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第197話 ドイツの力

食事から戻って来たドミニク達は再び午前中と同じ位置に戻る。

ちなみに、ドミニクは運よく食堂で働く桜のケーキを食べることが出来た。

もちろんナンパして彼方に殴られたのは言うまでもないない。



「未来の話はまあ、こんなとこでいいだろ?」


「そうね。下っ端のあんたが知ってることはあまりないだろうし……じゃあ、次はドイツはどれだけの未来の艦が転位してきているの?」


彼方が聞いた。

ドミニクは再び入れられたお茶を手錠をかけられたまま口に運ぶ


「ああ、いいぜ。とりあえず知ってるだけあげてやるよ。そこの下っ端君。ちゃんと記録しろよ」


ドミニクはパソコンで記録をとっている兵に向かって言った。


「はい」


兵士は答えると聞き逃さないように真剣な顔でパソコンのモニターを見た。


「偉そうね変態のくせに」


彼方はゴミを見るような目でドミニクを見て言う。


「なあ、彼方ちゃん……だんだん、俺の扱いがひどくなってるような……」


「いいから早く話して」


「へいへい、んじゃあ、まず、機動戦艦から行くぜ」


それはまとめるとこうなる。


機動戦艦


フリードリッヒ・デア・グロッセ


ビスマルク2世


ベオウルフ


ジークフリート


ラグナロク


ヘイルダム


グングニル


トロンベ


ローレライ


カイザー


フェンリル



原子力空母


グラーフ・ツェッペリン


ヨルムンガルド


オーディーン


ユグドラシル


ドラウプニル




潜水空母


アースガルド


ファフニール



イージス艦 ニヴルヘイム



「まあ、機動戦艦11隻、空母型7隻、イージス艦が1隻の計19隻だ」


「……」


「……」


ドミニクの説明が終わり彼方達は絶句していた。


戦力が違いすぎる。

日本は改装した大和を加えても


機動戦艦


紀伊


三笠


大和


原子力空母


蒼龍


飛龍


赤城


加賀


機動戦艦 3隻


原子力空母 4隻


倍以上の戦力差がある。

ドイツの機動戦艦は2隻が撃沈されておりイージス艦を除いても16隻。

機動戦艦だけの差は3対9。

戦力差は日本の3倍原子力空母の数も日本が4でドイツは6。


「何なのよその数……」


彼方はつぶやいた。

「まあ、当然だな。ドイツは日本の独立機動艦隊を意識してこれだけの艦を揃えたんだ。それに俺も詳しくはないが既存の艦やろかくした艦改装の改装も行われている」



つまりは、日本の連合艦隊の艦艇のような改装が行われているということである。


「……」


無言がその場を支配した。

それほどまでに戦力差があるのだ。

補充や新たな艦を作ることが出来ない以上、既存の戦力で対処しなければならないのである。


「ああもう! ずるいわよあんた達! こっちの力を知ってて倍以上の戦力を送り込むなんて!」


彼方はドミニクに向かい怒鳴る。

ドミニクは手を前に出しながら


「い、いや、俺が送り込んだんじゃないし! んな怒るなよ」


「怒りたくもなるわよ! 」


彼方はため息をついて椅子に座ると隣に座る凪を見た。


「凪、あんたの意見は?」


凪もまた、静かに首を横に振った。


「作戦を決めるのは日向長官達だけどドイツの艦が紀伊と同性能なら正面から衝突したら日本に勝ち目はないよ彼方」


「でしょうね……」


凪はパイロットだが未来において戦闘機乗りは核ミサイルでも使わない限り機動戦艦を倒すことはできないのだ。

理由はバリアシステム。つまり、アイギスの実用化である。ミサイルや砲は効かないのだ

2042年の機動戦艦はまさに無敵の存在であった。

もっとも、通常攻撃が効かないためにアメリカを始めとする国連軍に核ミサイルの使用を選択させたのも機動戦艦の存在であるから皮肉なものである。


「うーん……」


彼方は何やら考え込むようにして腕を組んだ。

作戦は専門外だが兵器開発を始めとする能力では彼方は頼りになるが今回はそう簡単にはいかない。


凪もまた、考えてみたがこの圧倒的な戦力を埋める方法は一つしか思い浮かばなかった。


『核』の使用である。

日向長官を始めとする上の人々は核兵器は一度しか使用しないと言っている。

予定では、ロスアラモスの原子爆弾研究所に、撃ち込むことになっているがその意味は人類に核兵器の破壊力を知ってもらうことと、その後の未来で核兵器を二度と使用させない楔を撃ち込むことにある。

尾張が核ミサイルを使用しなかったのも使用すればその意義が失われてしまうからに外ならない。

核兵器は実戦で使ってはならない。

核で敵を圧倒すれば間違いなく複数の国家が存在する未来では核兵器を人はもとうとするだろう。

人類のためにも核は使えないのだ。

だが、やはり凪にはそれ以外の方法は思い浮かばない。


「……」


凪は上官の小川大尉を見たが彼は黙ってドミニクを見つめていた。










ドミニクの尋問が終わり、考え込みながら去っていった彼方と別れ凪は小川を追った。


「大尉!」


凪が呼び止めると彼は振り返った。

むっつりとした無骨という言葉が似合う男の目は凪を捕らえる。


「なんだ?」


「先程の話ですが大尉はどう考えてるんですか?」



圧倒的な戦力差の話である。

小川は凪を見たまま


「あまり、口外はするな。いずれ、日向長官から、正式に独立機動艦隊全体や大日本帝国にも通達されるだろうが今は黙っておけ」


小川はそれだけ言うと再び通路を歩き出した。

凪はその横に並び歩く。


「下士官はな……」


歩きながら小川が口を開いた。


「上官の命令に従っていればいい」


短いが軍人にとっては分かりやすい答えだった。


「勝ち目がなくてもですか?」


「あいつは100%敗北する戦いはしない。日向長官……いや、恭介は例え99%負ける戦いがあるとしても1%でも勝率をあげて勝利を掴む奴だ。中尉、お前は核ミサイルを使用するのではないかと考えてないか?」


「…っ!」


凪はぎくりとした。

小川は目をつぶり軽く息を吐いた。


「俺達は神ではないが可能な限り戦後の世界に責任を持たなければならん。歴史を変えるんだからな」



ドミニクの話では日本がアメリカに大勝利した結果、世界は変わったものの戦争は形を変えただけで無くならなかったという。


争いは永遠になくならない。

人が2人いたら必ず2人は争うのだ。

だから、争いは無くならない。

争いの延長である戦争もなくならないのだ。


「責任……でも、大尉……勝つためには私達は戦わないといけません。ドイツはその戦争を無くそうとしていると聞きました。私達日本は日本を守ろううとしていますが戦争を無くそううとはしていません。間違っているのは私達なんじゃないですか?」


凪は揺れていた。

日本は確かに守りたい。

だが、100年、200年後の世界が戦争がない平和な世界になるならその平和を壊そうとしている自分達は悪ではないのかと……


「……」


小川はしばらく凪を見ていたがやがて


「それを決めるのはお前自身だ中尉。だが、迷ったままではお前は死ぬぞ」


小川はそれだけ言うと早足で歩き去った。

後に残された凪は何も言えずその背をただ、見送るしかなかった。


「分かってはいます大尉……戦わないといけないことぐらい……」


父や母が愛した日本を守ること。

凪はそれを未来で誓ったのである。

凪は顔をあげると格納庫に向かい歩き出した。










所で、ドミニクはというと監視つきではあったがようやく捕虜から彼方の従兵となった。

元パイロットでもあるので凪とも交流があり女を口説きまくり彼方に殴られるのを兵士達はよく見るそうである。

京子「い、いくらなんでもあんまりじゃ」


作者「うわぁ……戦力差ありすぎ」


京子「貴様……何を考えとる?」


作者「ハハハ」


京子「これで全部なんじゃろうな?」


作者「フフフ……違いますよ。これはあくまでドミニクが知る戦力です。彼が知らないことは話せない」


京子「なんと!汝一体どれだけドイツを強化する気じゃ」


作者「いやいや、流石にもうほとんど出てますよ?言ってない戦力もそうはないですから」


京子「まことか?」


作者「多分かも」


京子「またかもかぁ!」


作者「ギャアアアアアアアア!」


ズドオオオオオオン

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