第119話 黒い悪魔
「ストライクリーダーより各機へ!油断は絶対にするな!敵はモンスター戦艦とモンスター空母だ!」
旗艦空母『アルタイル』所属のパイロットクリスは味方の小隊に連絡を入れた。
今回ストライク小隊に限らず各空母から発艦した100機のジェット戦闘機シューティングスターは5機1小隊で編成を組んでいた。
ジャップとナチスの航空機には最低でも2機で当たれというのが今日のアメリカ軍の常識になりつつあった。
シューティングスターは最大に近い900キロの速度で敵艦隊へ向かっていた。
クリス達は知る由もなかったがドイツの未来戦力だけで構成された艦隊はバリアを張りレーダーを無効化した上で近づいてきた。
かなり接近されていたのだ。
その距離は100キロと少し…
索敵機はミサイルで撃墜され定時連絡の時間前に襲撃してきたので発見が遅れた。
きらりと敵艦隊がいる方角から太陽を反射した何かがいた。
クリスはそれは敵だと直感した。
「来るぞ!合衆国の維持を見せるんだ!」
「ストライク2了解!」
「ストライク3了解!」
「ストライク4了解!」
「ストライク5了解!」
部下の言葉を聞きクリスは満足にうなずいた。
俺の部下は最高だと信じて…
「攻撃かい…」
クリスは最後まで言うことが出来なかった。
彼の視界に一瞬入ったのは黒、漆黒の機体に装備された機関砲にコクピットを貫かれ
クリスの機体は炎に包まれながら落ちていった。
「隊長!」
ストライク2のクルツは叫んだ。
彼にも何が起こったかわからなかった。
隊長の方に目をやっていると一瞬でクリス機が撃墜されたのだ。
「て、敵は!」
クルツは敵を探した。
隊長の敵を討つために…
「やはりすごいなこのこのゼロという戦闘機は…」
この時代では最強の撃墜王エーリッヒ・ハルトマンは次の敵を探しながら言った。
あっという間にマッハ3を突破した彼の愛機『メッサーシュミットゼロ』は
驚愕の戦闘機であった。
マッハ3を突破してもまだまだ速度に余裕がある。
加速性能、運動性、どれも従来の戦闘機を凌駕する戦闘機であった。
一撃離脱を戦法とするハルトマンだがこのゼロは自分の腕に答えてくれるすばらしい戦闘機だった。
この機体に装備された30ミリ機関砲の破壊力は今の1撃で改めて思い知らされた。
30ミリ機関砲の前ではシューティングスターなどおもちゃに等しい。
未来の第6世代戦闘機は無人にして徹底的にステルス化にするかあるいは究極の戦闘力を持たせるという案があった。
メッサーシュミットゼロは性能に特化した有人の戦闘機となっていたのである。
「やってみるか…」
すさまじい速度で追い越してしまったシューティングスターの編隊のほうへ行くためにハルトマンはゼロを旋回させた。
「なんだ!一体何が!」
一方シューティングスターの編隊はストライク小隊に限らず混乱していた。黒い何かが攻撃したということは分かったが敵が見えない。
「なんということだ!敵は見えない戦闘機でも作ったというのか!」
パイロットの1人がつぶやいた瞬間後方にいた味方のシューティングスター3機がミサイルを受けて爆散した。
「オーマイガ!後ろだと!」
だが、彼もまたそれ以上の行動は出来なかった。
追い越しざまに放たれた30ミリ機関砲に彼のシューティングスターは穴だらけになり炎を巻き上げて墜落して言った。
メッサーシュミットゼロ、その黒い戦闘機を見たアメリカの戦闘機のパイロット達は後にこう読んだ。
『ブラックデーモン』―黒い悪魔と…
そして、遅れて突撃してきたドイツのフォッケバインと交戦を始めるシューティングスターのパイロット達であったが完全にゼロにかき乱された状態でありろくに反撃も出来ずに壊滅していく。
「合衆国は…俺達は…ちくしょおおおおお!」
フォッケバインに追い回されていたシューティングスターのパイロットロンは悲鳴を上げた。
その時上空からのロケット弾がフォッケバインに命中しロンを追い回していた機体を撃墜した。
「何をやってるんだロン!」
風防越しにフォッケバインを撃墜したパイロットは言った。
「す、すまんジョーンズ!助かった」
ロンとジョーンズは同じ空母カペラのパイロットだった。
所属する小隊こそ違うがどうやらジョーンズの小隊もロン同様自分を除いて壊滅したらしかった。
「引くぞ!後ろの攻撃隊に合流して体制を立て直すんだ!」
「分かったジョーンズ!」
2人は後方から来ているであろう第2次攻撃隊と合流するためシューティングスターを旋回させた。
そして、そこに黒い悪魔は現れた。
まるで稲妻のような速度でゼロがロンとジョーンズの間を通った。
30ミリ機関砲を放ちながら…
ズドオオン
と爆発がしてジョーンズ機が墜落する。
別れを言う暇もなく脱出すら適わなかった。
突然の別れ…
これが戦場というものだ。
「ジョーンズ!貴様ぁ!」
ロンは怒り狂いゼロを追撃しようとしたが相手が早すぎる。
「ちくしょう!ちくしょおおおお!このぼろ戦闘機が!」
ロンはあまりのシューティングスターと黒い戦闘機との性能差に怒りを感じながら風防を拳で力任せに叩いた。
彼等に勝ち目は微塵にもないのだ…
ただあるのは絶対敗北の絶望のみ…
フィリア「アッハハハハ!相手にならないわねゴミ戦闘機」
作者「い、一応最新の戦闘機なんですよシューティングスターは」
フィリア「まぐれでフォッケバインを撃墜できた見たいだけどそれだけ」
作者「最近アメリカが哀れに見えてきた…」
フィリア「次はいよいよ艦隊決戦ね?」
作者「うーん、未定です」
フィリア「ふーん、まあいいわ。題名の黒い悪魔だけど」
作者「はい?」
フィリア「白き流星ってのも作れば?」
作者「いや、いろんな意味でダメですよそれ」
フィリア「フフフ、まあいいわ。アメリカの息の根を止めに行ってくるわ」
タタタタタ
作者「ああ…アリアにリンダ…生きていてください…」
フィリア「忘れてたわ」
キュバアアアアアア
作者「ぎゃああああ!」
フィリア「アハハハハハ!楽しいわ!募集はまだ継続よ。意見・感想は大歓迎よ」