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独立機動艦隊『紀伊』―連合艦隊大勝利!  作者: 草薙
米太平洋艦隊大反撃
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第20話 世界最強の戦艦『紀伊』の最後!?

「ミサイルロックオン!」

CICから艦橋にスピーカーで声が届く。

「よし撃て!」

日向が言うと発射ボタンが押され機動戦艦『紀伊』からミサイルが放たれた

艦対空ミサイルである。

その数は30でイージスシステムを持つ紀伊が同時に打ち出すことの出来る限界の数であった。

紀伊に雷撃を仕掛けようとしていたTBFアベンジャーがミサイルに消し飛ばされる。

圧倒的なミサイル攻撃が可能でこれまでアメリカ軍を圧倒してきた独立機動艦隊の

艦船達だったがこの時ばかりは余裕がなかった。

落としても落としてもまるでアリのように航空機が湧き出てくるのだ。

機動戦艦『紀伊』は今たった1艦で5000の航空戦力を要する真珠湾の戦力と戦っているのであった。

そもそも真珠湾奇襲作戦というリスクの高いどころか無謀な作戦を行なっているのは

アメリカに『紀伊』の存在を知らしめるためだった。

想像してもらいたい。

5000の航空攻撃を戦艦が切り抜けて真珠湾を壊滅させる。

そのような馬鹿げたことをしでかした戦艦がいるとアメリカが知れば間違いなく恐怖を

抱くだろう。

今回の目的はそこにあった。

真珠湾を壊滅させれば予定通りアメリカの反撃は伸ばせるだろうし後の休戦交渉にも

有利に働く可能性は高い。

だが、そのためには生き残る必要がありミサイルで真珠湾の施設をあらかた潰した

紀伊は全速力で離脱を図ったのだが怒り狂った航空隊の攻撃はすさまじかった。

それに今紀伊は戦闘力の半分以上を殺された状況で戦っている。

それは何か?

それは紀伊の周りに空からばら撒かれているアルミ板が原因であった。

アメリカ軍は紀伊のミサイルがレーダーを利用したものであるということに気づき

それを妨害するチャフを紀伊の周りにばら撒いているのだった。

無論2045年の戦艦紀伊にそんなもの気休めにもならないといいたいが

現在紀伊の積んでいるミサイルは日本の工場で初期生産で作られたもので電子防壁が施されておらずその結果ミサイルの命中率が大幅に落ちているのだった。

電子防壁がついたミサイルは現在日本の工場で作られているはずである。

もちろん紀伊そのものには電子防壁が施されているので紀伊のレーダーシステムなどの

機能に影響はないがしかし、イージスの盾が今鉄の盾になってしまっている状況にあった。

それに加えて5000の航空攻撃である。

いくら紀伊とはいえ大ピンチであった。

「右舷に雷撃!直撃コース!」

「急降下爆撃来ます!」

同時のその命令に日向は

「取り舵!前部速射砲で叩き落せ!」

きわどいところで魚雷が紀伊の右を通り過ぎていった。

急降下爆撃機のドーントレスは速射砲が上を向き叩き落す。

今、紀伊の火力はこの速射砲とバルカン砲が正確な兵器となっていた。

ミサイルは撃ち続けているが30発撃てば半分当たればいいという状態であった。

「ちっ!読み違えたな!アメリカ軍がここまで早くチャフを使ってくるとは!」

日向が舌打ちした。

「長官!いくらなんでもこのままでは!」

古賀が声を荒げて言った。

「大丈夫だって。俺に任せておけ」

「左舷に雷撃4!さらに前部から魚雷1!」

緊張した声がCICから上がってきた。

「面舵一杯!かわせ!その後60ノットまで増速!」

「了解!」

真珠湾を壊滅させて逃走する紀伊であったがまだまだ、敵の航空機の攻撃圏外まで離脱することは出来そうになかった。




その頃上空ではハリアー10機が1000機以上はいようかというグラマンと必死の

空中戦を行なっていた。

いくら性能に差があるとはいえその戦力差は100倍以上である。

ハリアーは高速を利用してバルカン砲ですれ違いざまに攻撃するしかなかった。

「くそ!数ばかりごちゃごちゃと!」

小川大尉はハリアーのバルカン砲でグラマンの1機を撃墜していった。

すでにミサイルは撃ちつくしてバルカン砲のみで戦っていたがそのバルカン砲も

弾切れが近い。

日向長官の命令では弾を撃ち尽くしたら西へ飛ぶように命令されていた。

戦艦『紀伊』は今雷撃や急降下爆撃の攻撃を高速を利用して右へ左へとかわし続けている。

高速戦艦を操っているとはいえ見事な回避運動だった。

その時ハリアーの操縦席についている赤いランプが灯りバルカン砲を指す部分が真っ赤に

なった。

弾切れである。

周りを見ると他のハリアーも次々と西の方角へと進路を取っている。

小川大尉は紀伊を見ながら

「紀伊…死ぬなよ」

と、敬礼すると西の方角へとハリアーを向けた。




「逃がしはしないぞ!」

グラマンのパイロット達はこぞってハリアーを追おうとしたがそれは

上官に止められた。

「馬鹿野朗!命令を忘れたか!?あの戦艦以外には目もくれるな!グラマンじゃあの

ジェット戦闘機には追いつけん!」

チェスター=二ミッツが下した命令。それはもし、ジェット戦闘機が逃走に移れば放置し

全力を挙げて敵戦艦を撃沈せよである。

名将の1人に数えられる太平洋艦隊司令長官の判断は正しかった。

チャフによるミサイルの弱点を突いた指示も見事の一言に尽きる。

「ジャップ戦艦を海の底に叩き込め!」

ジェット戦闘機という障害のなくなった全航空戦力は紀伊目掛けて四方八方から殺到した。

そして、絶対に交わせない攻撃。四方からの魚雷、上空からの爆撃、海面すれすれや上空からロケット弾が綺麗に編隊を組んだアメリカ航空機から一斉に放たれた。

それはどんな名将であろうと誰であろうと絶対に交わせない。100ノット出せようが1000ノット出せようが絶対に交わせない必殺の1撃であった。




紀伊の艦橋で悲鳴が上がった。

四方八方からの攻撃の報告をCICが悲鳴のような声で告げた。

その時日向は立ち上がると何かを怒鳴った。

大爆発が起こる。四方八方からの魚雷や爆弾、ロケット弾が一斉に目標に当たり爆発した音だった。

すさまじい爆発音が太平洋の海に轟き黒煙が紀伊がいた場所を覆っていった。

最後に言っておく。

紀伊の装甲は耐えられない…そして…イージスシステムも…作動しなかった…


明「なっ!う、嘘でしょ!凛!生きてるなら返事をしなさい!死ぬなんて許さないわよ!凛!返事をして!」


作者「ご意見…感想をお待ちしております…紀伊よ…」




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