第169話 近江炎上ス
『日本を守る』
『家族の元に帰る』
日露の戦艦はそれぞれの想い元激突を果たした。
ドドドドドドドドド
巨大な水柱が海をまきおこる。
後に『釧路沖海戦』と呼ばれるこの戦いは近江が優勢であった。
「10時の方角に敵重巡1!距離1万5千!」
「敵重巡に発砲炎!」
グワアアアアン
すさまじい爆発がおき近江を揺らした。
「う…」
零は右の腰に痛みが走り顔を歪めた。
振り返ると右舷のミサイルランチャーが破壊され燃えている。
対するスターリンは無傷。
「右舷ミサイルランチャー被弾!火災発生!」
「消化急げ!」
森下は指示を出すと共に拳をにぎりしめた。
「主砲1番2番撃てぇ!」
ズドオオオオオオン
近江の51センチ砲6門が放たれる。
風を切り裂き今、近江を傷つけガッツポーズを決めていた重巡の艦魂の顔が青くなり悲鳴をあげた。
ズドオオオオオオン
重巡は船体のど真ん中を51センチ砲に撃ち抜かれ撃ち抜いた51センチ砲は重巡の真横に巨大な水柱を立てた。
同時に重巡は轟沈する。
日本海軍の御家芸である夜戦であるが互いにレーダーを持っている状態では日本海軍有利とはいかないのだった。
戦艦スターリンの艦僑では参謀達が近江が被弾した様子を見みると歓声をあげた。
直後味方の重巡が消し飛ぶ。
今や敵との距離は2万もない魚雷はまだ届かないが主砲は完全に射程に収まっている。
この時点でロシア連合艦隊は
戦艦 1
駆逐艦 1
という有様でもはや艦隊としての機能は有していなかった。
ここからは完全に一騎打ちとなる。
この時点でスターリンの被弾はなかった。
近江は接近し駆逐艦や重巡を沈めた。
駆逐艦の最後の一隻を沈めなかったのは救助作業のためスターリンと距離が離れたためだった。
「12時の方向距離九千!」
スターリンと近江は今だしえる最大速力で9千の距離ですれ違った。
そして互いの砲の数こそ違うが近江は51センチ砲9門。スターリンは46センチ砲6門を互いに向けた。
そして二人の艦長は同時に叫び二人の艦魂は剣を相手に向かって振り下ろした。
「「撃てぇ!」」
ズドオオオオオオン
辺りになにもない海に雷鳴のごとし轟音が響いた。
ズドオオオオオオン
爆発が起こる。
「ぐっ!」
その時、零の足が…体が裂け血が飛び散り同時に零は悲鳴をあげて第1主砲の前に倒れた。
スターリンの46センチ砲が後部のジェット噴射口に飛び込みジェット燃料に引火。さらに、後部の航空燃料に誘爆し大爆発を起このだ。
スターリンもまたただではすまなかった。51センチ砲はスターリンの艦僑に飛び込み艦僑をへし折った。
更に51センチ砲は甲板を貫通し巨大な穴を開けた。
近江とスターリンは同時に爆発を起こした。
「う…」
アリシアも体のあちこちが裂けて血の海に沈んだ。
衝撃を受けた森下だったがシートベルトがついていたこてが幸いしすぐに状況を確認が可能だった。被弾したのは分かる。
「被害報告急げ!」
「森下艦長!か、舵と全スクリューがやられました!ジェットエンジンも使用不能です」
「それでは本艦はただの的ではないか…」
副長が上擦った声でいった。
森下は無視し
「敵戦艦は!」
「沈黙しています!」
みるとスターリンは黒煙をあげて右に傾斜している。
もはや動けないのか…しかし、こちらも今の誘爆で最悪大破しているかもしれない。
「艦長!今の衝撃で主砲発射不能!本艦が使える武装は機銃のみです」
今や近江は火の海とかしている。
主砲など撃てる状況ではなかった。
機銃すら怪しい。
不幸中の幸いは敵戦艦を仕留められたことか…
しかし、事態は最悪を見た。
慌てた様子の兵が艦僑に飛び込んできたのだ。
「か、艦長!レーダに反応!敵駆逐艦が突っ込んで来ます!」
「何!しまった!」
救助のために残していた敵駆逐艦だった。
いかに大和級といえ至近距離で魚雷をありったけ叩き込まれればただではすまない。
ましてや今の状況では…
森下は拳をにぎりしめた。
作者「えーと、突然ですが合格本島編は今回休みます。本編がすごいことになってるので。多くは語りません…彼女達の戦いは…釧路沖の戦いは…」