第179話 日独機動戦艦激突!新型砲弾『烈空弾』
『艦隊決戦』
失われた大艦巨砲主義者達の言葉。
2042年という未来の技術で作られた巨大戦艦の戦いは砲が勝敗を分ける。
1943年の海。
幻想は現実となり帰ってくる。
ついにきたその時、尾張の兵は緊張した声で言った。
「敵機動戦艦2、距離6万に接近!」
(2隻か…一隻は空母能力を持つ戦艦として恐らく…)
椎名は一瞬で考えをまとめる。
「対潜警戒厳となせ!砲雷長」
砲雷長の上坂はこくりと頷いた。
その顔を見ながら椎名はあの時のことを思い出していた。
「烈空弾?」
その話を椎名が聞いたのは機動戦艦の対策を考えていた時に天城から出た言葉だった。
「試作の兵器だ。砲弾の周囲にアイギスを展開させてアイギスとアイギスをぶつけアイギスを中和して砲撃を通す」
「そんなことが出来るのか?」
椎名が聞くと天城は頷いた。
「実験する暇は無かったが可能なはずだ」
「その烈空弾があればバリアは破れるんだな?」
「まあ、理論上は可能だよ。彼方の震電のために小型化したアイギスシステムをパクったしな」
「いいのか…」
「ハハハ、いいんだよ。たまにはパパに協力しやがれってんだ」
天城はカリカリと食わえたばこを噛みながらにやりとして言った。
ひどい父親である。娘の開発した品をパクったばかりか勝手に部品を使ったというのだ。
「ちゃんと謝れよ」
椎名が言うと天城はめんどくせぇと頭をかいた。
椎名はそれを呆れながらも見ていたが
「だがな椎名艦長。烈空弾は…アイギスはこの時代の部品じゃできないもんだ。震電のアイギス関連の予備パーツを使ってもせいぜい30発。今後の戦いを考えるなら尾張に搭載できる烈空弾は7発だ。紀伊や三笠、大和にも装備させないといけないからな。だが時間があればだ。今回は5発しか用意できなかった」
椎名は頷いた。
「ミサイルに搭載できりゃよかったんだがアイギスと推進装置の相性が悪くてな…おまけに大型になったから46センチ砲弾のサイズしか烈空弾は作れねえ。まあ、未来なら多少は小型化できるかもしれんがな」
つまり多少の改造は必要だが積もうと思えば武蔵や近江にも装備できる。
近江の場合はさらに砲を大型化しないといけないが…
独立機動艦隊の機動戦艦は皆46センチ速射砲を搭載している。
アメリカの戦艦に対しての装備だったが役に立つようだ。
「ありがとう天城博士。君のおかけで希望が見えた」
「さっさと片付けて酒でも飲もうぜ。もちろんあんたの奢りだ」
「ああ、約束だ」
天城と椎名は握手を交わした。
「ところで烈空弾の命名は…」
「ん?俺がつけたけど問題があるか?」
「いや…」
烈空弾。これがあればバリアを破れる。
「距離5万4千!」
上坂は判断を任されているため椎名の言葉を待たずに命令を下した。
「先制攻撃をかける!烈空弾装填、目標αβ、前部主砲2、撃ぃ方ぁ始め!」
「撃ち方ぁ!始めぇ!」
兵が上坂の命令を受け烈空弾という数の限られた弾を手動のトリガーを弾いた。明も時同じくして渾身の力で槍を振り下ろした。ドン
αを撃った46センチ主砲が巨大な薬莢を吐き出しながら一瞬で目標βに照準される。
ドン
切り札は放たれた。
「尾張発砲しました!」
「様子見という訳か?」
ローレライの艦長レスターは哀れに思った。
ローレライはアイギスを張っている。
アイギスを突破する方法は一つなのだ。
ローレライの艦魂も尾張が発砲したのを確認した。
無駄と歌おうと腹に力を込めたまさにその時、尾張の砲弾がローレライの薄紫のアイギスに当たった。
「!?」
その瞬間は一瞬であった。
アイギスと砲弾が一瞬止まったように見えた瞬間。
ズドオオオオオオン
「ぎゃああああああ!」
アテナは体に走った激痛に彼女らしらかね悲鳴をあげ脇腹から血を撒き散らして甲板に倒れた。
ズドオオオオオオン
同じような爆発を聞き横を見るとトロンベも黒煙を出している。
「い…い〜たい♪」
アテナは痛みをまぎわすように目に涙を浮かべながら言った。
明「どんなもんよ!」
作者「ワハハハ!見たか!日本の底力を!」
エリーゼ「甘いですね」
作者「何!」
明「どういうことよ!」
エリーゼ「私達は2042年より来たのです答えは出るんではありませんか?」
作者「ま、まさか!」
エリーゼ「それは次話で。全国100万の私のファンの方々。期待してください」
作者「いやいやないからないから」
エリーゼ「罰です」
作者「ぎゃああああああ!」
ズドオオオオオオン