第201話 日本機動部隊壊滅!? 連合艦隊突撃セヨ!
「もう一度言ってくれないか?」
黒島は報告してきた兵士に静かな声で言った。
艦僑はしんと静まり返っており戦闘中なのが嘘のようであった。
「はっ! 」
その兵士の報告をまとめるとこうだ。
小沢率いる機動部隊の艦載機は7割以上を撃墜され引いた。
だが、彼らが引いたのはオアフ島であった。
悪夢の報告……
それは
「空母が全滅しただと?」
「馬鹿な……」
参謀の一人が呆然と呟いた。
「確かなのか?」
再び聞くと報告に来た兵は間違いありませんと言った。
空母はレーダから消えたのだろう。
それが意味するのは撃沈である。
『瑞鶴』『翔鶴』『紅龍』『信濃』
日本の名だたる空母は壊滅した。
「しかし、機動部隊には村雨がいたはずだ。村雨はどうなった?」
黒島が聞く。
「連絡はありません」
「すぐに確認させよう」
航空参謀が鼻息を荒くして言った。
「長官! どうしますか?」
参謀達は奇跡を起こす軍神山本を見た。
絶望的な状況で頼れるのはもはや彼だけなのだ。
「……」
山本は腕を組み目を閉じていたがやがてかっと開いた。
「敵機動戦艦との距離は?」
「8万です!速力は30ノットと機動戦艦にしては低速です」
8万、大和の主砲46センチ砲の4万5千である。
射程まで後少し。
「よし、あれをやろう。全艦に通達だ」
「あれをやるのですか?」
参謀の一人が言った。
「ですがミサイルを撃たれては……」
「ミサイルはこん」
山本が言った。
黒島はなぜわかるのだと思ったが口には出さなかった。
余裕もなかったからである。
「了解いたしました! 艦長!聞いていたな」
参謀が有馬を見る。有馬は頷くと椅子に座った。
黒島達もシートベルトを閉めた。
「と〜りか〜じ!」
「とーりかーじ!」
航海長の言葉に合わせ武蔵がぐぐぐと曲がり始めた。
武蔵の後方からは長門、金剛と続く
「ジェットエンジン点火!」
「ジェットエンジン点火!」
どーんという音を立てて武蔵を始めとする戦艦が増速していく。
戦艦の周りでは駆逐艦が波に揺られながら同様に追撃する。連合艦隊の突撃である。
その姿はまさに圧巻。
戦艦は存在するだけでも、他者を圧倒する王者の風格を備えている。
その戦艦が高速で、しかも、10隻以上の戦艦が突撃してきたら誰もが仰天するだろう。
「30ノット……35ノット……」
武蔵の航海長が速力を読み上げていく。
「長官! Z旗を上げましょう」
黒島が言う。
Z旗は連合艦隊にとって特別な意味を持つ旗である。
意味は
『皇国ノ興廃コノ一戦ニアリ各員奮闘努力セヨ』
である。
それがあるだけで士気が上がる特別な旗。
まさに、今こそ掲げる時ではないかと黒島は思った。
しかし、山本は首を横に振る。
「必要なかろう」
「なぜです?」
黒島は憮然として言った。
それは、他の参謀も同じだったらしく山本を見つめる。
一体どんな理由があるというのか……
「簡単な理由だ」
ごくりと誰かが唾を飲んだ。
「加速中だからな。タイミングも悪い」
「では、加速が終われば……」
「その時には、砲撃戦に突入してるよ」
「!?」
そう、連合艦隊はZ旗を掲げるタイミングをなくしたのだ。
「48ノット!」
ついに武蔵が最高速力に達した。
(さて、お手合わせ願おうか機動戦艦)
口に出さず山本は思った。
京子「なんと! 機動部隊が壊滅じゃと!」
作者「なんてこった!」
京子「どうするんじゃ! 小沢の艦隊は演習のため正規空母が集結しておったんじゃぞ」
作者「これで日本の正規空母は独立機動艦隊を除いて大鳳だけか」
京子「あと軽空母じゃが……新規の空母はまだできんのか?」
作者「雲龍型が間に合うかは微妙だね」
京子「汝ぇ!」
作者「ぎゃああああ!」
ズドオオオオオオン
京子「どうするんじゃ……」
作者「いやぁ、痛いなぁ」
京子「ふん、更新が遅いくせに復活だけは化け物じみおって」
作者「何せ明日再び第1次試験海域に突入するからねぇ」
京子「……書いてる場合ではなかろう」
作者「ハハハ、やってるよ。気分転換に書いてて結局5日かかったんだよ。本来なら3日もかからないのに」
京子「どうせまた、落ちるじゃろう」
作者「う……まあ、簡単に受からないけど……ヴォルがいるだろうし……」
京子「まあ、努力せい」
作者「へーい」
京子「やる気が感じられんわ! たわけぇ!」
作者「うぎゃあああああ!」
ズドオオオオオオン
京子「努力せぬものに未来はないのじゃ。我も努力して機動戦艦を撃滅してくれよう。さらばじゃ、みなのもの」