第105話 1日の流れその3−桜新聞と機械オンチ
山本長官が奇跡の生還を果たし、ほっとした艦魂達であったがその日は大和のとある部屋、
艦魂達の司令部となっているその部屋ではこの部屋の主にして連合艦隊司令長官大和の艦魂撫子を始めとする艦魂達が朝の集会を行っていた。
まあ、今日の場合は儀礼だが士官クラスの艦魂達が集まる場である。
「以上が今朝の連絡事項となります」
撫子が締めくくりそれぞれの艦魂達はノートパソコンの電源を落として自分の空間にほうり込む。
紀伊の世界では艦魂の空間能力は敵意を持たない艦であればものを出し入れできる。
撫子の場合はもちろん士官の艦魂達に敵意など持つはずがない。
「やっと終わったよぉ」
原子力空母飛龍の艦魂弥生はノートパソコンを投げ捨てるように自分の空間にほうり込んで言った。
「少し眠い…」
隣に座っていた弥生の姉星菜も軽くあくびして言った。
「貴様らたるんどるぞ!」
上座に近い場所に座っている金剛の艦魂柚子が睨みつけていうが弥生と星菜の目は柚子のパソコンへ向いた。
「あれぇ?柚子さんパソコンしまわないの?」
にやりとして弥生が言った。
「い、今しまうところだ」
そういいながらパソコンをいじくる柚子であるが…
「あれ?ここはどうするんだ?うわ!エラーだと?ええい英語ではなく日本語で書け!」
帰る準備をしていた他の艦魂達はまたかと柚子を見た。
実は柚子は機会オンチで今だにノートパソコンの使い方を把握していない。
もし柚子が連合艦隊司令長官時代であればパソコンは導入されなかっただろうが撫子は自身が未来改装を受けていたため未来への関心は強くパソコンも早期に導入した。
紙よりも多量のデータを入れられるので艦魂達以外の大本営や連合艦隊司令部でも使用されていた。未来から大量に持ち込まれたものである。
自作のパソコンはまだ先になるだろう…
「くそ!なぜ電源がきれんのだ」
柚子はパソコンのスイッチをカチカチと押し出した。
押し続けたら強制終了するあのボタンである。
「ああ!姉さん駄目だよ」
柚子妹であり霧島の艦魂刹那が慌てて柚子に駆け寄るが柚子は手で刹那を制した。
「情けはいらん刹那!戦艦金剛の名と柚子という真名にかけてこの場を切り抜けて見せる」
「オーバーな言い方やな…」
武蔵の艦魂桔梗がパソコンをしまいながら言った。
「無理しない方がいいよ柚子さん、ここは未来の艦魂である私に任せてたらぁ?」
明らかに面白がっている弥生。
刹那はおろおろして比叡の艦魂で姉の朱里を見たが朱里は首を横に振った。
続けてもう一人の姉榛名の艦魂翡翠をみたが…
「なんじゃこりゃああああ!」
「フリーズして動きません!一体なにをしたんですか!」
と扶桑の艦魂望に言われている姉がいた。
ちなみに扶桑の艦魂の容姿は肩まである黒髪で優しげな顔つきのお姉さん系の艦魂だがこの時は翡翠のあまりの事態に悲鳴をあげていた。
つまり問題外…
姉は支援を拒む…
「どうしようもないんだね…」
刹那ががっくり肩を落とす。
「まあ、意地張るんならしょうがないわよ刹那」
隣にいた紀伊の艦魂凛の言葉に刹那は
(凛も素直とは言えないから言えない気が)
と思ったがややこしくなるから何も言わなかった。
「こんなもの電源を抜けば切れる!」
「駄目ぇ!そのパソコンバッテリーが死んでるから消えちゃうよ!」
「ならいいじゃないか」
「データも吹っ飛んじゃうよ!」
柚子の最終手段に悲鳴で返す刹那
そして連合艦隊司令長官撫子はといえば…
「あらあら、うふふ」
とにこにこしながら従兵である駆逐艦雪風の艦魂雪にいれてもらった緑茶を飲んでいた。
「司令、おかわりはいかがですか?」
という雪に撫子はにこにこ笑いながら
「いただくわ」
と、何もしようとしなかった。
「平和ね…」
駆逐艦改めて新艦種護衛艦『村雨』の艦魂由真はその光景を見ながら言った。
ちなみに彼女はすでにパソコンマスターである。
さすがは新たな艦と言ったところだった。
「由真通信参謀」
スゥと気配が由真の後ろに現れた。
由真が振り向くとそこにはいつ現れたのか(もちろん転移でだが…)駆逐艦雷の艦魂、真弓が立っていた。
「あら真弓?どうしたの?」
真弓は不適に笑うと由真にUSBを渡した。
「詳しくはこれを」
「渋るわね、よほどの情報と見たわ」
パソコンを空間から再度出して立ち上げる由真。
由真はハワイで合流と同時に艦魂の情報機関『忍』を撫子に作るように頼み撫子が許可したため艦魂の連合艦隊司令部とは別の情報部が立ち上がった。
主に駆逐艦の艦魂と潜水艦の艦魂で編成されている。
山本長官の生死もいち早く察知した実力は撫子達も認めるものであった。
ちなみに真弓は忍の副隊長をしており由真は隊長。
「こ、これは」
パソコンでデータを見た由真はにやりと笑い立ち上がった。
「みんな注目!」
まだ残っていたそれぞれ別のことをしていた艦魂達が由真を見た。
みんな気づかなかったが後ろに下がった真弓の口元は緩んでいた。
「今日の艦魂トップニュースの記事で〜す♪」
くるりとパソコンの画面を艦魂達の方に向けると何人かの目が飛び出した…気がした。
「なっな…」
青くなる凛
「あ、ありえぬ…」
出されていたトロピカルジュースのコップに握力でひびをいれる京子
「恭介お兄様…」
少し涙目になる星菜
「う、嘘でしょ?」
信じられないとパソコンを凝視する弥生
その画面にはご丁寧に記事にされた(しかもトップで昨日のトップは当然山本長官復活である)
艦魂新聞名を『桜新聞』(人間の藤宮 桜が少し関与)というがそこに
『恋の激戦区!独立機動艦隊司令長官日向 恭介特別大将の恋人決まる!お相手はエースパイロット神崎 凪少尉』
と書かれていた。
しっかり2人が抱き合って(誤解)いる写真まで張られている。
恭介を好きな艦魂達はしばし無言。
他の艦魂達は口元に笑みを浮かべて(柚子は自分のパソコンを凝視)いる。
「確かめる!」
真っ先に動いたのは星菜だった。
いきなり転移でその場を消える。
「ま、待ちなさい!」
それから凛、京子達が消えた。
由真と真弓は顔を合わせると某ジ〇ンプの死のノートを操る主人公みたいに悪の笑みを浮かべて思った。
(計画道り…)
「さあ、真弓!取材よ!」
「了解です司令!」
転移で消えようとした二人だったが…
「あらあら…」
と冷たい声が聞こえてその場にいた艦魂達は全員艦魂の連合艦隊司令長官撫子を見た。
「ね、姉さん?」
おそるおそる信濃の艦魂小雪が言った。撫子はにこにこしているがなんか怖い。
固まっている由真と真弓を見て言った。
「度が過ぎないようにお願いね」
「り、了解しました」
由真と真弓は冷や汗を流しながらそのばから消えた。
作業に戻る撫子
桔梗はそんな姉を見ながらもしかして普段怒らない人が一番怖いんじゃないかと柚子と撫子を見て思った。
その場で黙って見ていた三笠の艦魂炎樹と目があったがその目は撫子を怒らせるなと語っていた。
頷く桔梗だった。
そして、柚子はと言えば
「ああ!データが消えた!」
「なあ、再セットアップってなんだ?」
「お、お姉ちゃんの馬鹿ぁ!」
「この機械オンチ!」
データを削除してしまった柚子と翡翠を涙目で怒鳴る刹那と望。
「連合艦隊は壊滅したな…」
とため息をついて言う桔梗であった。
京子「なぜかここにくるのが久しぶりの気がするんじゃが…」
作者「気のせいです2日に一回は更新してますよ」
京子「ふむ…2日に…ん?2日じゃと」
作者「ひっ」
京子「前は毎日更新してなんだか?」
作者「わ、私だって私生活はあるんですよ!」
京子「ほう、よう言った。兵器を書くひまがあっても本編はないと?」
作者「うう…」
京子「反論はあるかえ?」
作者「日本万歳ぁい!」
京子「ほう万歳特攻か?なら相手になってやろう。ミサイルランチャーよりミサイル発射じゃ!奴は不死身じゃぞ!一撃で倒せると思うな!」
京子の部下達「アイアイマム!ファイア!」
ズドオオオオオオン
作者「ぎゃああああ」
ズドオオオオオオン
作者「うぎゃああああ!」
ズドドドドドド
作者「ひいいいい!」
ズドドドドドド
作者「あが…」
京子部下「ファイア!」
ズドドドドドドズドオオオオオオン
京子「ふむ、ようやく跡形もなくなったか。まあ、再生するんじゃろうが…ではまたな読書の諸君感想・意見待っておるぞ」