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第102話 約束

後書きは護衛戦艦神龍完結スペシャル!


本編は山本五十六の危機編ついに決着


死んでも痛みはあるんだなと山本五十六は思いながら頬を押さえて立ち上がった。


「舞、久しぶりの再開だというのに激しい歓迎だな」


山本の前に立つ日本海軍の士官服に身をつつむ少女は仮の名を『日進』真名を『舞』という艦魂であった。

金剛の艦魂柚子のように髪は金髪で瞳は青い。

共に彼女や多くの艦魂達と山本は日露戦争を戦ったのだ。


「…」


舞は黙って山本を見ている。

殴り飛ばした激怒の顔はなくただ悲しそうに山本を見ていた。


「どうかしたのか…」


「どうして来たの?」


山本が舞と名を呼ぶ前に舞が山本の言葉を遮った。

顔は悲しそうな顔のまま…


「どうしてって…俺は死んだんだろ?そこの川は三途の川で…」


「黙れ高野」


山本は息を飲んだ。舞の悲しみの顔が再び怒気を見せたのだ。

先程の比ではなく殺気はでかい。


「高野が死んだ?笑わせてくれるわね。確かに死んだなら私は喜んであなたと天国へ言ったわ。でも、あなたはまだ生きてるじゃない。なんでここに来たの?」


「俺が生きてる?」


山本は目を見開いた。

てっきり自分は死んだと思ったのだ。

舞はスゥと山本の背、つまり三途の川と逆方向を指差した。山本がみるとそちらは白い靄のようなものがかかっている。


「帰りなさい高野、あなたはまだ、死んだら駄目よ」


山本は靄を振り返ったあと舞を見て静かに首を横に振った。


「いいんだ…もう疲れた…天国とやらに行かせてくれ」


「ふざけるな!」


舞が再び殴り掛かってきたが今度は山本はなんとかかわした。


「何をするんだ舞!」


山本は怒鳴ると舞は怒りの目を山本に向けた。


「私との約束を忘れたの!日本を守るというあの約束を」


「あ…」


覚えていた。

それは日進が事故で沈没する数日前…8前にかわした約束だ。




「もし俺が戦争を任されるような大きな階級につけたら必ず日本を守ってやるさ」



その言葉に舞は確か…


「なら私は見届けさせてもらうわよ?天国に行ってもね。約束よ」


「ああ、約束だ」


その約束を山本は昨日のことのように思い浮かべた。

なるほどそれなら約束を破ろうとした自分を舞が怒るのは無理のないことだ…



「確かお前は天国で俺を見ているんじゃなかったのか?」


三途の川を渡る前は天国ではないということを山本はなんとなくだが感じられた。

なぜ舞はこんなところに一人でいるのだろう…


「それは…見えなくなるから…」


「え?」


舞の怒りは収まったが再び悲しそうな顔に戻った。


「ある人に聞いたの。天国ってね…生きている人を見ることはできないの…でもここなら」


舞は川を指差した。

「見て」


山本は川を覗き込み目を見開いた。


そこには代わる代わる現れては泣きそうな顔になりながら去っていく艦魂や人が写っていた。

川には山本の寝ている部屋が映し出されているのだった。


「これは…」


舞を見ると彼女は微笑みながら


「フフ、ずいぶん偉くなったもんね高野、こんなにも心配してくれる人や艦魂がいて」


「今の映像なのか?」


舞は頷いた。


「ここはね生きていた時に縁があった人を映し出して見ることができる場所なの」


「まさか…お前…」

『天国へ行ってもね見守っているからね』


天国へいけばもう自分を見れなくなる。舞はずっとここで自分を見ていてくれたというのか…約束を守り。



「俺なんかのために…」


山本は久しぶりに目に熱いものがこみあがってきた。

それを見た舞はなぜか赤くなり


「ご、誤解しないでよね高野?ただ、私は情けないあなたを見守るって約束を守ってるだけなんだからね!」


ここに未来の誰かがいたらツンデレ?と言っただろうが山本はそんな言葉は知らないので口元を緩めて言った。


「ふ、ハハハ相変わらず素直じゃないんだな舞」


「う、うるさい…」

こうして見てるとどこかあの紀伊の艦魂凛に似ていると山本は思った。

そして、山本は決意を固めた。




「先に行っててくれないのか舞?」


すると舞は山本を見て目を見開いた。


「先に?じゃあ高野は決意したんだ?」

山本は頷いた。



「俺は戻るよ。約束を果たしていないからな…」


「そっか…」


「舞?」


目に映る舞が霞んでいるように山本には見えた。

周りの景色も歪んできているように思える。


「まあ、少ししか会えなかったけど楽しかったわ高野、次に会う時は殴らせないでよね」


「ああ…ありがとう」


世界が白に染まるその場所で山本は最後に彼女の声を聞いた気がした。










「またね」



















山本五十六は目を開けてまず目に飛び込んできたのは白い天井であった。

首を動かすと体のあちこちに付けられた未来の医療器具がピッピという音を立てている。

だれもいないのかと山本は酸素マスクを外した。


「起きていいのか山本?」


声のした方を見るとそこには炎樹が立っていた。

記念艦として横須賀に存在する古参の艦魂である。


「ああ…おまえか…」


山本は顔をあげようとしたが体が思うように動かなかった。


「無理をするな。一応生死をさ迷ったんだからな」


炎樹は呆れた様子で言った。

内心でまったく最後は私が見届けてやろうと思っていたのにこの男は復活するらしい。


などと炎樹が考えていると山本は口を開いた。


「舞に会ったんだ…」


炎樹は軽く目を見開いたがすぐに穏やかなほほえみを浮かべた。


「夢でも見たのだろう?」


「ハハハ夢か…じゃあ夢でもいいから聞いてくれんか?」


「ああ」


「あいつは死のうとする俺を殴ったよ。約束を破るなってな」


「そうか…」


炎樹はその約束を知らなかったが何も聞かなかった。


「俺は生きているんだな…」


「ああ、連合艦隊司令長官に戻れ」


「おいおい、少しくらい休ませてくれよ」


「戦争が終わったら愛人のところにでもどこにでも行け」


「そう…だな…」


スゥと山本の目が閉じられた。


「山本?」


炎樹が声をかけるが反応はない。

呼吸を確かめると安らかなものであった。


「まったく心配させおって」


炎樹は立ち上がるとその場から転移の光で消えた。

艦魂達に山本復活を告げるために…




その2日後山本五十六は見事復活を果たし連合艦隊司令長官に返り咲いた。

小沢はわずか3日という連合艦隊司令長官であったが山本に連合艦隊司令長官が戻ることに関してはなにも文句を言わずにむしろ大喜びした。



ちなみに山本が連合艦隊司令長官に戻ったと聞いたルーズベルトの第一声は


「なんという悲劇だ」


だったという。


ちなみにこの山本襲撃で作戦に参加したシューティングスターを全て廃棄や破壊で失いその金額を見たルーズベルトは


「オーマイガ!」


と言ったそうだがあくまで噂である。



















後書き コーナー


完結スペシャル編









『時空空間』そこは様々な艦魂小説を行き来できる夢の空間である。

極上艦魂会の間では自由に小説の後書きコーナーに侵入できる場でもある。

一部ブラックリストにいる艦魂や人はいるが…


さて、その時空空間を飛ぶ巨大な船があった。

独立機動艦隊『紀伊』専用の巨大客船『時空客船しゅんらん2』(先代しゅんらんは武蔵に改造されて以来行方不明)である。


今回はしゅんらん2にあるお客様が登場して話は始まる。


神龍

「うわぁ大きな船です」


「いらっしゃい神龍」


神龍

「あ、凛さん。こうして会うのは始めてですよね?護衛戦艦神龍守りたいものがそこにあるから来ました神龍といいます。よろしくお願いしますね」


「私は独立機動艦隊『紀伊』−連合艦隊大勝利!の凛よ。よろしく神龍。それから私のことは凛でいいわ」


神龍

「え?いいんですか?じゃあ今日はよろしくお願いします凛…な、なんか恥ずかしいです」


「大和(黒)の時もそうだけどあなたって可愛いわ…って私はそんな趣味はないんだからね!」


神龍

「え?どうかしたんですか?」


「な、なんでもないわ…少しトラウマが…(始めて大和(伊に会った時を思い出した))」



神龍

「大丈夫ですか凛?」



「うんありがとう」


作者

「いやあ、女の子同士の会話は見ていて楽しいです」


「黙りなさい変態」


作者

「へ、変態?」


神龍

「駄目ですよ凛。草薙先生もがんばっていらっしゃるんですから」


「う…」


作者

「うう…神龍様は本当にいい子だなぁ」


「どうせ私は素直じゃないわよ。服もこれ(ネコミミにメイド服)だし…」


神龍

「そんなことありませんよ。凛も可愛いしその服のおかげて、もっと可愛いです」


「そ、そうでも未来でメイド服って…」


神龍

「?」


作者

「駄目ですよ凛様、神龍様は純粋なんですから」


「すでに大和(伊)がとんでもない服を着せてた気がするけど?」


作者

「ああ…忘れましょう」


神龍

「?」


首を傾げる神龍も可愛い


「さて、あっちにお茶とデザートを用意してあるから神龍行きましょ」


神龍

「はい」


作者

「私も…」


「草薙はあっち」


作者

「神龍様が乗ってきた船ですか?」


「中を調べて密航者がいないか調べてきなさい」


作者

「いやまさか大和(伊)様がこんなところに…」


「一応よ」


作者

「わかりました」


トボトボと歩き出す作者


神龍

「がんばってください草薙先生」


作者

「神龍様…ようし!がんばるぞぉ!」


タタタタタ


神龍

「フフフ、元気な先生ですね」


「単純な奴よ。行きましょ」


神龍

「うん」










??

「フフフ、甘い甘い。今更中にいるわけがないわ」


??

「前回の失敗を正すためにね」


??

「すげえ組み合わせだなおい」


??

「はっはっは、新たな同士よ共に行こう」


??

「可愛いものを愛でる旅へ」


??

「金髪もこれくらい理解してくれたら楽なんだがなぁ」

??

「突撃ぃ!」










2人に迫る謎の影。

彼等の正体は…

次回を待て










伊東先生、黒鉄先生(ばればれだと思うので)どうでしたか?まだ、続きますが意見がほしいです。では

ご意見・感想お待ちしております。

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