糸
もしも、あなたの目の前に糸があったらどうしますか?
朝起きて窓を開けると糸が垂れていた。
男は自分が寝ぼけているのかと思ったが確実に糸は垂れていた。
どうやら糸は上の部屋の窓から垂れているらしい。
「この糸邪魔だな…引っ張ってみるか?」
男は糸を引き始めた。
だが、引けど引けど糸は力なく伸びるばかりである。
男はこの糸がどれだけあるのか不思議に思い興味を持った。
「よーし、この糸の端っこを見てやる。」
糸を引っ張りに引っ張る。そのとき糸が何かに引っかかったかのようにピーンと張った。
「ん?糸が何かに引っかかったようだな?なかなか取れない。も少ししっかり引っ張るか?」
その時上の部屋から小さく声が聞こえた。
「イタタタ…」
男はビックリし、うしろによろめいた!その時、糸が男の袖のボタンに引っかかり…
スポーーーン
と糸が抜けた。
糸が抜けた上の部屋では、一人の男が頬をさすりながら呟いた。
「アイタタ…糸を長くしたら勢いで歯がすぐ抜けると思ったんだが…うまくいかねぇな…少々いてぇ思いをしたがお金は空いた、儲けもんだな。ヒヒッ…」
下の階の窓には糸につながった歯が力なくぶら下がっていた。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
この話では歯でしたが、もしもあなたが糸につけるなら何をつけますか?
私は絵でもつけますね。