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第203話 今も信じてるから

ジェットエンジンを点火した長門は48ノットの高速で艦隊を離脱した。


日本艦隊の陣形は機動戦艦を挟み込むように配置されており右側に長門、左側に武蔵が先頭を務める艦隊がいた。

戦艦が主力の艦隊である。

長門は後方の陸奥を置いて舵を機動戦艦に向けて突撃を開始したのである。



長門の艦長は早川 幹夫大佐である。

史実の彼はこの時期、戦艦、山城の艦長であったがすでに、山城はアイオワに撃沈されているため長門への艦長就任が速まった。

ちなみに、彼が後に配属されたのは第二水雷戦隊である。


彼が長門に突撃を命じた経緯を話そう。

早川艦長は機動戦艦にまったく砲撃が通じていないことに驚愕していた。


「化け物め……」


早川が言うのも無理はない。

長門の連装41センチ45口径主砲8門の命中は何度も確認されている。

しかし、武蔵の46センチ主砲すら通じない相手に長門は非力であった。


「艦長、こうなったら突撃しましょう」


「何だと!?」


早川は仰天して長門の副長を見た。

こんな大胆なことを言う男だとは思っていなかったのである。


「機動戦艦を沈める方法は限られています。長門一隻の犠牲で連合艦隊が救われるなら突撃すべきです」


「うむ……しかし、長門でなくとも……金剛や扶桑といったもっと古い戦艦の方がよいのではないのか?」


早川の言うことは理解できなくもなかった。

長門といえば日本国民にとって1番親しみのある戦艦である。

史実では長門は大和よりも有名な戦艦であったのだ。

この、世界では大和や紀伊といった戦艦も有名であるがそれでも日本国民にとって長門は親しみある戦艦であり早川も長門の艦長になるときは喜んだものだった。


「確かに、金剛や比叡の方が有効かもしれません。しかし、こうしている間にも奴のミサイルが火を噴くかもしれないのです。 決断が必要です艦長」


「しかし……」


早川はなおも渋った。

艦長にとって船を失うということは堪え難い屈辱である。

艦と運命を共にするものも多いのは己の情けなさと自分の艦を守りきれなかったことに対する償うためである。

自己満足にしか過ぎないといわれればそれまでだが、艦魂が見えない艦長に限っては当て嵌まる。

もっともも日本海軍には艦と運命を共にしろなどという伝統はない。

しかし、艦と運命を共にする兵が多いのもまた、事実である。



「艦長!」


「みんなもそれでいいのか?」


早川は艦僑を見回すと士官達は頷いた。

「はい! 覚悟はできてます」


「ご命令を艦長」


「そうか……なら、突撃する! 切り込み隊を編成させてくれ」


「了解!」


「やってやるぞ」


早川は拳をにぎりしめた。


長門の船体を機動戦艦にぶつけてバリアを破壊、そして、内部に切り込むのだ。長門ほどの質量ならバリアも堪えられない。


武蔵に『我突撃ス』の打電がいったのはこの数分後である。










「早川に打電しろ! これは演習だ!機動戦艦は紀伊だと打電するんだ! 急げ!それと、全艦に戦闘を止めるように打電だ!」


「なんですって!」


打電のため兵が飛び出していく中、参謀達は仰天した声を上げた。

しかし、黒島だけはやはりと頷いた。


「どういうことか説明していただけますか長官?」


参謀の一人が言ったが山本は焦った声で


「どうもこうもない。 君達に黙って実戦に近い演習を行おうと俺は考えて、日向君に頼んだんだ。連合艦隊に襲い掛かってくれとな」


「では機動部隊の壊滅の報告も……」


「小沢には伝えてある。 まあ、パイロット達が知ったのは出撃した後だがな」


「なんと……」


航空参謀が呻いた。これは仕組まれていたことだったのだ。演習と見せかけて機動戦艦が連合艦隊に襲い掛かる。

兵達は必死に戦うだろうし気も引き締まる。

アメリカとの決戦前にはいい刺激となるだろう。

紀伊が一切反撃を行わない理由もわかった。

現在の包囲陣形を高速で行う訓練だったのだ。

アメリカとの決戦でこの高速艦隊決戦に突入することを考えればこの実戦に近い演習の成功は自信に繋がるだろう。

しかし、長門を失ったり両艦が激突して大破しようもなら大変である。

特に、紀伊が戦闘不能に陥れば取り替えしがつかない事態になってしまうのだ。


「俺の誤算だ……」


山本は呻くようにつぶやいた。










機動戦艦……いや、紀伊は当然ながら長門の接近を察知していた。

しかし、この時、両艦の距離は1万を切っていた。

位置的にも悪かった。

紀伊と長門は艦首同士を向け合う形になっていたのである。これがもし、紀伊の艦尾に長門が突入してきたら紀伊は高速を生かして逃げ切れただろう。

だが、そうはいかなかった。

砲撃が続いている以上アイギスは外せないし紀伊は30ノットで航行していた。しかし、加速するにも前方から長門が突撃してくる以上、加速はできない。




「ち、長官!」



古賀が悲鳴を上げた。

もはや、離脱は不可能だ。


「面舵一杯!」


日向が怒鳴った。


グググと紀伊が右に曲がる。

しかし、長門も逃がすまいと取り舵を切った。

この直後、演習と知った早川は慌てて面舵を叫んだがすでに遅かった。










「……」


髪の短い少女が紀伊の艦僑の上から迫り来る長門を見ていた。

しかし、痛みに堪えるため歯を食いしばるようなことはしない。

今でも、彼を凛は信じていたから……










長門の船体とアイギスが激突する。

鈴は体に痺れたような痛みを感じたがすでに、相手が敵ではないと自分に届いた打電で知っており歎いた。


「不覚だ……」


アイギスと長門は拮抗したように見えたた。

間近に見えるアイギスは不気味な光に鈴は思えた。

時間にした一秒もなかっただろう。

長門と紀伊はアイギスで擦れ合いながらすれ違った。

激突は免れたのである。










「おっしゃ!」


紀伊の艦内でその様子をモニターで見ていた白衣の少女は握りこぶしを作って喜んだ。










そして、紀伊の艦僑でも日向がふーと息を吐いた。


「もう抜き打ち演習なんて、二度とやらないからな、古賀……」


「私も嫌です」


古賀と日向は顔を見合わせて笑った。










ちなみに、この時、山本も心臓が止まるかと思ったといい、参謀達と笑いあっていたのは余談である。

作者「あ、危な……」


京子「うむ、あの女子何かしおったな」


作者「ああ、彼方?多分、アイギスに何かしたね」


京子「強化かのう?」


作者「ん〜、知らない」


京子「……」



作者「というか昨日しゃれにならない夢を見た。それを書きたいから今日頑張って書き上げたんだ。明日は仕事は夕方からだし」


京子「なんじゃ?」


作者「えっと、なぜか私は戦艦の艦僑にいて多分戦艦草薙だねたれ。第1回試験艦隊との戦いで巨大ドリル戦艦が正面から突っ込んできた」

京子「ほう」


作者「鋼鉄の咆哮をしたからだな多分。しかも、ドリル戦艦に乗ってるのエリーゼ様で『絶望と共に散りなさい作者』という音声つき」


京子「声優は?」


作者「水城ななの声だった気がする」


京子「ほう」


作者「しかし、ひどい……ドリル戦艦は草薙をバキバキと破壊していくのが妙にリアルで……私もうわあああ〜と悲鳴あげてるし」


京子「ハハハハ」


作者「エリーゼ様なんて、何度来てもあなたに未来はありませんと言うし」


京子「ハハハハ!」


作者「ドリルが私を貫いた瞬間目が覚めた。汗、びっしょりだったよ」


京子「笑える話しじゃ」


作者「ちくしょう! 京子を沈めるぞ」


京子「させんわだあほ」


作者「ぎゃああああ!」


ズドオオオオオオン

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