第154話 神の炎
原子爆弾研究所とは知らずただの基地のつもりで猛攻撃を仕掛けているロシア連合軍から
3万の兵が分離して向かっているのは報告のあった鉄塔が中心に立ち建物がある場所であった。
その周りは鉄条網で厳重に立ち入りが限定されているとの事だ。
戦車を前に押し出してロシア連合の機甲師団は鉄条網を踏み潰して鉄塔に向かう。
反撃はまったくといいほどなかった。
これはきっと敵が放棄した何かの施設に違いないと機甲師団の指揮官は思いながら
心躍らせて鉄塔がある場所へ猛進撃していた。
基地の方は苦戦しているようであるが自分達はあの建物をいただくのだ。
ソ連軍は囚人も兵として使っていたため兵の質は最悪だったが数だけは揃っていた。
今回歩兵として殺到する兵も囚人が多い。
それはロシア連合と名を変えても同じことだった。
「元帥、進撃は順調です」
「うむ」
元帥は自らT34の最新式の戦車に乗り進撃していた。
敵の反撃がないのだから楽なものである。
進め進めと声を浴びながら機甲師団が鉄塔と建物がある場所まで殺到した。
元帥が戦車で建物の前まで来ると歩兵が建物のドアを蹴破るところだった。
中から時計などの戦利品を持って出てくる。
「敵はいないのか?」
元帥が聞いた。
時計を持ってきた兵士は誰もいませんと答えた。
元帥は鉄塔を見上げた。
「これはなんだろう?」
同伴していた彼の部下は調べさせますと数人の兵を差し向ける。
その瞬間なぜか元帥の背筋がぞくりとした。
数件の建物があるだけで中央には巨大な鉄塔。
そして、鉄条網に覆われた厳重な立ち入り監視の施設。
兵が持っていた時計を見見ると時刻は11時59分10秒
「これは罠だ!」
元帥は怒鳴った。
兵がはっ?という顔で元帥を見る。
「引け!引くんだ!」
元帥のT34戦車が反転を開始し逃げようとするが悲しいことに進め進めと命令していたために
歩兵が邪魔で逃げられない。
「どけ!どかないか!」
ひき殺してでも逃げようとした元帥だったが彼の命運は尽きた。
兵が持っていた時計の針が12時丁度を指した瞬間彼らは悲鳴を上げることすらなく地上から消滅した。
数千の人間が一瞬で蒸発したのである。
高度2万5の上空で凪は12時を指す直前に目をつぶった。
エーリッヒ・ハルトマンもまた震電を追って1万5千の高空にいたが12時を指した瞬間に
すさまじい閃光が彼の視界を奪った。
「な、なんだ!」
「きゃあああ!」
ハルトマンとルチアは悲鳴を上げてその瞬間に直面した。
高度をとっていたために被害はないが目が見えない。
「今!」
凪は数秒目を閉じてから一気に震電を反転させた。
向かうのは基地の南である。
彼方の作戦は黒い戦闘機のパイロットの視界を原子爆弾の爆発の閃光で一時的に奪いその隙に撤退するというものだった。
彼方達は基地の南に逃れて撤退である。
一瞬黒い戦闘機を視界に納めながら凪は震電を加速させた。
後を考えれば撃墜したほうがいいのだろうが時間が惜しい。
決着はいつかつけると凪は思いながら原子爆弾の巨大なきのこ雲を背に回収ポイントに急いだ。
「うお!なんだありゃ!」
基地の南に走りながら原子爆弾の雲を始めてみるドミニクが言った。
「あれが原子爆弾。人が作り出した神の炎よ」
彼方は実験で止められなかったとはいえ人に対し原子爆弾を使用してしまったことに
心を痛めていた。
必要はあった。
この爆発は史実の長崎、広島と同じ効果を表してくれるだろう。
ただ、苦しむのが日本からロシア人に変わっただけの話…
勝てば正義。
それが、人の理なのだ。
数十キロ離れた場所から立ち上る巨大なきのこ雲。
距離が離れているのにここまで強風が吹いてくる。
その瞬間、日本兵もロシア兵もぽかんとしてその空を見上げていた。
強風で地面に倒されたりレシプロ機が墜落したりなどの被害も起こった。
性能の劣悪なフォッケウルフの何機かも視界を奪われて墜落するものが続出した。
だが、そんな被害があっても両者には何が起こったのかわからずにただ、その瞬間は
人の手には余る悪魔の…いや、神の炎を見つめていた。
<合格本島波高シ>
兵士「敵艦隊の全滅を確認」
作者「詳しくは感想で」
兵士「支援艦隊より祝福の打電が…」
作者「みんな…よくやってくれた」
兵士「やりましたね少将」
作者「ああ、被害は大きかったがこれで…」
ビービー
兵士「時空レーダーに反応!こ、これは!」
作者「なんだ!」
ビシャアアアアアア兵士「うわあああ!」
作者「な、なんだこの光は!波動砲か?」
兵士「艦長!今の光で支援艦隊の70%が消滅」
作者「馬鹿な…あ、あれは…」
兵士「超巨大戦艦…なんて大きさだ…10キロはあるぞ」
作者「みろ、やつの砲は全て波動砲とレールガンだ。ミサイルも…」
エリーゼ「終わりです」
作者「き、貴様は!」
エリーゼ「草薙…この強化された究極超戦艦『ヴオルケンクラッアー』の前に消えなさい。おや?波動砲ですか?無駄です」
作者「なっ!支援艦隊の波動砲を弾き返した。反射で撃った支援艦隊が消滅」
エリーゼ「大人しく闇に眠りなさい…紀伊の読者達」
作者「…」
兵士「少将ご命令を」
作者「砲撃用意…弾薬がつきるまで怒りをこめて撃ちつくせ!支援艦隊は撤退を許可する…」
エリーゼ「合格本島へはいかしません」作者「空間から空母と戦艦が…時空装置…底無し援軍の正体か…」
果たして草薙艦隊はエリーゼ率いる艦隊を打ち破れるのか…そして合格は?27〜29日を待て