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第134話 青の輝き

震電を一杯に加速させて凪はミサイルを振り切ろうとするがさすがに最新式らしいミサイルは振り切れない。

いや、振り切ることは出来るのだがそれをしたら彼方が死んでしまうかもしれない。

震電には特殊装備が施されているのでチャフやフレアといった防御兵器は詰まれていなかった。

ちらりと機体を少しだけ右に傾けて下を見る。

下は森である。

多少切り開かれた場所ではあったが…


「彼方、少し揺れるよ」


「な、なん?ひゃあああ!」


操縦根を前に倒して急降下。

体が宙に浮くような感覚がするが固定されているために舞いあがることはない。

ミサイルの警告音が続いていたが凪は地上に垂直に機首を向けて降下した。

みるみる地上が迫ってくる。


(ここだ!)


ある点で凪は操縦根を思いっきり倒すと地上ぎりぎりのところで機体を水平に立て直した。


(振り切ったか?)


高度は20メートルもない。


凪はある程度切り開かれているとはいえ森の中を震電で突っ切る。

途中でばさばさと枝をなぎ倒すが太い木などの機体にダメージを与えるものには一切当てていなかった。

彼方は生きた心地がしなかった。

1歩間違えれば木に激突して大爆発である。

しかし、話しかけて凪の集中力を切らせるような愚を侵すほど彼方は愚か者ではなかった。

しかし、神業的な操縦を行う凪の震電に対してミサイルは追ってくる。

通常のミサイルなら地上に落下したときに地面に叩きつけられるか木に激突しているところである。

距離も徐々にではあるが近づいてきているようだ。

その時、前方が開けてきた。森を抜けるのだ。


「っ!」


凪は操縦根を引き上げると一気に上昇した。

左手で操縦根を握りながらスイッチを押す。

その瞬間震電の推進を助けていた噴射口から熱が消えた。

エンジンカットのような状態で自由落下のような感じだが翼で下だけに落下しないように風邪に乗るが当然速度は落ちる。


(大丈夫、訓練では出来た)


そう思いながら凪はそのスイッチを押した。

震電のエンジンが一つの装置にエネルギーを収束させた。

同時に薄い青色の膜が震電を包み込んだ。

ミサイルが飛来する。

そのミサイルは狙い違わず震電に2発命中して爆炎を撒き散らした。













その爆炎を空の上で見ていたドミニクは舌打ちした。


「ちっ、なんだよ。もう終わりか?見たことない戦闘機だから期待したのによ」


実際ドミニクは相手の技量に驚愕していた。

地面ぎりぎりで機体を立て直すことなら出来るエースはいる。

だが、森の中をマッハの速度できりぬけられるパイロットが果たしてどれほどいるか…


「ま、あの爆発じゃよくて脱出だな」


任務完了とドミニクは思ったが次の瞬間煙の中から青い戦闘機が飛び出してきた。


「な、マジかよ!」


ドミニクは慌てて攻撃態勢に入ろうとしたが相手のほうが早い。

下方からドミニクのメッサーシュミットに迫る震電の方がミサイルロックする方が早かった。


「終わりかちくしょう!」


警告音が響いた瞬間ドミニクは脱出レバーと引いた。

中国ごときのために命を捨てるほどドミニクは愚かではなかった。ドンと操縦席が放り出されパラシュートが開く。

その瞬間メッサーシュミットがミサイルの直撃を浴びて吹き飛んだ。

爆風がドミニクに降りかかる。


「熱ぃ!」


パラシュートが揺られたが破れたりはしなかった。

その瞬間震電がドミニクの横を上昇していった。

それをドミニクは見ながらため息をついた。


「やれやれ、どんなトリックを使ったかしらねえが大した奴だよ。顔を拝んでみたいもんだ」

森の中に降下しながらドミニクは町まで何キロかなと考えながら絶望的な気分で降下していった。


作者「というわけでメリークリスマス!」


彼方「なんで私がここにいるわけ?」


作者「いやあ、ぜひ彼方さんに震電の青い膜の正体を説明をと思いまして」


彼方「簡単よ。あれはバリア、アイギスを小型化した鉄壁の守りよ」


作者「ほほぅ、バリアとはすごい。となると空でバリアを張れたら無敵ですね」


彼方「そうでもないのよ…」


作者「というと?」


彼方「震電は他の戦闘機を圧倒する性能を持たせたいんだけど基本性能は烈風よりわずかしか代わらないの。アイギスがついてるから」


作者「となると」


彼方「課題はレーザー機銃ね。後アイギスにも弱点があるわ。あれは機体の動力を一時カットしないとエネルギー供給がうまくいかないから使用できないの」


作者「使い所が難しいですね」


彼方「低空では使えないわね。それに多用できる防御兵器じゃないのよ」


作者「あれ?ではどうやって凪さんは烈風5機を倒したんですか?」


彼方「技量よ技量。あの子の技量は時々驚かされるわ」


作者「しかし、震電はまだ全開ではないんですよね」


彼方「当たり前でしょ?試作型とはいえ私が作ったのよ?震電改に繋げるデータを取りたいから互角以上に戦える相手がほしいわね」


作者「いるかも…」

彼方「え?」

作者「フフフ…満州で…」

彼方「はっきり言いなさい」

作者「それは次回へ!」

彼方「意見と感想は歓迎よ。震電に関することは特にね」

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