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第160話 北海道攻防戦

千島列島を疾風怒濤の勢いで制圧しつつ制海権及び制空権を握ったロシア連合軍はその数にものを言わせて一体どこから調達したんだとばかりの数の上陸艦艇500隻を用いて能取岬の海岸線に殺到した。

沖合いには輸送船団と戦艦の姿もあった。

『スターリン』である。

スターリンから少し離れたところにいるのはイージス艦『ニヴルへイム』だ。

彼女がレーダーで敵の位置を報告しスターリンが46センチ砲を叩き込む。

他の旧式の元ソ連の艦からも艦砲射撃が海岸に浴びせられる。

本来ここを守っていたのは警備部隊の弱小戦力ではあったがロシア連合の樺太・千島攻撃により旭川の砲兵師団が駆けつけロシアの上陸部隊と死闘を繰り広げていた。

青森からも陸軍の師団が戦場に向けて急行していたが果たして間に合うか微妙なところであった。


ヒュウウウという腹の底に響くような音を聞き伏せろぉ!という叫び声を聞き慌てて地面にうずくまり口をあけた。

直後すさまじい振動が彼を襲った。


ズドオオオオン


まるで雷鳴のような音である。


「大丈夫か!森川!」


戦友が怒鳴る声を聞き森川は立ち上がった。


「大丈夫だ!」


彼のいるトーチカからは機関銃がバリバリと上陸してくるロシア連合の兵士達に向け放たれていたが敵の射撃は恐ろしく正確だった。

各トーチカや防御陣地は次々と破壊されていく。

そのあまりに悲劇的な戦況に少年とも言える年代の兵士が悲鳴を上げて言った。


「もう駄目だ!」


「馬鹿野朗!死にたいのか!」


少年兵が立ち上がったので上官は彼の頭を抑えて引き倒そうとしたが至近距離で爆発が起こった。


グワアアアン


爆風で2人は吹き飛んだ。


「うっ…」


ぐらぐらする頭を抑えながら少年兵、綾崎は立ち上がった。

奇跡的にかすり傷ですんでいるようだ。

前を見ると海岸から敵が上陸してくるが見えた。

彼が先ほどまでいたトーチカは破壊されてしまっている。

生き残った上官と一緒に他のトーチカに向かっている最中だったのだ。


「っ!」


敵の数は多くとても自分ひとりでは止められない。

彼は逃げようとしたがゴツと足に何かが当たったので見ると上官の首だった。

くわっと目を見開いて綾崎を見ている。


「う、うわあああああ!」


恐怖に駆られた彼の悲鳴を戦場だというのに聞きつけたロシア連合軍が機関銃で彼を撃ち抜いたのはそれから数秒後だった。

地面に倒れ血が草の地面に吸い込まれていく。


「お、かあ・・・さ…」


それが彼の最後の言葉であった。

ロシア連合の兵士は死体となった綾崎を踏み潰して進撃を続けるのだった。






北海艦隊は函館から出撃し太平洋に出た。

近江、大鳳と協力してロシア艦隊の対峙せよということだったが

事態は敵軍が北海道に上陸したことで急変した。

直ちに北海艦隊に出撃命令が出されたのだ。

北海艦隊に所属しているのは重巡艦隊であった。

旗艦は重巡『利根』である。

さらに重巡『筑摩』『足柄』

軽巡『長良』『球磨』に加えて駆逐艦4隻が所属していた。

彼らは命令を受けて直ちに北海道に展開する艦隊へ攻撃するために北上を開始した。

各基地から航空攻撃が行われているので制空権がない戦いではない。



バサバサと冷たい風を髪に受け、髪を揺らしながら北海艦隊の旗艦『利根』の艦魂は黙って北の空を見上げていた。

彼女達の進む方角には不吉を思わせるどす黒い雲が立ち込めていた。


「よくないことがおきなければいいのだが…」


利根の艦魂は軍刀を杖のように持ち言った。


作者「支援艦隊へ打電!直ちに第2次試験海域に進出せよ」


兵士「打電しました」


作者「敵は一次試験の比ではない!各員奮闘努力せよ」


兵士「突撃ぃ!」










二次試験海域にいる艦隊は一次試験より手強いという情報が戦艦草薙に入った。戦いは2月5日…支援艦隊は…戦艦草薙の運命やいかに

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