117話 引継ぎっぽい
ちょっと前のあらすじ!
魔界で地球組と再会したんだけど、ゼロの様子がおかしいぞ?
解決したと思ったら世界がおかしい真っ暗やんけ!
イザナギ登場!実は元地球人で、ゼロを手に入れるために殺し続けていたガチヤバキチガイストーカーでした!
実は主人公は元々こっちの住人で、勇者召喚も主人公を狙ったものだったのだ!巻き込まれたのは四人組の方でした!しかも何度かやり直してるっぽい
なんやかんやでラスボス撃破!めちゃくちゃになった世界を自分が召喚された時間まで戻そうとするけど、なんかエラーが出ちゃった!
世界が戻っちゃうぅぅぅぅ!
的な話でした
「リンちゃん、ミオちゃん! おまた……せ?」
「ふむ、見ない顔ですね……どなたですか?」
ウルスの顔を見ながらミーシャは一瞬記憶を探っていたが、やはり記憶にないらしい。
「え? え? ミーシャちゃん? レイアちゃんに、ルナちゃんまで……何でここに?」
「むっ、何故私たちの名前を知っているのかは定かではありませんが、不審者に教えるわけないでしょう?」
「客観的に見ればあなたたちの方が不審者よ……? 後、私は一応王女なのだけれど……」
ウルスは大きくため息を吐くとミーシャから目をそらし、澪をじっと見つめる。
「……リンちゃん、ミオちゃんを絶対に起こさないで」
「え? ど、どういうこと? てか、誰なの?」
「……この際だから自己紹介しておくね。私の名前は『ウルス・ドレット』。そこのヴェレスの姉にしてこの国の第一王女よ」
「ふーん……で、なんで澪を起こしちゃダメなの?」
ちょっと決め顔だったウルスが涙目になるが、気を取り直して話を進める。
「起こしちゃダメな理由……まぁ、簡単に言うと、後数回現実を見て発狂すると心が壊れるわ。確実にね」
ウルスは膝枕されている澪の頬を撫でる。
「この子は、私の思っている以上に繊細だったようね……一応、私の魔術で更に深く眠ってもらったけど……ただの延命にしかならない」
「澪の心が……」
「ええ、今日は大丈夫だと思うけど……早くとも明日、もって明後日と言ったところかしらね。悠長に私の秘密を暴露してる時間ないかも……カッコよく紹介したかったけど仕方ないか」
ウルスはぽつぽつと自分の事を話し始めた。
ドレットの王族は、元を辿れば時を司る神の血を引いている。
実はこの世界は何度もループしているが、こと今回の世界線だけは主犯が違うということ。ウルスはその別々の世界の記憶を持っているらしい。
全員の名前を知っているのも、何度か違う世界線で会っているからである。
「全世界線で共通しているのは、何かしらの理由でキョウサイ君だけ転移されることと、そこの三人は絶対にキョウサイ君の奴隷になるとういうこと……逆に言えば、そこの三人はキョウサイ君に会うまで檻で過ごしていたはずなんだけど……」
「私たちもキョウサイ様を探しているので、自力で脱出してきました」
「それ、それなんだよ。わからないことが」
ウルスはミーシャ、レイア、ルナをじっくりと見る。
「ミーシャちゃんとレイアちゃんはともかく、ルナちゃん。君は能力的にも状況的にも逃亡は無理のはず……もしかして、戒がつけられていない……とか?」
「いえ、そんなことありませんよ? ほら」
ルナが肩を見せると、数時間前よりも更に歪で禍々しい刻印がどす黒い色を帯びていた。
「――――」
自分より小柄な少女に、痛々しいと表現するのも生易しい刻印が押されている視覚的なエグさと、刻印がルナの命を徐々に苦しむように吸い出していることが分かる魔術的なエグさを理解してしまった鈴は、胸からこみ上げる強烈な吐き気を我慢し、ルナから目を反らす。
勇志、大地も同様に直視できないようだ。
(な、なによアレ……!! アレが戒!? な、なんであんなものをこんな女の子につけることができるのよ……!)
鈴は改めて恐怖を感じた。
こんなえげつないことを簡単に子供にする世界。
それを当たり前だと思っている価値観。
そして――――。
(なんで? なんで当のルナさんは平気な顔ができるの……!?)
自分だったら確実に発狂しているだろう。
視覚的、魔術的に推測できる、感じていない痛みですら泣きたくなるぐらいなのだ。
死にたくとも死ねない。けどいつ死んでもおかしくない痛みが自分を襲い続ける。
それに平然と耐える――純粋なルナへの恐怖。
ルナは何かを感じ取ったのか、戒を見せるのをやめ、鈴に語り掛ける。
「勘違いしてほしくないのですが、いまは然程苦しくありません。確かにステータスは四分の一にされ、継続的に蝕まれていますが……気にするほどでもないですね」
「……」
「主様に会う前の私でしたら……まぁ、常に死にたいと思うぐらいに苦しかったですよ? ですが、今の私にとってこれぐらいなら自然回復の方が早いぐらいです」
「そう……なの?」
「ええ、まぁ」
「でも、昔は辛かったんだよね?」
「そうですね」
「おいで、ルナちゃん? よしよししてあげる」
「え゛」
ついに、鈴の精神が崩壊した。
澪を床に寝かせ、ハイライトの消えた瞳でルナを誘っている。
「えっと、あの……私は大丈夫です……から……」
「そう、だよね……私なんかがルナちゃんの痛みを理解……ぐすっ……できる……わけ…………ひぐっ、ない……よ、ね?」
(誰ですかあなたはぁぁぁぁ!? 本当にあの強気なリンさんですかぁぁぁぁ!?)
「ごめんね……理解してあげられなくて……ごめんね……ごめんね……」
「あわわわわわ……」
ルナは助けを求めレイアを見る。が、顔を合わせようとしない!
ルナは助けを求めミーシャを見る。微笑んだ、助言をくれそうだ!
「よしよしされてきなさい」
「あの、一応私の方が年上……」
「よしよしされてきなさい」
「……はい」
ルナはゆっくりとリンに近づき、その豊満な胸に顔を埋める。
「よ、よしよし……してください」
「ルナちゃん……! うん、私頑張るね!」
(本当に誰ですかこの人ぉぉぉ!? というか胸デカすぎません!? 私と身長あまり変わらないですよね!?)
鈴の自我が崩壊し、ルナが拘束されたがウルスの話はまだ続く。
「は、話がズレちゃったけど……つまり、あなたたち三人は元のステータスのまま過去に戻ったってこと?」
「まぁ、そうなりますね」
「なら、もしかしたら……できるかもしれませんね」
ウルスはおもむろにミーシャに手を伸ばす。
「ミーシャちゃん、レイアちゃん。あなたたちの力を使ってゼロちゃんを呼び出すのよ!」
「ゼロを……?」
「そう! 今、この状況を打破できるのはゼロちゃんただ一人! 正直私たちだけでゼロちゃんを呼び出すなんて魔力が圧倒的に足りないから、諦めかけていたけど……前世界の引継ぎならミーシャちゃんとレイアちゃんの魔力を合わせればできるかもしれない!」
「はぁ、そうですか」
「私の推測通りなら、二人の魔力を全部使えばギリギリ足りるはず! っと、大切なことを聞き忘れたわ。あなたたちのMPはどのぐらいあるのかしら? 必要MPは合計で20万ぐら――――
「6000万ぐらいですね」
「私は5000万ぐらいだな」
――い、なんだけどなぁ……いやぁ、余裕で足りそうだねあはははは………………はぁぁぁぁあぁぁああああぁぁ!!?? なんで!? なんでそんなに高いの!? おかしくない!?」
ウルスは混乱しているが、ミーシャとレイアは至極普通に落ち着いている。
「そういえば、キョウサイ様がゼロを呼び出したきっかけって、全属性魔術の神級を組み合わせた時だっけ?」
「確かそのはず」
「んー……ほい!!」
ぼんっ、パリン!
「ぐはぁ!! やっと出れたぁぁ!! あなたたち!! 私を出すの遅すぎるんじゃない!?」
「お久しぶり、ゼロ」
「よっ、ゼロ」
「あ、うん、久しぶり、皆…………って、流されないわよ!?」
どこからともなく現れた少女は、この状況を唯一打開できる存在……ゼロだった。
「私のカッコイイ計画がぁぁぁぁぁぁ!!!!」
どこかの王女はそう吠える。
自分、本編とかWordで書いてるんですよ……(以前までは直接入力)
で、今回は前書きも書くかーってことで前書きもWordで書いたんですよ。で、このありさまです……
両方テンションが飛んでて、今更新するときになってコピペしたのはいいのですが、こんなの投稿していいのかかれこれ30秒ぐらい悩んでました。
まぁ、消すのも持体ないのでこのまま投稿するのですが
さて、そろそろ完結に向かうところなのですが。
只今ちまちまと新作を執筆中でして、そちらもボチボチ出していこうかなーと思っています(思っているだけ)定期更新は期待しないでね?
では、また後程。