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第148話 占守島守備隊壊滅す

その時間占守島周辺の海域はひどい吹雪に悩まされていた。

占守島にある国端岬の灯台は監視哨を兼ねている。

そのため4人ほどの兵士が常駐しているのだった。


「うう寒い…」


監視の交代の時間になり早川軍曹はがちがちと歯を鳴らしながら灯台の中にある部屋に入った。

そこにはストーブがあり外と比べれば幾分かましな空間であった。

灯台の監視の部屋はガラスに覆われており暖房は曇るからという理由で置かれていない。

この部屋はまさに彼にとって天国だった。

仲間の兵士もその部屋で毛布に包まって眠っている。


ストーブの上で手をすり合わせながら白い息を吐きながら服の中から妻の敏子ととった写真を取り出して微笑んだ。

彼がここに来る前に子供が出来たと妻から手紙が来たのだ。

彼はまだ会っていないがこうして写真を見ることでその想像は膨らむのだ。

写真を軽くなでてからさて俺も寝るかと毛布を取り出そうとした瞬間であった。


ズドオオオオンというすさまじい轟音が灯台をかき鳴らした。

寝ていた兵士2人が轟音に飛び上がった。


「な、なんだ!」


寝ぼけたまま辺りを見回す2人の兵士。吉川は上に様子を見に行こうとした瞬間警報が轟いた。

続けて交代で上がった葉山兵曹が降りてきた。


「敵襲です!これは砲撃です」


「ちっ!露助の野朗か!無電を打て急げ!」


ズドオオン再び轟音が轟き灯台がぐらりと揺れた。

ミサイルが直撃したのだ。


「う、うわああああ!」


灯台が崩壊していく。

崩れていく灯台の中で吉川は息子か娘かも分からないわが子と妻のことを思いながら瓦礫に押しつぶされた。

彼が子供の姿を見ることはなかった。



占守島攻略作戦はまず、艦砲射撃から始まった。

戦艦『スターリン』、この戦艦はかつてはルイジアナと呼ばれていたアメリカの戦艦で鹵獲されていたものをドイツが連合軍に引き渡したものだった。

戦艦を引渡しとは豪気なものだがドイツには悪魔のような艦隊が存在している。

旧式戦艦の1隻や2隻引き渡したところで痛くもかゆくもない。

仮に戦艦『スターリン』が反旗を翻したところでバルムンクを始めとして超兵器を持つ

ドイツの前には赤子同然である。

『スターリン』とは屈辱の名だ。

あえて敗北した国家のトップの名前を戦艦にあてがうとは何を考えているのか…

俺達は負けたのだという現実かみ締める屈辱の名でしかない。

スターリンの艦魂は無表情な艦魂であった。

全ての感情を捨てた。

自分が鹵獲されたあの日から…

そして、ロシアに引きたされた後も彼女は誰にも心を開こうとはしなかった。

今回の戦闘の相手は日本人である。

自分に乗るのはロシア人だがジャップを殺せるなら自分はかつての存在意義を取り戻せるのではないかと彼女は思った。


(ジャップを殺す…)


ゴウンゴウンと彼女の46センチ主砲9門が占守島に向いた。

敵はこの吹雪で気づいていない。

レーダー射撃である。

彼女の隣にいるドイツの駆逐艦と同時攻撃を仕掛けることになっている。

なんでもミサイルというものを装備した艦であるらしかった。

その名をニヴルヘイムという。


「時間です」


スターリンの艦長は参謀の言葉にうなずくと言い放った。


「攻撃開始!」


ズドオオオオン


スターリンの46センチ主砲とニヴルヘイムのミサイル、大陸よりのカノン砲の攻撃が始まった。

ミサイルの直撃を受けて灯台が崩れ落ちる。

島のあちこちで爆発が連鎖する。

特に基地があった場所にはミサイルが殺到した。

主要な施設はすでに分かっているのだ。

それにあわせて上陸艦艇500隻が一気に占守島を目指した。

航空機の援護は吹雪のためにない。

だが、それでもこの戦力差は絶大であった。

彼ら500隻が到着するまでに46センチ砲主砲が島に叩き込まれまるで地形を変えるかのような爆発が続く。

島の守備隊は完璧な奇襲を受けた。

敵はレーダーに映らなかった。

なぜか?

それはニヴルヘイムに搭載されているジャマーのせいであった。

機動戦艦に搭載されているアイギスシステムの副産物ともいえるものだ。

このニヴルヘイムは核機関こそ積んでいないが未来から持ち込まれて建造されたものだった。

イージスシステムを搭載されている。

日本で言うなら『村雨』が彼女と同格に当たる。

ニヴルヘイムはロシア連合軍を支援するためにここにいるのだ。


ろくに反撃も出来ずに壊滅した占守島の守備隊はそれでも残存戦力をかき集めて

ロシア連合軍を迎え撃った。

しかし、戦車などを多数は破壊されおまけにミサイルや46センチ主砲の援護射撃があるのだからたまらず次第に彼らは追い詰められていった。

虐殺。

ロシア連合軍の兵士達はまるで怒りをぶつけるかのように日本兵を虐殺して回った。

わずか4時間もかからぬ間に島の半分近くを制圧したロシア連合軍に対して玉砕もやむなしと司令官は考え出していた。



作者「航海長…合格本島へ向けよ」


兵士1「了解…合格本島へ向けます。とーりかーじ!」


兵士2「とーりかーじ!」


兵士3「全速!」


波を蹴散らして巨大戦艦『草薙』出撃










凛「で?何が始まったの?」


明「なんかね。試験が近づいてせっかくの更新だから大和沖縄特攻ならぬ戦艦『草薙』合格本島へ突入あとがきするらしいわよ」


凛「特攻って…絶望的ってこと?」


明「さあ?第1次試験で落ちたら合格本島へたどり着けずに撃沈で2次試験まで進めたら米戦艦と艦隊決戦に突入するみたいよ」


凛「アメリカが相手なのね…」


明「で、2次試験が突破できたら戦艦『草薙』は合格本島へ突入というわけね」


凛「わけわからないわ…」


明「まったく…」


凛「というわけで次回の更新は土曜になるわね」


明「どうせ轟沈よ」


凛「そうそう」



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