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第121話 バルムンク

「どうやら敵は艦隊決戦を望むようね」


機動戦艦ラグナロクの艦魂フィリアはクスクスと笑いながら言った。

必死に戦おうとするアメリカ軍が哀れを通り越して滑稽だとフィリアは思った。


「攻撃隊を戻せ!」


ワグネルが命令を出すとその命令がフォッケバインを始めとする戦闘機部隊に伝達されていく。


「艦隊決戦をしてあげるの?優しいわねワグネル?」


フィリアは口元に笑みを浮かべたままそれも面白いかもと思いながら言った。

しかし、ワグネルは腕を組んで不適に笑んだ。


「大方体当たりでもする気だろう。その前に…」


「あれを使うのね?」


フィリアの言葉にワグネルはうなずいた。





















アメリカ大西洋艦隊第3機動部隊は戦艦と重巡を艦隊から引き抜いて突撃を開始した。

艦隊の最大速力である25ノットである。

旧式の戦艦テネシーを伴っているが改装を受けてテネシーも25ノットを出すことが可能となっていた。



敵戦闘機が引いたことにより

旗艦を戦艦カシオペアに移したゲイル少将はワグネルの考えている通り体当たり戦法を考えていた。

イギリス撤退作戦でアメリカのモンタナが体当たり戦法を使いモンスター戦艦の撃破に成功している。

唯一のアメリカの勝利である。

もっともモンタナはモンスター戦艦と共に海底に没したが…


「距離4万六千!まもなく最大射程距離に入ります!」


「うむ」


兵の言葉にゲイルはうなずいた。


現在突撃をかけている艦隊のうちモンタナ級であるカシオペア ケフェウス ペルセウスは大和と同じ46センチ砲を搭載していた。

このモンタナ級3艦は大西洋の運用を前提に置いたため46センチ砲搭載が可能となったがパナマ運河を通過することは不可能となった。

太平洋には新規格の戦艦アンドロメダ級が配備されている。


今回、モンタナ級の砲46センチ砲の最大射程は4万5千である。

アウトレンジ戦法は不可能であるがせめて一矢は報いたかった。


「レーダーの敵に動きはあるか!」


「ありません!依然動かずに静止しています」


ゲイルは嫌な予感がしてきた。

元より撃沈されることは覚悟の上である。

体当たりするといってもあの高速で本気で逃げられたら追いつくことなど不可能なのだ。

ゲイルたちはたくさんのアメリカ兵を乗せた輸送船団を守る盾のなるつもりだった。


「距離4万5千!モンスター艦隊が射程に入りました」


やるだけだとゲイルは自分に言い聞かせた。

そして…


「ファイア!」


ズドオオン


ズドオオン


ズドオオン


とカシオペア ケフェウス ペルセウスの46センチ砲18門が火を噴いた。

突撃を続けているので前部の主砲のみの斉射である。

最大射程なので多少命中率は落ちるが米軍はレーダー射撃の技術をすでに獲得している。

もちろん大和や紀伊に乗せられているレーダーなどとは比べ物にならない陳腐なものではあったが…


ゲイルは双眼鏡で弾着を瞬間を待った。

なにせ距離が45キロも離れているのである。

着弾するにも時間がかかるのだ。

そして、レーダから敵の反応が消えれば命中である。

しかし、未来の機動戦艦はそんなものが効く相手ではなかった。










「敵艦発砲!」


レーダーを見ていた兵士がCICの薄暗い闇の中で怒鳴った。


ワグネルは顔色一つ変えない。


「シースパロー発射だ!」


「VLS開放!シースパロー発射!」


兵が液晶パネルの発射ボタンを押すとミサイルが18発ラグナロクから放たれた。

目標は敵の砲弾である。

シースパローは音速で飛来するミサイルを落とせる性能を持たせている。

現に今以上の数を紀伊が日本連合艦隊の戦艦の砲撃をシースパローで叩き落している。

ゆえに…















ゲイルは目標の半分ぐらいの場所で46センチ砲弾が爆発したのを見て叫んだ。


「次弾装填急げ!」


合衆国とて馬鹿ではないこれまでのモンスター戦艦との交戦記録からモンスター戦艦の大体のスペックを予想している。

砲弾が叩き落されるのは予想済みなのである。


「敵艦隊との距離4万2千!次弾装填完了!」


「ファイア!」


ズズウウンと再び46センチ主砲が斉射される。


敵艦隊へ飛ぶ砲弾へアメリカ兵は祈った。

どうか届いてくれと…



















再び主砲が発射されたと聞いたワグネルはそろそろかと思った。


「よし!機関始動!シースパロー発射と同時に…」


フィリアは口元をゆがめた。


「バルムンク発射用意!」


「了解!バルムンク発射シークエンスに入ります!充電を開始します」


炎を上げてシースパローが砲弾を迎撃するため空へと飛ぶと同時にラグナロクがアメリカ艦隊へ艦首をゆっくりと向けた。

その両絃がガコンという音と共に外にせり出した。

未来の日本ですら実用化できなかった超兵器…

黒いその砲は太陽を反射して不気味に輝いた。

大きな砲であった。

人間でいうなら腕のような大きさを持つその砲はバチバチという音を立てながらエネルギーが充電されていく。

そして…


「エネルギー充電完了!」


ワグネルとフィリアは同時にモニターに映る哀れな艦隊を見て言った。


「目標敵先頭艦及び旧式戦艦だ!撃ち方ぁ始め!」


「さようならアメリカの皆様」


フィリアは唇をぺろりと舌でなめた。


キュイイイイン…キュバアアア


という音を立てて絶望の砲弾は放たれた。

作者「いやあ、なんか更新しないと気持ち悪いですね」


フィリア「あらジャップの坊や?やっと更新に来たのね」


作者「い、イエス」


フィリア「アハハハハ!見た?あのアメリカ艦隊の情けない姿」


作者「まあ、私は作者ですから大分先まで知ってますよ」


フィリア「あれが未来では超大国なんて言われていた国の姿よ!手も足もでてないじゃない」


作者「哀れだ…まあ、アメリカの大勝利なんて書かないけど」


フィリア「バルムンクで皆殺しよ」


作者「バルムンクの説明はまたいずれ」


フィリア「じゃあね。黄色い猿ちゃん」


作者「うう…読者から怒りの声が来ますよ?」


フィリア「アハハハハ!来たとしてもあんたが非難を浴びるのよ。私は無傷」


作者「あんまりだぁ!」


フィリア「アハハハハ!」

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