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第164話 竜の息吹

竜神の輸送船団接近の報告を聞き、ロシア連合軍はフォッケウルフに迎撃を命じた。

ロシア連合は空母を保有していない。

ドイツも空母はロシアにくれてやる気はないということだ。

どちらかといえば空母があるなら1隻でもドイツの戦力にしたいのだろう。


ロシア連合の北海道上陸軍は総勢60万、未だ、全ての人員の上陸は適っていなかったがすでに海岸を確保し橋頭堡を築き上げようとしていた。

何しろ日本陸軍は三八式歩兵銃に対してロシア連合軍は通常の兵士にまで機関銃が行き渡っている。

日本も機関銃の装備を急がせてはいたが何しろ全ては前線優先なので北海道の守備隊にはまだ十分にいきわたっていなかったのだ。

そのため、陸軍は上陸の水際の迎撃をあきらめて一時、釧路方面へ撤退した後増援と合流し再び航空隊と息を合わせてロシア連合軍と激突した。

幸いなことにロシア連合軍は戦車が十分に陸揚げされていなかったため海岸から離れた場所では日本軍が火力で押し切ることが出来た。

だが、それも制空権を握っているからこそ出来ることである


「なんて数だ!まるでイナゴだな」


大鳳の第1次攻撃隊の隊長新堂は舌打ちしながら各小隊に散開を命じた。

彼らの目的は輸送船団である。


「性能はこっちが上だ!」


新堂達の竜神は2機のフォッケウルフを振り切るとオホーツク海を埋め尽くすかと思われるような大船団を見て絶句した。

輸送船から無数の上陸艦艇が海岸を目指している。

海岸には上陸した兵達がまるで津波のように内陸へ向かい動いている。

輸送船団の周りには駆逐艦や巡洋艦の姿が無数に見られる。

巨大な艦影はなかった。


(戦艦や空母の姿はなしか…)


新堂は一瞬で見える範囲の船を確認すると攻撃隊に攻撃を命じた。


「攻撃開始!」


14機の竜神は一斉に対艦ミサイルや対戦車ミサイルを発射した。

大型の輸送船や陸揚げされている戦車である。


ズドオオン


グワアアン



対艦ミサイルを浴びた輸送船は断末魔の悲鳴を上げて沈んでいく。

もちろんその船に宿る艦魂と同じく…

戦場では珍しくない光景だった。

艦魂が見えないものはある意味では幸せかもしれない。

悲鳴を上げて死んでいくの少女達を見るのはまことにつらいのだ。


輸送船というのは脆弱な装甲のものが多い。

対艦ミサイルは戦艦のような重装甲の艦には効果が薄いが輸送船や駆逐艦といった

装甲の薄い艦には大変有効な兵器であった。


竜神に積み込める対艦ミサイルは限られているのでこれだけの数百を越える大船団を完全に撃滅することは不可能だった。

直ちに第2次攻撃隊を大鳳へ要請し彼らは大鳳へ帰還を始める。

本音を言えば機銃で味方の援護を行いたいところではあるが烈風のような垂直離陸が可能な戦闘機ならまだしもそれが出来ないジェット戦闘機は機銃での対地攻撃にはまったく向いていないのだ。

そういう仕事は攻撃ヘリの役割だが残念ながらこの時期、攻撃ヘリを保有してまともに運用できているのは独立機動艦隊とドイツの未来艦隊のみであった。

もちろん、開発は日本・ドイツ両国で行われていた。

技術面ではドイツが優れているので実用化するのはドイツが先を越す可能性が高い。


その頃、戦艦近江所属のパイロット青葉 淳一は偵察のため色丹島と多楽島の間にある色丹水道上空に指しかかろうとしていた。


両島ともロシア連合に上陸されてしまっているが烈風なら強行偵察が可能である。

メッサーシュミットの姿は今のところこの戦線に姿を見せていなかった。


「この辺りなんだね零?」


淳一は後部座席に座りレーダーを見てくれている近江の艦魂に言った。


「はい、この辺りです」


彼女は飛魂でもないのに淳一についてきてしまった困った艦魂である。

その彼女がレーダーに巨大な艦影を見つけたというのだ。

機動戦艦か通常の戦艦か…

それは目視で確認しなければ分からない。

恐ろしい高速でバリアを持っていれば機動戦艦である。

それに機銃の種類が分かればなおいい。

未来の戦艦のほとんどはCIWSが取り付けられているからだ。


「はー、やっぱり偵察なんて嫌だよな…艦長も烈風の大切さを分かっているのかな?」


烈風はこの時代の技術では絶対に作ることが出来ない戦闘機だった。

独立機動艦隊の琉球基地の工場でも部品の都合からある程度の修理は可能でも1から作ることは不可能な戦闘機だった。

2042年では日本の次期主力戦闘機になる予定だったが烈風は三笠に配備されているものを含めてわずかしかない。

日本が滅びるのが後、数年遅ければ烈風が神雷に代わり日本の主力戦闘機になっていたはずだった。

烈風はもちろん戦闘機であり偵察機ではないが航続距離は核パルスエンジンの使用により無限に近い航続距離を持っているのである。

まさに偵察にはうってつけの能力だった。


「淳一さんは偵察任務が嫌いなんですか?」


「うーん、好きでも嫌いでもないなあ」


「じゃあ戦闘は?」


「うーん…」


「はっきりいってください」


はっきりしない言葉をいい続ける淳一に対して零が言うと淳一はアハハと笑いながら


「そうだね、元々僕は戦闘機乗りとして海軍に入ったわけじゃないからね」


「じゃあ、なんで戦闘機に乗っているんですか?」


至極まともな質問である。


「空を飛んでみたいなって思っていたらたまたま適正があってジェット戦闘機の訓練を受けて他の人よりも操縦がうまかっただけだよ」


「それはすごいことです」


戦闘機のパイロット言うのはいわゆるエリートといっていい部類の人間だ。

特にジェット戦闘機はパイロットを選ぶし烈風クラスの戦闘機となればなお人を選ぶのだ。


「すごいかな?うーん…」


淳一が悩んでいるのを聞き零は再び口を開きかけたが顔色を変えた。


「12時の方角に見つけました淳一さん」


「見つけちゃったね」


彼らが捕らえたのは雲の下のいる艦隊戦艦『スターリン』を中核とするロシア連合艦隊であった。


「零!近江に敵艦隊の位置を」


「は、はい!」


戦いは新たな戦線を開こうとしていた。


兵士「か、艦長あれはなんですか!」


作者「た、太陽が見えない…なんだあの浮遊物は…」


兵士「き、巨大要塞…要塞好きさんもびっくりの大きさです」


作者「まるで島だ…」


兵士「艦長、敵から入電!」


作者「何!」


兵士「我は波動要塞『ジェネシス』、逃げていない奴らもいるようだが最終連合艦隊の諸君。君達はここまでだ。我がブラックホールキャノンとジェネシス砲により消滅してもらう」


作者「ぶ、ブラックホールキャノンだと」


兵士「艦長!敵より巨大なエネルギー反応!」


作者「と、取り舵!」


ドキュウウウウウウン


作者「うわああああ!」



シュパン


兵士「か、艦長!支援艦隊の一部が消滅しました」


作者「ぬう…今度はブラックホールを瞬間的に発生させるキャノンか…」


兵士「どうしますか?」


作者「やるしかない!砲撃始めぇ!」


キュイイイイイイン

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