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第206話 刹那の瞬間

(本当に大丈夫なのか?)


伊号潜水艦内でレーダーの光点を見ている日本兵は思った。

レーダーに移るのは巨大な戦う艦と書き、戦艦。

日本海軍最大の戦艦『近江』より、奴はでかい。


距離6万


速力は互いに遅い。

(怖い)


兵は思った。

彼は、別の艦で数々の作戦に参加してきたが、恐怖というものは消えない。

きっと、艦長や副長だって、戦場は怖いだろう。

しかし、兵士は恐怖を押し殺して戦場に立つのである。


(正恵……)


兵士は胸にかけてあるお守りに入れている妻の写真をぎゅっと右手で掴んだ。









(怖い)


そう、思うのは艦魂も同じである。

伊号一七八潜水艦の艦魂、八重は手に冷や汗を感じながら伊号の外の手摺りに捕まって機動戦艦がいる方角を見ていた。

伊号の艦長は敵機動戦艦は攻撃しないという前提で動いているが距離1万を切ったら潜るつもりでいるようだった。

もはや、それに八重は、意見する気はない。

敵機動戦艦が本気ならもはや、逃げられない。

この時代とは比べものにならない優秀なソナーやレーダー、そして、対潜ミサイルなどを備えた化け物に伊号が隠れようとしても無駄なのだ。

ならば、少しでも情報を集めようというのが艦長の決断だった。

幸い、夜のためアメリカ航空機はこない。

天敵である駆逐艦も同じである。


もっとも、ここ最近なアメリカの方針は機動戦艦を確認したら全力で逃げるように命令されているらしい。

艦魂の連合艦隊司令長官、撫子に聞いた話しによるとアメリカ軍は希望岬で大打撃を受けたらしく、それ以来、大艦隊以外での機動戦艦への攻撃は控えられていた。

ホーン岬の近くにドイツの機動戦艦が現れるならアメリカとしてはホーン岬など通したくはないだろう。

しかし、パナマ運河は改装中とはいえ、アンドロメダ級のような巨大戦艦は通せないのでホーン岬経由になる。

後は、北だが、あちらはドイツの傀儡と成り果てたロシア連合の領海に近いので危険だった。

Uボートがうようよいる海域なのである。

日本海軍との決戦のために戦力を集中させているアメリカは駆逐艦をそちらに回す余裕すらないのが現状だった。

太平洋・大西洋の二正面作戦に加え、どちらも押されまくっていては戦力が足りなくなるのも無理はない。

未確認だが、アメリカは少年とも言えるような年代も徴用しているということだ。

末期である。



しかし、八重にとってはそんなアメリカよりも目の前の機動戦艦の方が遥かに重要であった。


「……」


八重の無表情の瞳には他人が伺いしることのできない恐怖が浮かんでいた。


そして


「距離2万……」


レーダーを見ている兵は呟いた。










ドイツ機動戦艦グングニル。

英雄ヘクトールが持っていたといわれる伝説の武器の名を与えられた機動戦艦はゆっくりと、しかし、確実に伊号に迫っていた。


「敵潜水艦との距離3万」


CICて、レーダーを見ていた兵が言った。


「バルムンク発射用意」


グングニルの艦長、エドガーが言った。

彼は腕を組み自信に満ちた顔でモニターを睨んでいる。


「アイサー! 両弦砲展開用意!」


グングニルは闇の中を走りながら艦の両弦が外にせりだした。

バルムンクは艦内に収納され、展開させることにより発射される。

レールガンである。その破壊力は絶大で、相手が機動戦艦であっても安々とバリアごと砕く破壊力を持つ。

史実での太平洋最大の防御力を持つ大和級でさえ、バルムンクの前にはバターのようなものである。2042年の未来においてもバルムンクを防ぐことができるものは存在しない。

正面から打ち抜けば核シェルターすら貫くことは可能だろう。

唯一、バルムンクに欠点があるとすれば、連射が効かないことだ。

一発、撃つごとに一分ほどかかり速射砲のような効果は望めない。

だが、それでも、バルムンクはアイギスというバリアが生まれた未来では、対艦という目的に絞れば最強の兵器であった。

それに、フリードリッヒ・デア・グロッセは……



「バルムンク、充電開始します」


外から見れば青白いスパークがバルムンクの周囲に見えたことだろう。

核融合炉からの絶大なエネルギーがバルムンクに注ぎこまれる。


そして……


「バルムンク充電完了!」


「敵、潜水艦との距離2万!」


エドガーは立ち上がった。


そして、同じ頃、グングニルの艦魂、ネフィーリアも右手を天に向けた。


「さようなら、劣等潜水艦」



エドガーは右手を払った。


「発射!」


キュイイイイイイン

何かが滑るような音がし、光が一瞬辺りを包んだ。

海を割るように二つの砲弾がレールガンからすべるように発射されたのである。

そして










「え……」


八重が言えたのはそれだけだった。

機動戦艦が光ったかと思った瞬間、バルムンクは彼女の上半身を吹き飛ばした。

血が噴水のように飛び散り、彼女の体はぐらりと後ろに傾いた。


そして、彼女のもうひとつの体である伊号一七八は船体の上部の半分を跡形もなくバルムンクにより、消飛ばされた。

しかし、それは一瞬で弾薬に引火した伊号一七八潜水艦は爆発を起こし、沈んだ。

それは、呆気にとられるほど一瞬のことであった。

ほとんどの兵は自分達が死んだという認識すら持てずに戦死したのであった。










猛烈な爆発の風がグングニルを撫でる。グングニルのいく先には伊号の残骸が漂流しているのである。

時間にして、一瞬であった。


ネフィーリアは左手を口に当てて微笑んだ。


「フ、フフフ、アハハハ! いいざまですね劣等潜水艦には相応しい末路です」


彼女にとってゲルマン民族以外はみんなゴミである。

大和民族の民などうじ虫以下なのだ。


「フフフ……ん?」


その時、彼女の体に何かが当たった。

ネフィーリアは肩に落ちた、それを、手にとる。


「なんですかこれは?」


紫色の袋に入っていたお守りである。

ネフィーリアはお守りの中に何かが入ってるのを見て、取り出して見ると、途端に彼女は不快な顔をした。


そこには、和服の日本人女性と若い日本人の男。

そして、真ん中には小さな男の子が移っていた。

桜の木の下でとったらしく、桃色の花びらが地面を埋めるカーペットになっていた。


3人は幸せそうな顔をしていた。


「劣等民族の写真ですか」


ネフィーリアはそれを破り捨てると少し焼けていたお守りと共に海に捨てた。

手を擦る。


「劣等民族の触れたものに触れてしまいました。 どうしますかね……」


ネフィーリアはやり場のない静かな怒りを伊号の残骸に向けていた。










「敵潜撃沈しました!」


「よろしい」


エドガーは上機嫌に艦長席に腰を降ろした。


「引き続き警戒に当たります」


グングニルの副長、フェリックスが言った。


「頼むよフェリックス」


「はっ!」


フェリックスが指示を飛ばすのを見ながらエドガーは口を開いた。


「そろそろだったな」


「はっ?」


フェリックスはエドガーを見た。


「例のあれだよ。フレドリクに限れば大丈夫だとは思うが」


「豚を元首にした帝国ですか?」


フェリックスは皮肉まじりに言った。

エドガーはフフフ、と笑いながら両手を組んだ


「豚には豚の使い方があるんだよフェリックス。あの空軍元帥には道化になってもらう」


「お飾りの道化ですか?」


「……」


エドガーは微笑しながら頷いた。

京子「八重……」


作者「お友達でしたか?」


京子「いや、詳しくは知らぬ。だが、名前は知っておったでな」


作者「戦争ですからね……」


京子「そうじゃな。女の子ばかり書いてたら駄目じゃぞ草薙」


作者「もちろんです(その格好で言われても説得力ないけど……)」


京子「うむ、ところでドイツの艦長と副長の言うデブとはまさか……」


作者「よく読んでたら誰か分かるはず」


京子「奴をトップにするのか?なぜじゃ?いや、その前にあの男は生きておろう」


作者「次か、近々ドイツに行きましょう」


京子「ええい! 無視するでない」


作者「はいはい」


京子「むぅ……しかし、草薙のリアルも小説に劣らず波乱続きじゃな」


作者「ですね。昨日ニュースでラプターが沖縄に4機来たと聞いておっと思いましたね。間違いなく牽制と思います」


京子「アメリカも多少は考えておるんじゃな」


作者「まあ、問題は平和団体。騒音がうるさくなるからと」


京子「アホか? ラプターとやらの存在は抑止力になろう」


作者「ま、そんなことも分からないんですよ。耳栓して寝ればいいし。というかラプターが空を飛んでたら感激するよ私は、どちらかといえばストライクイーグルの方が好きだけど」


京子「マニアじゃのう」


作者「それほどでも」


京子「ほめとらんわ!」


作者「ぎゃああああ!」


ズドオオオオオオン

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