第142話 幕開け
昭和18年2月20日、この日は原子爆弾研究所付近に配備されている兵士達は緊張していた。
実験の内容は兵には伝わってはいないが研究所より30キロの爆破ポイントには絶対立ち入り禁止命令が出されている。
しかし、それ以外に関東軍は緊張しているのはロシア連合軍の存在だった。
国境付近に集結しているもののその数は50万ほどに膨れ上がっている。
関東軍の総兵力はわずか30万なので先制攻撃を仕掛けるというわけには行かなかった。
それに実戦力は10万という有様である。
仕掛ければ返ってとんでもない事態になりかねなかった。
この実験には関東軍の総司令官である梅津 美冶朗大将と参謀長の笠原 幸雄も現地に来ていた。
現地入りしたのが実験翌日の朝だったので彼方と出会うのも初めてだった笠原と梅津はその年齢と女性ということに驚いていた。
彼方も彼らのことは資料で読んで知っていた。
笠原は沈黙の将軍と呼ばれ本土決戦を叫びながらも天皇に本土決戦は準備不足と
提言した男であり梅津は殺すな焼くな奪うなと三戎を守らせた男として知っていた。
「爆弾の実験なのに目標が遠いじゃないか」
笠原は彼方に原子爆弾の実験場が30キロ以上離れていることに関して質問する。
これでは見えないではないかと…
「原子爆弾は放射能やその破壊力の関係上から十分に距離をとらないといけません。1つで町を消滅させることが出来る爆弾ですからね。モニターで確認します」
彼方の先導で入った建物の中には理化学研究所のメンバーや技術開発所のメンバーがパソコンの前で最終調整に入っていた。
現在の時刻は午前10時である、
爆発は丁度午前12時を待って行われる予定となっていた。
やれることはすでに終わり後は爆発させるだけ。
爆発のポイントには鉄塔が建てられてその周りにはコンクリートなどで作られた建物などがある。
一方、凪は格納庫の中にいた。
震電の所である。
幸樹も隣にいる。
「こんなところにいていいの凪?」
震電の横でソラが言った。
彼女も暇なので座り込んでぼーっとしている。
凪は幸樹の方をとらりと見てから
「そうね…暇だね」
「はっ?なんでしょうか凪中尉?」
凪の言葉を自分に当てられた言葉かと思い幸樹が声をかけてきた。
当然といえば当然だが…
凪は首を横に振った。
「ううん、違いますよ。私はソラの声をかけたんです」
「ソラですか?」
幸樹は周りを見回した。
幸樹にソラの姿は見えないのだ。
彼女が見えるのは真のエースか似た存在の艦魂のみであるとソラから凪は聞いた。
艦魂が見える。
それは以前から凪は周りに言っているので今回も飛魂の存在を凪は隠そうとしなかった。
頭がいかれたかと思われるかもしれないが彼女達が存在することをきちんと凪は主張したいと思っているのだ。
「この震電の飛魂だよ。精霊のようなものかな?」
「精霊ですか?」
この時代SFやファンタジー言ったことからはかけ離れている時代である。
やはり言っても信じてもらえないかと凪は思った。
独立機動艦隊では結構見える人がいるので艦魂という存在はいるという空気なのだが…
「物の怪の類ですか?」
「殴っていいですか?」
にっこりとしてソラが言った。
凪は慌てて首を横に振る。
「だ、駄目」
その視線を追って幸樹がソラを見たが彼女のことは見えない。
「もしいるとしたらなんといったのです?」
「桜井さんを殴るって…」
「え?」
幸樹はあわてて頭を下げた。
「も、申し訳ありません!」
「分かればいいのです」
頭を下げる幸樹に対して言うソラ。
その光景を見て凪は笑った。
「アハハハ、桜井さんって面白い人ですね。普通は中々信じてくれないんですよ?精霊なんていっても」
幸樹は頭を書きながらその笑顔を見ていた。
「実は俺霊感が結構強いんです。満州に来る前に1度乗った輸送艦で消える女の子を見たりなんかして…」
艦魂だと凪は思った。
飛魂は真のエースしか見えないが艦魂は霊感が高ければ見えるという説があるのだ。
「それは…」
凪は最後まで言うことが出来なかった。
ウーーーーーーーーー
不吉を告げる音が原子爆弾研究所を防衛する基地全体に轟いたからだ。
「!?」
空襲警報だ。凪は反射的に立ち上がり幸樹もそれに続いた。
外に飛び出すと同時に爆発が轟いた。
空からジェット戦闘機が空の彼方から急降下して爆弾を落とした。
ズズウウン
爆発が起こる。
そこは原子爆弾を爆発を待つ科学者達がいる建物だった。
「彼方!」
凪は悲鳴のように叫んだ。
作者「新年あけましておめでとうございます」
撫子「おめでとうございます。皆様」
作者「やはり正月といえば和服の撫子様ですね」
撫子「あらあら、うふふ」
作者「それにしても年明けなのにあまり実感がないなあ…」
撫子「作者様はお時間があまりありませんから」
作者「ですね…」
撫子「がんばってください」
作者「努力します」
撫子「本編は大変なことになっていますね」
作者「さらば日本になるか…」
撫子「口惜しいです…私はハワイにいますから」
作者「ですね…大和は間に合わないでしょうね」
撫子「凛様や零達に日本の未来を託します」
作者「うーん、陸戦ですから凛様達に出番があるか…」
撫子「ないのですか?」
作者「黙秘する」
撫子「そうですか…残念です」
作者「そ、そんな悲しそうな顔をしないで撫子様!いいたいですが言えないんです!許してください」
撫子「皆様今年もよろしくお願いします」
作者「無視しないでぇ!」