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第202話 山本の誤算 長門特攻ス

「武蔵と本艦の距離6万2千! 45ノットで接近中! 間もなく46センチ砲の射程内に入ります!」


薄ぐらい中、レーダーを見つめていた兵が叫んだ。

CICである。

機動戦艦には必ずついているイージスシステムやレーダーを管理するこの装備は当然、日本艦隊に相対する、この艦にもあった。


「速度そのまま、進路も変更はなしだ」


「アイサー!」


CIC中央に位置する艦長席で艦長が言った。

通常、CICはそれほど大きな部屋ではないが機動戦艦にあるCICは大型化している。

これは戦艦という巨大な船体を有しているからこそできる贅沢と同時に巡洋艦クラスのイージス艦と比べて電子機器の数が多いため自然とCICの大型化に繋がったのだ。



「しかし、本当にやるんですか長官?」


艦長席の隣にある席から眼鏡をかけた女性が言った。

薄ぐらい闇のため、眼鏡がモニターの数字を映し出している。


「ま、今更やめられないしな」


長官と呼ばれた男はいたずら好きな子供のようににやりと笑った。

こちらも、薄暗いためよく、顔が見えない。


(この二人、いつも同じようなやり取りしてるよな……)


と内心で彼の隣に座っている砲雷長は思った。


余談だが機動戦艦の士官達は立って指揮をしない。

これは機動戦艦の高速性能が原因で下手に立って指揮するとこけてしまう。

そのためCICの艦長席や副長席などのいわゆる指揮官は一段高い位置で指揮をとり立っている時と同じ目線で指示を出している。

機動戦艦はシートベルトが必須の艦種なのである。


「まったく、山本長官も山本長官です。 本当にやるとは思いませんでした」


「ハハハ、何か始めて日本艦隊と対峙した時と似てるな」


「状況はまるで違いますけどね」


「まだ、1年も立ってないんだよな。 俺達がこの世界に来て」


「長官、向こうは本気で撃って来ますよ? あまり油断なさらない方が」


「大丈夫大丈夫、俺に任せとけば大丈夫さ」


「はぁ……」


彼女はため息をついた。


(また、白髪が増えそう……)


もう、三十路に突入した彼女は白髪を作る根源を見ながらため息をつくのだった。


「日本艦隊との距離、4万5千! 射程に入りました!」



「さて」


長官はにやりとして

「いくぞ、山本 五十六」










「距離4万5千! 主砲の射程入りました!」


「今だ!」


その時、日本艦隊に動きがあった。

戦艦を戦闘に二手に別れたのである。

『武蔵』を戦闘とし、『金剛』『日向』『伊勢』『榛名』


そして、『長門』を戦闘とし『陸奥』『霧島』『比叡』『扶桑』


この順で、両艦隊は高速で右と左に別れた。

挟み撃つ体制である。

ジェットエンジンをつけてから実戦で使うのは始めての陣形であったが流石は物量を技術で補おうとした日本海軍である。

その動きに一切の乱れはなかった。

両艦隊は機動戦艦を挟み撃ちにする気であった。

機動戦艦がどちらに舵を切ってもどちらかの艦隊と正面から激突することになるが敵機動戦艦には報告では小型の速射砲が一基あるだけで砲撃力ならどちらの艦隊でも勝る。

武蔵艦隊には武蔵が、長門艦隊には長門がいるのだ。


両艦隊と機動戦艦はみるみる接近していくが砲撃はないし機動戦艦に動きはない。

真っ直ぐ突っ込んでくる。


「機動戦艦との距離3万!」


有馬艦長が山本を見た。

山本が頷くのを見た瞬間、有馬はかっと目を見開いて叫んだ。


「撃ぇ!」


ズドオオオオオオンドドドドドドドドド

凄まじい爆風が怒り砲炎が砲を焼く。

長門、陸奥からも同様に砲撃が開始された。

他の戦艦も射程に入り次第砲撃を開始した。

常夏の楽園ハワイ近海の海は砲撃音が支配する戦場となった瞬間である。










「日本艦隊砲撃を開始しました!」


「長官! 日本艦隊は近江と同じ戦法をとったようです」


参謀長が言うと長官は頷いた。


「まあ、当然か」


近江が取った戦法とは近江がフェンリルにとったもので主砲を斉射ではなく時間を置いて順次に発射していき、その間に装填し、攻撃を行う戦法である。

日本の各戦艦の主砲にも手が加えられてており速射性能が上がっている。

ただし、近江のように本格的な改装をする時間がなかったため、本格的な冷却装置などはついておらず連射するのにも限界はあったが……


ズドオオオオオオン

連鎖的な爆発音が機動戦艦を襲うがあくまで音のみである。日本艦隊の最大の主砲46センチ砲をもってしても機動戦艦のバリアシステムアイギスは破れない。もちろん、長門を始めとする主砲も武蔵に劣っているために虚しくアイギスにより防がれてしまう。

もし、これが燃料に制限がある艦、ガスタービンなどが機関の相手なら燃料切れに誘うという選択肢もある。

だが、機動戦艦は永久機関とまではいかないが一回や二回の戦闘では到底意味をなさないほどの莫大なエネルギーを生み出す機関、核融合炉である。

その、選択肢は日本艦隊にはない。

何より、アイギスより先に、主砲がいかれてしまう可能性や弾切れになる可能性の方が遥かに高いのだ。

黒い煙が機動戦艦の周りに立ち込めるがこれもマイナスにはならない。

レーダーを始めとする電子機器はまったくの無傷なのだ。


日本の戦艦部隊は取り囲むような形で砲撃を続けている。

駆逐艦は機動戦艦に接近し魚雷を放つために接近を開始した。

駆逐艦の魚雷は相変わらず酸素魚雷である。

雷跡が見えないという利点は建材だ。










「ああ……、まったく効き目がない……」


激しい砲撃を受けて、姿は見えないがレーダー射撃を続ける、武蔵。

全弾命中とはいかないが相当な主砲弾が機動戦艦に命中しているはずだ。

だが、あのアイギスというバリアに弾かれているのだろう。武蔵の艦長、有馬は呆然とした声で言った。










それは、艦魂達も同様であった。


「やはり、効かんのか……」


軍刀を振り回して主砲を撃っていた鈴が言った。

長門の主砲ではアイギスを貫けない。


「くそ! 手加減のつもりか!」


鈴は相手がミサイルをまったく撃ってこないことに腹を立てていた。

手加減しか見えない行動だからだ。

ミサイルがジェットエンジンに直撃すれば只ではすまないのである。

そして、鈴は艦僑で長門の艦長が下した命令を聞いて目を閉じた。


「ここが私の死に場所か……」


長門は進路が代わり機動戦艦に向いた。









「大変です長官!」

武蔵の艦僑に飛び込んできた兵は顔を真っ赤にして怒鳴った。


「ん? どうした」


相変わらず余裕の表情を見せる山本


(やはり、長官……)


黒島は山本が何を考えているか漠然と知り始めていた。

だから、今回の兵の大変だもどことなく危機を感じなかった。

彼の予想が当たっていればこれは……

しかし、黒島の予想は粉々に消し飛ぶことになる。


「な、長門が突撃を開始しました!『我突撃ス』と打電を」


「何だと!」


この、戦いが始まって始めて山本 五十六は仰天した顔で怒鳴った。


桔梗「ああ! あかん!はやまったらあんで鈴」


作者「長門突入!」


桔梗「モンタナと同じことする気やな」


作者「モンタナより高速性能が上がってるから特攻としては成功率高いかも」


桔梗「はよ、なんとかせんかい! 長門が沈んだら殺すで作者。 長門のファンは多いんやで」


作者「ま、まあ、大和より長門が好きな人いますよね」


桔梗「はよ書かんかい!」


作者「いやぁ、自分社会人だし、一次試験合格通知来たらまた、二次試験だし」


桔梗「ええからはよ書け!」


作者「う、うわ!46センチ砲フルバースト!ぎゃああああ!」


ズドオオオオオオン



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