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第139話 旧式対最新鋭

炎神はハワイ攻略作戦で旋回能力に問題がある戦闘機であることはすでに分かっている戦闘機であった。

それゆえに後継機である竜神のかわりにジェット戦闘機の練習機として各基地に配備されつつあった。

とはいえこの炎神は生産数も400機ほどなのでそう多い戦闘機数ではない。

満州に配備されている炎神も現役として使っている炎神も存在する。

何しろ時代遅れである隼をまだ現役で使っているところから見ても数はぜんぜん足りていない。

日本や満州の各工場では昼夜問わずに生産が行われている。

ベルトコンベアを使った最新式の工場ではあるが満州の工場はまだ動き出したばかりである。

こちらの工場からは優先的に関東軍に竜神や戦車の供給が行くようになっていた。

本土の工場からはハワイにに配備されている。

だが、それでも数が足りないのが現状であり南方方面は未だにレシプロ機が主力という悲劇が生まれているのだった。


凪の従兵を任された桜井 幸樹は大慌てで宿舎に飛び込むと彼方の部屋に走った。

部屋の前には護衛の兵が2人幸樹を見た。


「なんだ貴様は!」


当然といえば当然なのだが幸樹は呼び止められた。

彼は敬礼すると


「申し訳ありません。天城中将にお伝えしたいことがあります」


2人は顔を見合わせたが


「駄目だ駄目だ!中将はお疲れだ!用があるなら俺達が聞く。言ってみろ」


幸樹は言おうか言わまいか迷ったがまさか、模擬戦を止めてくださいなんて言えない。

言ってもおそらくこの2人は通してはくれないだろう。


「申し訳ありません。中将の眠りを妨げてしまい…」


あきらめるしかなかった。

2人の護衛の兵も満足にうなずいた。


「それでいい。貴様は確かあの神崎とか言う女兵士についているんじゃなかったのか?早く戻れ」


「はい…」


建物を後にした幸樹は滑走路に戻っり空を見上げた。

空には竜神と炎神が2機空に舞い上がっていた。














たこ上官(名前は挙げない)は空に舞い上がって模擬戦を開始してから相手の技量に驚きを隠せなかった。

いくらミサイルをロックオンしようとしても凪の炎神はたくみに動き回りロックオンを許さない。ジェット戦闘機の戦いは一瞬である。

相手の後ろにつく以外は一瞬の交差で全てが決まるのだ。


たこ上官はそれなりにジェット戦闘機の訓練を受けてそれなりにやるようになっていると思っていた。

だが、相手の女の炎神は本当に炎神かというような機動を見せて自分の後ろを取ろうとする。


「ありえん…」


女に負けるなどあってはならない。

それでは部下に示しがつかないではないかとたこ上官は思っていた。

再び竜神の性能差でなんとか炎神の後ろを取った。

この模擬戦ではロックオンしたほうが勝ちである。

ペイント弾は今はない。

四角いロックオンのマークが炎神をロックオンすべく動き回るが適わなかった。








さすがは、旧式というべきだろうか?

凪は始めは炎神に乗ったときその運動性能や加速の悪さなどの劣悪さを感じていかに

震電やハリアーなどの戦闘機が優秀であったかを感じた。

しかし、機体の性能だけが勝敗を分けるのではないと凪の父は昔、言っていた。

機体が優秀な方が強いと凪は昔は思っていたしそれが当たり前だと思っていた。


しかし、父は性能の劣る機体でも性能が上回る戦闘機に勝つ方法はあると凪に教えてくれた。

機体性能を限界まで引き出せる技量と瞬間的な判断力。

どれをとっても父は最高の戦闘機乗りだった。


「この程度の相手なら…」


未来では父に追いついたくてずっと父の戦闘機と模擬戦を行っていた凪である。

たこ上官の竜神は性能こそ上でそれなりに使えるようだがまだまだ甘い。


機首を上に向けて風が翼に当たる面積を増やしてやる。

それだけで炎神は急激に減速する。


炎神が減速したことにより後ろについていた竜神が前に出る。

凪は機体を立て直すとロケットの発射ボタンをロックして押した。


ピー

という音と共に撃墜の信号が炎神のコクピットに響いた。

勝負はついたのだ。









滑走路に降りた凪が炎神から降りるとたこ上官が怒りをあらわにしながらこちらに歩いてきた。


「貴様…」


部下の前で恥をかかされたことに怒りを感じているらしいがそんなこと凪には知ったことではないのだがさすがに違う指揮系統の場所でのこの行為はまずかったかもしれない…


「あ、あの…」


あっけなく叩き潰しておいてなんだが凪は戦闘機での戦い以外は結構気が弱い。

パイロットとして馬鹿にされることに関しては凪は怒る。

特にろくに確かめもしないで技量を疑うようなやからには特に怒りを感じているのだ。


「えっと…勝ちましたけど…」


たこ上官との約束はまけたら軍隊を去れである。

勝った以上もうこの場にいる必要はないのだが…


「許さんぞ貴様…」


もはや怒りでどうにかなっているのか本当にたこのように真っ赤になった。

たこ上官は額に血管を浮き上がらせて言う。

怖いと凪は思った。


「あ、あの…勝ったのは私ですが…」


それでも勝利は勝利なので主張して立ち去ろうと凪は思ったがたこ上官はそれが気に入らなかったのだろう。

いきなり殴りかかってきた。


「っ!」


凪は慌ててそれを回避した。


「何するんですか!」


この時代の軍隊では鉄建制裁が認められているから始末が悪い。

しかも、女に手を上げるなど見下げ果てた男である。


「そこまで!」


逃げ回っていた凪に聞きなれた声がしてそちらを向く。

たこ上官もそちらを見てふんと鼻息を鳴らした。


眠くて死にそうな顔の特別中将の階級を持つ彼方が護衛2人と共にそこに立っていた。






作者「実際シューティングスターとF14が戦ってシューティングスターに勝つ見込みはあるんですかね?」


凛「あるんじゃない?」


作者「まあ、たこ上官は油断も含めて負けましたけどね」


凛「頭にやかんをおいたら沸騰するんじゃない?」


作者「ワハハハハ!そりゃ面白い」


たこ上官「貴様…」


作者「ぎゃああああ!」


ダダダダダダ


たこ上官「まて!根性叩き直してやる!待てぇ!」


ダダダダ


凛「あーあ、あいつ私が見えてないみたいね。不幸なやつよ草薙は。じゃあね」

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