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第200話 大空のサムライ空に散る?

ドイツ機動戦艦が現れたと報告があった頃、戦艦を主力とする連合艦隊は真珠湾のあるオアフ島より西250キロ、カウアイ島より南50キロの位置にいた。

旗艦武蔵と機動戦艦との距離は約10万、キロでいうなら100キロである。

紀伊のトマホークの射程が450キロだから、連合艦隊は同じ兵器かそれ以上の兵器を持つであろうドイツ機動戦艦の射程距離にすっぽり収まってしまっている。


その頃、小沢 治三郎率いる第1航空艦隊は真珠湾より南に250キロ、ハワイ島より270キロの沖合で演習を行っていた。

参加している空母は『翔鶴』『瑞鶴』『信濃』『紅龍』型空母3隻、『青龍』の7隻が参加していた。

旗艦はイージス艦『村雨』である。

日本海軍の伝統に従うなら空母に旗艦を置くべきであるが村雨のレーダーや武装は独立機動艦隊の艦船に匹敵する性能があった。

もっとも、あまりに高性能すぎて完全な整備は、琉球基地か独立機動艦隊の人間に手伝って貰わないとできない状況であっが……



小沢は機動戦艦確認の報告を聞くと落ち着いた声で言った。

「よし、攻撃隊を出そう」


「予定通りですな」

参謀長が言った。


小沢はにやりと笑った。


「命令は徹底させているんだろうな?」

「はい、大丈夫です長官」










小沢艦隊所属の航空機は次々と空母を飛び立って行く。

元々実戦に近い演習をしていたので出撃は迅速であった。


発艦したのはジェット戦闘機竜神である。

それに続きレシプロ機の姿もあった。

艦攻の『天山』である。

史実でもこの航空機と同名の航空機は作られたがこのレシプロ機も未来の技術を取り入れた航空機である。

具体的にに言えば脱出装置の設置や防弾設備の増加などがあげられる。

エンジンも史実のものとは違いパワーアップが所々に見受けられた。

では、なぜレシプロ機なのか?

理由は単純でジェット戦闘機には魚雷の搭載ができないのである。

航空機から魚雷を投下しようとしたらどうしても海面まで降下しないといけないしある程度減速しなければならないが竜神は制空権を維持するために開発されたものでこれには向いていなかった。

空対艦ミサイルは確かにあるが対艦ミサイルは戦艦のような重装甲が相手だと効果的な一撃は難しかった。

その点、魚雷だと水中で爆発するため戦艦にも効果的にダメージを与えることができたのである。

航空攻撃には『戦闘機』『雷撃機』『爆撃機』の3つがあるが竜神が戦闘機と爆撃機を兼任するため各空母には竜神と天山のみが搭載されることとなった。

とはいえレシプロ機とジェット戦闘機とでは速度が違う。

そのため護衛用に改造された零戦が一部だが残っていた。

この零戦も当然改造されているのである意味では別物であるが『零戦改』と呼ばれていた。

分かりやすく性能を比較するなら第2次世界大戦の最優秀機ムスタングに匹敵する性能である。










高速空母として生まれ変わった翔鶴からは次々と竜神が飛び出して行く。


エレベーターからジェット戦闘機竜神が上げられカタパルトにセットされる。

戦闘機の後ろには噴射熱を防ぐジェット・ブラスト・リフレクターがセットされ発艦の用意が整う。兵士が旗を振りながら発艦できると合図を送った。


蒸気式カタパルトから竜神が勢いよく射出され上空に待機していた機と編隊を組んで敵艦へと向かう。

音速を越えた早さである。

竜神は朝鮮戦争でミグと互角以上に戦ったセイバーを元に開発された戦闘機であった。

武装は20ミリ機関砲2機に対艦ミサイルを5発つけることができる。

現在の日本の主力戦闘機である。

現在、日本では竜神の後継機が開発中であるがこの戦争に投入できるかは微妙であった。


「よし! 行くぞ!」


大空のサムライと言われた伝説のパイロット坂井の言葉で竜神の編隊70機が敵艦をも目指す。

第1次攻撃隊である。

続けてカタパルトには天山と零戦改が引き出される。

新日本海軍の攻撃はまず、ジェット戦闘機で敵を圧倒し、艦攻で留めを刺す戦法を取っていた。










翔鶴の艦魂、楓は空を見上げながら飛行音を出す航空機を見ながら呟いた。


「さて、どうなるかしら」


その、顔には心配の表情はなかった。










戦艦武蔵の艦僑に慌てた兵士が飛び込んできた。


「長官!」


「どうしたのか?」


参謀長の黒島が聞いた。


「はっ! ドイツ機動戦艦後方より敵編隊接近!数は100機、接敵まで20分!」


ざわと艦僑が騒がしくなった。


「空母がいるということか……」


「あるいは航空戦艦……いや、航空潜水艦ですかな?」


「艦長」


黒島が有馬を見た。有馬は頷くと


「対空戦闘用意!」

警報が響き渡り兵の動きが騒がしくなる。

いままでは対艦戦闘の配置であったが対空戦闘のなるとまるで違う。

兵達は機銃のある場所まで走らないといけないからである。

「こちらの航空援護は!」


黒島が怒鳴った。


「竜神の編隊が攻撃に向かっています。約10分後に敵航空隊と接触するものと思われます」


「長官!」


「……」


黒島は山本を見たが山本は何も言わない。


「長官!指示を!突撃しますか?」


再び黒島が聞くが山本は黒島を見ると



「指揮は君に任せる黒島参謀」


「なんですって!」


黒島は仰天した。

山本長官は何を考えてるのか。

しかし、山本はなにもかも言わずに窓を見ている。


「くっ! 全艦に輸形陣を敷くように指示を出せ! 近づいてきたら対空ミサイルで迎撃せよ」


「駄目だ」


「はっ?」


黒島は耳を疑った。

「対空ミサイルの使用は禁ずる。全艦に徹底させよ」


「し、しかし……」


「命令だ」


「はっ、は……」


黒島は頷いた。

一体山本長官は何を考えてるのだと思いながら……










日本の名だたる戦艦部隊は戦艦を中心として輸形陣を敷く。100隻近い大艦隊である。

その光景は圧巻であった。




ところで日本海軍に採用されたミサイルは名前を変えようという意見があった。ミサイルを噴進弾としようという意見もあったがミサイルという名前は残された。

しかし、ミサイルの名称は変わった。

武蔵や他の艦船に搭載されているミサイルは全て対空ミサイルである。

これは今の日本の技術では遠距離の敵を攻撃する対艦ミサイルの開発が困難だからであった。

そのため対艦ミサイルは航空機に限定し戦艦や駆逐艦には対空ミサイルを装備させた。

これは、熱探知ミサイルあるため敵が近づいてこないと使えないがアメリカ軍の雷撃機などに対しては非常に有効な兵器であった。

日本海軍ではこの対空ミサイルを火龍と名称を付けていた。独立機動艦隊のシースパローには及ばないが優秀なミサイルである。


そのミサイルを使うなという山本の考えを黒島は理解することができなかった。

そして、武蔵の艦魂桔梗もそれを理解することができなかった。


「何考えてるんや山本長官」


「ん?」


山本は口元に笑みを浮かべたまま振り返った。

そして、桔梗ははっとした顔で


「まさか山本長官……」


すると、山本は指を口に当ててシーっと桔梗に口止めした。

「……」


桔梗はため息をついてその場から消えた。










『瑞鶴』『翔鶴』『信濃』を始めとする機動部隊の艦載機で構成される第1攻撃隊70機の竜神は航空レーダーに敵編隊を捕らえた。

数は100機である。


「瑞鶴隊は右、紅龍隊は左の敵を相手にしろ! 青龍隊は正面突破! 残りは敵艦へ向かえ」


攻撃隊の隊長の指示に従い、竜神の編隊は4つに別れた。


見事な編隊飛行であった。


大空のサムライ坂井の乗る竜神は敵艦を目指すが敵は坂井達をブロックする位置につこうとしていた。


「面白い、やってやる」


坂井は僚機についてくるように指示を出してから敵編隊に突っ込んだ。

ジェット戦闘機の戦いはすれ違い様の一撃である。

だが、両者ともロックオンされることもなくすれ違う。

坂井は竜神を旋回させて加速する。


敵も同じように加速する。

やはり、相手の方が早い。


「やろ!」


坂井はミサイルをロックオンしようとするが油断があった。はっとして空を見上げると太陽を背にした戦闘機が突っ込んでくる。


「しまっ……」


戦闘機が機銃を発射した。

坂井の乗る竜神のコクピットに赤いものが飛び散った。




その戦闘機のパイロットは坂井機とすれ違い体制を立て直してから呟いた。


「1機」


京子「ん?何か可笑しくないか?なぜ、小沢や山本は笑っておるんじゃ?」


作者「ヒャハハハハ!教えてやらねえ」


京子「なんじゃふざけた言い方をしおって」


作者「ヒャハハハハ」


京子「ところで話しは変わるがついに200話じゃな。あの、呪いが解けるはずじゃが……」


作者「200話突破記念やるよ!せっかくだから大和(伊)とか翡翠さん呼ぼうかな」


京子「わ、我は行かんからな」


作者「そんなこと言わずに」


京子「う、いやじゃ……というかあの凛を呼ぶ気か?」


作者「ハハハ、作者である私は記念話限定で時を操れる!つまり明様が死ぬ前の頃にタイムマジックをかけるのだ」


京子「ほう」


作者「というわけで次回は200話突破記念!『さらばネコミミまた会う日まで』をどうぞ!大和(伊)と翡翠も出るかも」

京子「勝手に出してよいのか?」


作者「仲いいし、極上艦魂会の司令長官になったからいいの」


京子「ぬう……」


作者「そうだ、京子様もこのネコミミを」


京子「伊東は大和(伊)零戦は翡翠、そして草薙、汝は……」


作者「ん?」


京子「汝が変態かぁ!」


作者「ネコミミは最高だぁ」


ズドオオオオオオン


京子「大うつけが!」


次回、200話突破記念話やります!本編とはまったく関係ないので見たくない人は見ないようにして下さい。

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