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【俺の今日は何日?そう気絶日】


非日常5


【俺の今日は何日?そう気絶日】


おい、起きろ・・・起きろ。


頭がぼーっとする、なんだ?、誰かの声が聞こえる、

この声は俺を燃やしてた彼女の声じゃない、

もっと鋭くてだけど、どこか優しさを感じられるような声音。


ほら、さっさと起きろ、お主を燃やしてた、

女子おなごが待っておるぞ。


また、声が聞こえた、彼女が待ってる、

そうなのか、はぁ仕方ない、

じゃあ目覚まさないとな・・・・待てよこの声の主は----


「----誰・・・なん・・・だろう」


俺は、目を覚ました、目を開けると天井が一面に見える、

どうやら横になっているようだ。


「ふぅ・・・」


ため息をつき、気絶するまでの惨劇を、

思い出しながら、目をまたつぶった。

んー、それと言って身体的な変わりはないのだが、

また気絶したのがなんとも言えない。


まさか、この生きてきた人生で、

今日と言う日に二度も気絶を経験するなんて・・・

小、中学生の頃なんて気絶なんてしたことなかったのに、

まさか、引きこもり生活が長すぎて、

身体的な問題を抱えてしまったのか?!


例えば、女の子と関わると気絶するとか・・・

それはないか、まぁこれに至っては、本当に偶然なんだろう、

そう思っておく。

俺は、顔を上下に動かし、頷く。

そしたら、頭の上からだろうか、声が聞こえた。


「何頷いてんのよ、くすぐったいんだけど・・・」


それは、さっき俺を灰にしようと、

一生懸命に俺を燃やしていた彼女の声だった。

俺は、目を見開いた、そこにはさっきは、

伺えなかった、彼女の可愛らしい顔があったからだ。


あれ、何で俺は彼女を見上げているんだ?

後頭部にあたる、程よい弾力がある、この感触そして、

どこか、心を清めて、温めてくれるようなぬくもり。

そう、俺は彼女の膝の上に頭を乗っけていたのだ。


こ、これは俗に言う、膝枕かぁぁぁぁぁぁああああああああ!


この引きこもり人生で、リア充の究極行為、

膝枕を堪能できてしまうなんて・・・


こりゃあ明日死ぬかもしれない。


まぁ、今日殺されかけましたけど、てへ。

俺はこの出来事を喜んでいた、ぐへへ。

思わず、ニヤリッと笑ってしまう、そんな俺を見て彼女が口を開く。


「な、何笑ってんのよ・・・、もう、目醒めたならさっさと、起き上がってくれない?」


彼女の目が冷たかった、汚物を見るような目を俺に向ける、

そんなにも俺の笑顔がひどかったか?

まぁ、いいか、俺はすぐさま、重たい頭を起こす。

ついでに膝枕をしてくれた、お礼と謝罪もしておいた。


「あ、あんがと・・・あと、何かすまん」


彼女は、呆れた表情をし、口を開く。


「どういたしまして、まぁ何のことを謝っているのか知らないけど、許すわ」


俺の曖昧で適当な謝罪に対し

彼女も曖昧な許しを俺にくれた。

まぁ、色々あるしパンツ覗いたこと、いや結局覗けなかったな、

ここでこれを言ってしまっては、よくあるアニメ展開になりそうだから、

回避をする。


どう返事をすればいいのか、わからないので適当に返事を返す。


「お、おう!」


広いリビングに、俺の声だけがこだまする、

すぐに消え去る俺の声は、静けさをもたらす。

彼女は、口も開かず、俺を見つめ続けていた。

俺なんか、まずいとこ言った?、


ただ、返事しただけだよね?え、なに?

違う返事がよかったの?例えば、オーイエスとか?って、

どこの外人さんやねん、てか普通の外人はオーイエスだけ言わない、

これは外国人をあまり知らない人々が作り上げた、偏見的なイメージだ。

ん?それが、どうしたって?知らないよ。


などなど、くだらないことを考えていたら、

彼女がおもむろに立ち上がり、

珠を入れてある右のポケットとは逆の、

左ポケットからスマートフォンを取り出す彼女、


何かを確認するかのようにスマフォの画面に目をやる、

用事を終えたのか、すぐにポケットにしまった。

きっと時間でも見た可能性が高い、一応彼女は制服を着ているから、

今日は学校が運営しているのだろう、


昼飯を作っている時、近所の高校、

まぁ女子高なんだけど、昼休みのチャイムであろう音が

聞こえてきたからな、ん、よくよく考えたら、

女子高のチャイムが鳴って、大体五分ぐらいで、

家のインターホンが鳴ったような・・・


てか、こいつ近所の女子高の制服、着てますやん。

くそ、今まで気づかなかったとは、まぁ外出るのもたまにだし、

年がら年中、人を見ているわけじゃないし、わからなくて当然か、うん、

ということはこの子は昼休みを利用して、

俺の自宅に来たってことか、てか何で家の場所がわかった?


んー、謎だ。いろんなことに疑問を持ち、

考察していたら彼女が、口を開く。


「そろそろ、時間だから、私帰るわ・・・それに目的の物は手に入れたし」


「おっ、おう、そうか・・・」


言葉を残した彼女は、颯爽とリビングから姿を消した、

俺は玄関に向かってる彼女を追いかける。

勿論、玄関の鍵を閉めるために、追いかけただけだ、

別に彼女に何をするわけでもない、

声をかけるわけでもない、「ちょ待てよ」なんて絶対に言わない。


玄関についた俺、彼女は革靴を履いているところだった、

その様子を眺め俺は、ぼーっとしていた。

彼女がドアノブに手をかけると同時に言葉を発した。


「色々とごめんね、勝手におじゃまして、それにご飯も頂いて」


この子一応、自覚はしていたんだな、だが一つ間違いがある、

俺はお前に飯を与えていない、お前が勝手に食ったんやっ!はぁ。


「ははは、ま、まぁ気にすんな」


特に言葉も思いつかず、適当に返したが、

彼女の顔は、安堵を浮かべているようだった。

だが、すぐに強ばった表情に変わり、扉を片手で開ける彼女。


同時に、少し強い秋風が吹いた。


「んっ・・・・」


彼女の色っぽい声音が漏れた瞬間、

紺色のスカートが、ひらりと目繰り上がり、

水色を主張した色に、白色の丸い玉が、

一面に散らされた、水玉模様のパンツが俺の視界に入った。


ここで、パンツフラグ回収ですか・・・


その瞬間、彼女がもう片方の手でスカートを押さえ込む。

すぐさま目線と顔を横の壁に向ける俺。

彼女は、俺を背にしたまま、少しだけこうべをめぐらす。


「み、見た?」


恥ずかしそうに、声を俺にかける彼女の表情は、

少し笑顔が引きつっていた。

なぜ、こうも見た事を前提で、話をするのか理解ができないが、

一応言っておこう、俺は見たぞ、水玉の可愛らしい、おパンツを!。


だが当然のように、真実は話せない。

なぜかと、ラブコメ主人公は、ここでミスをし、

ビンタ、それか殴られるからだ。

この場合、俺は彼女に燃やされるかもしれない、

さっきはなんとかなったものの、次はないかもしれない。


俺は、しがなく嘘を口にした。


「み、見てないぞ・・」


彼女に視線をやりながら、真剣な眼差しで、

彼女に返した言葉は、届いているのだろうか、疑問を浮かばせる俺。

数秒、俺の顔を凝視した彼女は、ほっとしたような表情を現わにした。

そして俺に向けられていた視線と顔は、既に正面を向いていた。


「まぁ、今あなたの思考が読めないから、不本意だけど、一応信じてあげる」


俺を背にして、発せられた言葉。

よかったよかった、心の安泰が戻ってきた、

彼女の言葉が、少し気がかりだ、

この子本当に、俺の思考を読んでたってことだ、

燃やされる前まで、なんか、色々と見透かされてたからな、


どうやって思考を読んでるのかは、当然のようにわからないが、

今は俺のプライバシーが、読まれることは無くなった、

ってことだな、それも含めてよかった。


俺の返事を待たずに、彼女は片手で止めていた、扉から手を放した。

俺は、何を思ったのかすぐに、閉じかけていた、扉を片手で塞き止めた。

少しだけ、体を扉から出し、彼女を見送る。


長くて綺麗な黒髪が、ゆらゆらと彼女が一歩進むごとに揺れていた。

そんな彼女を見守る俺は、今まであったことに思考を馳せていた。

突然の襲撃をうけ気絶、飯を食われて、俺燃やされる、

そしてパンツを覗こうとし失敗そして気絶。


そうか今日は、気絶日だな、

こんなことに思いを馳せながら彼女を見ていたら、

彼女は歩く足を止めていた、なんだ忘れ物かと思っていたら、

彼女が足の踵を返した。


「ねぇ!、あんたの名前なに?」


さほど、離れた距離ではないが、

彼女の大きな声が俺めがけて、発せられていた。

名前か、ここであえて嘘を言うのもどうか・・・

まぁ、偽名を名乗ってもどうしようもないからな。


「いっせい!」


特に言葉を添えることもなく、大きな声で、自分の名前を叫んだ俺、

なんだ、恥ずかしいぞ、自分の名前だけを叫ぶなんて、

なんかの羞恥プレイ?


そんな俺の心情はさておき

等の彼女は満足したのか、笑顔が溢れていた。

その笑顔は、とても綺麗だった。


「そう!、私の名前は、とうか、よ!覚えてときなさいね!」


笑顔のまま発せられた彼女の名前、

彼女は踵を返し、颯爽と帰っていった。

彼女の姿が見えなくなると、俺は思い馳せていた。


とうか、かどんな字で書くのだろう、

そんなことを考えて扉をしめ、昼飯を食べずに

自室へ床に着いたのであった。


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