第124 ドイツの帝王
「敵艦隊より通信ですワグネル司令」
「なんといっている?」
アフリカ遠征艦隊旗艦ラグナロクの艦長兼司令のワグネルは部下の方に目を向けて言った。
すでに勝敗は決した。
いや、戦う前からアメリカ艦隊に勝ち目などなかったのだ。
バルムンク…これはレールガンであるがこの破壊力は従来の砲など問題にならない破壊力を持っている。
それが直撃したアメリカの戦艦はあっという間に沈んでしまった。
そこにワグネルは降伏勧告をしたのだ。
輸送船団を見逃す代わりに艦を明け渡せと…
奪い取った戦艦と空母はドイツ海軍に引き渡すこととなる。
ドイツが最新の空母と戦艦を持つのである。
エセックス級空母が4隻にモンタナ級戦艦が2隻。
強力な戦力であった。
「降伏を受諾すると言って来ています」
「そうか…後は任せたぞ」
「はっ!」
副長にその場を任せてワグネルは艦長室に戻った。
以降の支持は自分の副長がやってくれるはずだった。
鋼鉄の扉を開けてワグネルは巨体を中に入れるとクスクスという少女の笑い声が聞こえた。
ワグネルが声の方を見ると片手に赤ワインを持ったアッシュブロンドにツインテール、それを赤いリボンで止めている16歳くらいの艦魂が灰色の瞳をこちらに向けて薄く笑っていた。
ラグナロクの艦魂フィリアである。
「優しいわねワグネル。本当に輸送船団を見逃してあげるつもりなの?」
「それが約束だからな」
ワグネルが言うとフィリアはふーんと言いながら足を組んだ。
白い短いスカートのため中が見えそうである。
だが、その仕草は彼女を帝王のようなイメージを髣髴させるに十分な姿であった。
「甘いわね相変わらず。約束なんて破ればいいじゃない」
「できるかそんなことが」
ワグネルは言った。
姿こそ粗暴に見えるワグネルだが義理には厚い男だった。
約束を反故にする方法は好まない。
「私だったら分捕った後、輸送船団を追撃して後腐れないように壊滅させるけどね」
「それは…」
ワグネルは思った。
このラグナロクの艦魂は危険な思想の持ち主であった。
逆らうものは皆殺しにする方法は確かに恐怖により押さえつけることは可能かもしれない。
核兵器が開発できればもはや逆らうことなど出来なくなるだろう。
だが、ワグネルはそんな卑怯な男にだけはなりたくはなかった。
「とにかく約束だけは守るんだ。俺は仮眠する」
ワグネルはそういうと寝室に続く扉を開けた。
「おやすみなさい。いい夢を」
後ろからフィリアの声が聞こえたがワグネルは無視して扉を閉めた。
空母と戦艦の引渡しは行われアメリカ軍が離れ各空母と戦艦が機動戦艦や空母に曳航されてドイツ本国に向かう最中。
アメリカの空母の艦魂と戦艦の艦魂は機動戦艦ラグナロクに強制的に呼び出された。
逆らうことなど出来ない。
自分達は捕虜となったのだ。
「サラ…」
ここにいるエセックス級空母の艦魂で最年長のアルタイルの艦魂アリアはうつむいて何も言わない戦艦カシオペアの艦魂のサラを見て言った。
「…」
サラはただ何もいわずうつむいている。
それはそうだろう。
大切な妹を殺された直後にドイツの捕虜…いや、捕虜ならまだいい。
帰ることが出来るからだ。
しかし、艦魂である自分達に待つ運命は祖国の仲間達との戦いである。
人間よりもつらいこと…それが彼女達には待っているのだ。
「お、お姉ちゃん…」
ぎょっと抱きついてきたここにいる中で最年少の空母ペテルギウスの艦魂エリーをアリアは抱きしめながら頭をなでた。
「大丈夫。大丈夫よ」
この先のことはアリアにも分からない。
アメリカの輸送船団と離れるとき駆逐艦の艦魂達が泣き叫びながら叫んでいた。
ごめんなさいと
アリアは沈んだ顔をしている妹や戦艦の艦魂達を守ろうと思った。
せめてドイツの艦魂達から…
「そろったようね」
「!?」
アリア達アメリカの艦魂が声のした方。
自分達がいるラグナロクの艦魂らしい艦魂が主砲の上から自分達を見下ろしていた。
アッシュブロンドの髪に灰色の瞳。
ツインテールに赤いリボン。
赤いリボン以外はリンダとよく似た特徴の少女だった。
だが、リンダと違うのは冷たさである。
そ相手の目は氷のように冷たいとアリア達は思った。
「あなたがこの艦の艦魂?」
姉妹達の前に出て見上げながら言うアリア。
ラグナロクの艦魂フィリアはくすりと笑うと主砲の上から飛び降りて甲板にふわりと降り立った。
重力を無視した軽い着地。
艦魂だからこそ出来る芸当であった。
フィリアは薄く笑い勝者の余裕の笑みのまま
「始めまして負け犬の皆さん。今日からあなたちの上官になるフィリアよ」
嘲るような人を見下したその目でアメリカの艦魂達を見たフィリアにアリアはプライドが
傷つけられた気がした。
確かに自分達は負けた。
だが、捕虜に…いや、彼女から見ればこれから仲間になる自分達にそんな言い方は…
「フィリアさ…」
アリアは抗議しようとした瞬間だった。
「ああああああ!」
突然あがる叫び声
アリアは驚愕して横を見た瞬間怒り狂ったサラが艦魂の能力で出したサーベルでフィリアに切りかかったのだ。
フィリアはくすりと笑った。
凛「でも大丈夫なの?」
作者「おや凛様久しぶりですね」
凛「あんた土日だけ更新回数が多いけどストックが…」
作者「なくなったら書くだけです」
凛「諸事情は?」
作者「…ああ!」
凛「馬鹿ね」
作者「なーんちゃって!ストックはあるんだよーん」
凛「死なすぅ!」
作者「それはあかねい…ぎゃああああ!」
ズドオオオオオオン
凛「絶対死なす!」
チャドオオオオン
作者「うぎゃあああああ!」
ズドオオオオオオン
作者「ぐわああああ」