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第127話 世界一のエース

エーリッヒ・ハルトマン。

第2次世界大戦の戦闘機のパイロットやドイツの戦いに少し詳しいものならば彼の名を知らない人はいないだろう。

史実では300機以上の当時世界最多の撃墜数を誇る最強のパイロットであった。

これほどの人材を未来からの来訪者達が放っておくはずもなくハルトマンはすぐにジェット戦闘機の操縦訓練を開始した。

撃墜王と呼ばれた男はジェット戦闘機になじむ時間も早かった。

未来の戦闘機バッヘムを乗りこなしメッサーシュミットゼロをアフリカ戦線へ赴くさいに渡され撃墜数はすでに1000機を越えている。

原子力空母ヨルムンガルドに配属されてからも未来や時代が同じパイロット達からも一目置かれる存在となっていた。

人は彼を史実と同じように黒い悪魔と呼ぶ。

メッサーシュミットゼロの色は銀色であるが彼のゼロは漆黒であった。

ドイツのジェット戦闘機で漆黒の機体は彼のゼロのみであるから敵兵は恐れと畏怖を込めて黒い悪魔と戦うのである。





それはアフリカ作戦が終わった次の日の夜。

ハルトマンはヨルムンガルドの格納庫でメッサーシュミットゼロを整備していた。

整備兵に任せればいいのだがこの日はなんだか自分で整備したい気分だった。


「それではハルトマン大尉。失礼します」


「ああ、後はまかせてくれ」


「お願いします」


整備兵達が格納庫を後にしてからもハルトマンは自分のメッサーシュミットゼロを整備し続けていた。

何がおかしいというわけではないが自分が命を預ける機体を大切にすることは悪いことではないはずだとハルトマンは思っていた。

さすがに整備兵がいないと解体はできないのでハルトマンは機体の汚れをとったり操縦席の中を軽く掃除したりしていた。


「そろそろ戻るか?」


ハルトマンは腕時計を見た。

時刻はすでに午前2時を回っている。

とっくに消灯だがヨルムンガルドの上官達はハルトマンのすさまじい戦果を知ってからある程度の命令違反は目をつぶっている。

アドルフ・ヒトラーに気に入られているのも理由の一つだろう。

もっとハルトマンはヒトラーのことは内心では嫌っているが…

道具をまとめて外に出てからコツコツと懐中電灯を使いながら自室に行こうと歩き出す。


「あーあ、今日も行っちゃうんだお兄ちゃん」


「!?」


後ろからの声にハルトマンは慌てて振り返った。

ホルスターの銃に手をかけて


「誰だ!」


女の声だった。

それも幼い。


「ヨルムンガルドか?」


ハルトマンには艦魂が見えた。

始めは変な存在だと思っていたがヨルムンガルドの艦魂メグに会ってからはそれなりに

耐性もついていた。

しかし、彼女ならあるはずの返事はなかった。


ごそりと闇の中で何かが動く気配がした。


「そこか!」


ハルトマンが気配に向けて銃を向けると闇の中から慌てた声が聞こえてきた。


「う、撃たないでよぉ!」


それはやはり少女の声。

ハルトマンは用心深く銃を構えたまま近づき始める。


「誰だ?艦魂か?」


少女の声といえばそれぐらいしか思いつかない。

ハルトマンはメグに他の艦にも艦魂がいることを教えてもらっていた。

だが、全ての艦魂に会ったわけではないので声を聞いただけでは誰かは特定できなかった。


「艦魂?違うよ。似た存在だけど」


「似た存在だと?」


ハルトマンがさらに近づく。


「そう…私は」


ハルトマンは懐中電灯を相手の顔に向けた。

まぶしそうにしながらその少女は言った。


「…飛魂」


「飛魂?」


ハルトマンが聞いた。

飛魂と言った少女はうなずくとタンとメッサーシュミットゼロから降りた。

今まで彼女は翼に座っていたのである。

12歳くらいの幼い容姿に肩まで伸ばした髪。

瞳の色は鳶色の少女であった。


「飛魂っていうのはね。歴戦を潜り抜けて功績を上げた機体に宿る魂のことだよ。

真のエースパイロットが乗る機体にしか宿らないんだよ」


またかとハルトマンは頭を抑えた。

艦魂の存在でもまだ、少しは俺は頭がおかしいんじゃないかと思うこともあるのに今度は

飛行機に宿る飛魂と来たか…


「ん?どうしたの?」


少女が不思議そうにハルトマンの方へやってきた。


「いや、なんでもない」


ハルトマンは銃をホルスターにしまうとスタスタと歩き出した。


「ああ!ハルトマン大尉!どこ行くの!」


後ろから少女が追いかけてきてハルトマンの横に着いた。


「部屋に戻るんだ。どうやら俺は疲れているようだ」


「え、ええ!ねえもっと感動とかしてよ!飛魂だよ?ハルトマンがエースパロットの証なんだよ?」


「そういわれて悪い気はしないが…」


ハルトマンは立ち止まり少女を見た。


「いつまでついて来るんだ?」


「え?だって見えるんだから部屋に泊めてくれるのは常識でしょ?本で読んだもん」


「何の本だ?」


ハルトマンはあきれていった。


「飛魂が出る本は2冊しかないよ。ほら」


どこから出したのか本を見せる少女。

ハルトマンは興味ないと部屋の前まで来ると自室の扉を開けた。


「ああ!ハルトマン大尉!待ってよ!せっかく見えるようになったんだからもっとお話しようよぉ!」


ハルトマンはため息をついて少女を部屋に入れた。

わーいといいながら部屋に入る飛魂の少女。

一応行っておくがハルトマンにその趣味はない。


未来の空母で大尉であるハルトマンの部屋は個室だがベッドは1つだけ。

その他には小さな本棚と机と椅子がある殺風景な部屋であった。


「お、おい何してる!」


飛魂の少女が本棚を見出したのである。


「うわあ、難しそうな本ばっかり」


そこにはハルトマンがジェット戦闘機を操縦するときのために使った専門書などが置かれている。

史実でのハルトマンの戦績が書いた本もいくつか並んでいる。


「お前は…なんなんだ?」


ハルトマンはため息をついた。

飛魂の少女はさっき持っていた本2冊を本棚に入れているところだったがハルトマンはそこは突っ込まなかった。


「何って飛魂だよ?」


少女は不思議そうに

ハルトマンを見ていった。


「そうじゃない。飛行機に宿る艦魂のような存在というのは分かった。仲間はいないのか?」


そういいながらハルトマンは航空機に魂が宿るならものすごい数になるだろうなと思いながら言ったが少女が首を振ってそれを否定。


「飛魂はね。エースパイロットで一つの機体で戦果を上げた人にしか見えないの。真のエースパイロットにしかか見えないんだよ。仲間はいないんだ」


「よく分からんがつまり飛魂という存在はお前1人というわけだな?」


少女は首をかしげた。


「分からないよ。もしかしたらまだいるかもしれないし」


「そうか…それは分かった。じゃあお前の名前はなんだ?」


「メッサーシュミットゼロだけど?」


「いや、機体名じゃない!お前の!飛魂の名前だ!」


少女はああと手をぽんと叩いて


「ないよ?」


「はぁ?」


ハルトマンは困った。

この少女が飛魂という存在で機体に宿る存在ならこれからもしコクピットで彼女を呼ぶときはおいメッサーシュミットゼロと呼ぶことになる。

ゼロといってもいいが女の子にゼロはない気がする…

艦魂には真名があるが飛魂にはないらしい。


「どうかしたのハルトマン大尉?」


少女が覗き込んでくる。

めんどくさいのでゼロと呼ぶかとハルトマンは思ったが…


「ルチアだ」


「え?」


少女が聞き返してくる。


「お前の名前だ。メッサーシュミットゼロと呼ぶより女の子らしいだろう?」


「ルチア?私の名前?」


ああとハルトマンはうなずいた。

少女の…いや、ルチアの顔がぱっと輝いた。


「ありがとうハルトマン大尉!」


ルチアが抱きついてくる。


「おいこら!抱きつくな!」


この後いろいろなことがあったがこれが飛魂の少女ルチアとハルトマンの出会いであった。


ちなみにハルトマンは同じベッドでルチアと眠ったが子供のルチアに対しもちろん何かするわけもなく眠ったのだった。

ルチアも子供なので兄に甘える妹のように2人はベッドで眠った。


作者「もう許してください…」


エリーゼ「アメリカの艦魂に袋だたきにされてましたね草薙」


作者「私が何をしたというんだ!」


エリーゼ「虐殺です」


作者「やったのはヘイムダルでしょ!」


テレサ「私…やりたくありませんでした」


フィリア「はーい、ジャップ。私のお仲間に何してるのかしら?」


作者「ひい!」


エリーゼ「おや?あなたが人の心配ですか?珍しい」


テレサ「意外です」


フィリア「キャハハハハハハ!そんなわけないじゃない。いたぶる口実ができたからよ」


作者「最低だ!」


エリーゼ「ふぅ…行きますよテレサ」


テレサ「あ!エリーゼ総司令!待ってください!」


タタタタタタ


フィリア「ウフフ…二人きりね草薙」


作者「わ、私は黒鉄先生や伊東先生と会議があるので失礼します!」


ガシ


フィリア「逃がさないわ。零距離バルムンクを受けなさい作者」


作者「ああ…赤眼黒龍先生…飛魂登場です。ぎゃああああ!」


キャバアアアアアア

フィリア「キャハハハハハハハ!」

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