほーう!」

こんな感じである。

しかし…

「ん?」

ゆらりと何か黒煙の中で何かが揺れた気がした。

「なんだ?」

グラマンに乗るパイロットのマイケルはじっと目を見開いて黒煙を見てみる。

何も見えない。

「お、驚かせてくれるぜ」

それほどまでにあの戦艦は恐ろしい存在だったとでも言うのだろうか?しかし、あの戦艦は沈んだのだ。

無線に上官から連絡が入る。

「よし黒煙が晴れた後確認を…」

その時だった。

各戦闘機や雷撃機に緊急の連絡が入った。

洋上より敵航空機接近、数は不明と…

しかし、戦艦を撃沈した兵士達の士気は高かった。

「よし!景気づけにその戦闘機も破壊を…」

まさにその瞬間黒煙の中から何かが飛び出し上官のグラマンを消し飛ばした。

「!?」

兵士達に動揺が走った。

まさか

「ああ!」

その悲鳴と共に黒煙からゆらりと戦艦が現れた。

機動戦艦『紀伊』だ。

「や、奴は不死身なのか?」

震える声でパイロットの1人が言った。

そこには傷一つない未来からの戦艦がいたのである。


凛「というわけで無事でした」


明「…」

 ↑

恥ずかしくて声も出ない。


凛「心配してくれたの明?無用な心配ね。ま!姉としてありがとうとは言っておくわ」


明「っ!凛なんか姉じゃないわよ!」


凛「ええ、私もあなたなんかが妹だと思いたくないけどしょうがないじゃない姉妹艦なんだから」


明「…」

 ↑

恥ずかしくなったのか走り去る。


凛「あれ?行っちゃった?」


作者「いやいや無事でよかったよ凛様」


凛「あんたが!紛らわしい書き方するからででしょうが!」


作者「あ!あ!核ミサイルはやめて!ぎゃああああああああああああ」

ズドオオオオオオオオオオオン


凛「死んだわねあれは…ま、作者は不死身だから次の後書きには復活してるでしょうけど…次回予告は

私に傷をつけようとしてくれたアメリカの航空機に100倍返し!っと、ご意見と感想もお願いしますと」




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