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独立機動艦隊『紀伊』―連合艦隊大勝利!  作者: 草薙
米太平洋艦隊大反撃
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第14話 艦隊決戦!戦艦『武蔵』咆哮す

「攻撃隊より通信!我敵空母壊滅に成功セリ」


通信士がそれを伝える。


「よし!全艦増速!Z旗を上げろ!」


Z旗の意味は日本海軍にとって特別な意味を持つものである。

その意味は


「皇国の興廃此の一戦に在り、各員一層奮励努力せよ」


である。

この旗を見て指揮のあがらない海軍兵士はいない。

空母は後ろに下げ日本戦艦部隊がグググと増速しハルゼー艦隊を目指す。




ハリー=ボーマン大尉はなんとしても敵に一泡吹かせないと気がすまないと思った。

ドーントレス爆撃機を含める第1次攻撃隊と第2次攻撃隊はグラマンを含めて200機である。残り300機の航空機は全て海に落とされてしまった。

しかし、ハルゼーの指示で帰る空母を持たない彼らはせめて一太刀を浴びせんと連合艦隊に怒り狂いながら目指していたのである。

しかし、そこに新たに『赤城』から発艦してきた100機の神雷が襲い掛かったのである。


「ちくしょう!」


ボーマン大尉は残りのロケット弾を全て前方から来る戦闘機に向かい放った。

他のグラマンのパイロット達も同様である。

バヒュウウウという音と共に200以上のロケット弾が放たれた。

まっすぐに神雷へ向けて飛ぶが敵は2手に分かれるとミサイルを発射した。


「く!」


その瞬間ボーマン大尉は風防を空けて外に飛び出した。

直後にボーマン大尉のグラマンがミサイルの直撃を浴びて吹っ飛んだ。

他のグラマンやドーントレスも同様である。

ミサイル攻撃は100発100中で面白いように堕ちていく。

ボーマン大尉はある程度落ちてからパラシュートを開いてその様子を情けない気持ちで見上げていた。


「俺にも…俺達にもジェット戦闘機があれば…ジャップなどに」




「攻撃隊壊滅しました…こちらの航空機は1機もありません」


「…」


まさに悪夢だった。

500はいようかという航空機が全滅し空母ももう1隻も残っていない。

ハルゼーは自分は夢を見ているのかと思った。

夢なら早くさめてくれと頭を抱えた。


「長官!敵が分かれました。戦艦と思しき艦隊が増速しこちらに接近してきます」


「なんだと!」


ハルゼーははっとなった。


「奴ら艦隊決戦をやらかそうというのか!」


それならまだ、希望はあるとハルゼーは思った。

敵にやられたのは空母と航空機だけで戦艦や重巡といった戦力はまだ、無傷で残っているのだ。


「艦隊決戦だ!アイオワを先頭にしてジャップ艦隊を潰す!全艦増速!まだ、我々は負けてないぞ!」


太平洋艦隊は増速する。

ここでハルゼー艦隊の戦艦を説明しよう。

旗艦はあの大和と最強はどちらかと並べられる戦艦アイオワである。

さらにニュジャージー、ニューヨークと他に10隻続いている。


「数はこちらが勝っているのだ!叩き潰してやる!」


気になるのは敵航空機の存在だがレーダーによれば空母と思われる反応はこの海域を

遠ざかっているらしい。どうやら艦隊決戦がお望みらしかった。


「敵艦隊視認できました!単純陣にて突っ込んできます!」


「お得意の東郷ターンをやらかすつもりだな!射程に入り次第攻撃を開始せよ!」

ハルゼーは完全に闘志を取り戻して顔を真っ赤にして叫んだ。




その頃、日本連合艦隊でもハルゼー艦隊を捉えていた。


「最大戦速!単純陣にて敵を殲滅する!」


山本の言葉で艦隊が横向きになる。

敵直前で横に舵を切るのはバルチック艦隊との戦いで東郷平八郎が取った有名な戦術の

一つで日本海軍にはおなじみの戦法だった。


「距離4万5千!武蔵射程に入りました!」


「主砲斉射!他の艦も射程に入り次第攻撃開始だ!」


ズズウンとすさまじい衝撃が武蔵を襲い46cm主砲が斉射された。

武蔵の初陣にして始めての対艦攻撃であった。




「敵艦発砲!」


「なんだと!」


ハルゼーは馬鹿かと思った。


「射程外から撃っても当たるわけがないだろう?連中は馬鹿なのか?」


距離はまだ4万4千はある。

アイオワもまだ射程に入っていないのに主砲を撃つとは届くはずがない。

ヒュウルルルル


「ん?」


突然なにやら腹の底に響くような不気味な音がハルゼーの耳に聞こえてきた。

そして

ズバアアアアアン

と、アイオワ周辺にすさまじい水しぶきが舞い上がった。

舞い上がった水しぶきがアイオワに降り注ぐ

それを聞いてハルゼーは仰天した。


「馬鹿な!なんだこの射程は!」


「敵艦発砲!」


「!」


再びヒュルルルという音がする。


「いかん!」


ハルゼーが怒鳴ると同時に後方で大爆発が起こった。


「なんだ!」


「ニュージャージに被弾!ああ!」


「どうした!」


兵の悲鳴のような声にハルゼーは怒鳴って言った。


「ニュージャージが轟沈しました!」


「なんだと!1撃でか!?」


ハルゼーは肝を冷やすとはっとした。

この威力、この射程。これは…


「奴の砲は46cm砲か!?」




「大和級戦艦の悲願がかないました長官」


武蔵艦長有馬は目に涙を浮かべて言った。


「うむ、今ここに大和がいないのが残念だが敵の攻撃が届かないアウトレンジ攻撃。

日向君がもたらしてくれたレーダー射撃のおかげで命中率も格段に上がっている」


山本も満足そうに言った。


「射撃を続行します!敵艦隊を海の底に叩き込んでやりますよ」


有馬は射撃続行を命令した。




「うわああああ!」


兵の1人が悲鳴を上げた瞬間戦艦ニューヨークが轟沈した。

1撃轟沈である。

46cm砲の破壊力にアメリカ兵は悲鳴を上げたくなっていた。


「くそ…まだ、射程に入らないのか…」


ハルゼーは顔を歪めて言った。


「長官!このままでは…」


「分かっている!」


ハルゼーがそこまで言ったときだった。


「距離3万7千!射程に入りました!


ハルゼーは拳を振り上げると叩きつけるようにおろして


「砲撃開始だ!他の艦も射程に入り次第撃つのだ!」


大和ではないがここに世界最強を決める戦艦の戦いが始まったのである。

勝つのは武蔵か…アイオワか…


凛「艦隊決戦?2045年じゃ見れない頂上対決ね。史実では大和級とアイオワ級は戦わなかったけどどちらが勝つのかしらね?次回予告は戦艦『武蔵』と『アイオワ』の頂上対決みたいね。ご意見・感想お待ちしておりますと」

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