表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

【俺の日常的なもの。】

.一章


日常1


 【俺の日常的なもの。】


秋冷を感じさせる静まり返った秋の夜。

月は十月、ある日のこと無愛想で至って特徴のない。

いや、無愛想だから特徴は一応あるみたいだ。

平凡極まりない普通な青年が、とある自宅の一室にその身を置いていた。


俺、夜鷹よだか 佚聖いっせい は

自室から人が二、三人入れる程度のこじんまりとした

狭いベランダへ出ようとしている最中だった。


横へスライドする無駄に大きな窓を開けると同時に

この季節に吹く涼しいと感じれるような秋風が、

なぜか今日の秋風は涼しいとは言えず肌寒い感じがする。


そして、肌寒い秋風はぬくぬくと温まった

俺の部屋に秋風が緑色のカーテンを巻き上げながら侵入してくる。

と、同時に温まった自室で毛布などに包まり温まった

体の芯へ肌寒い秋風が、衣服を掻い潜り俺の暖かい体の中へと潜り込んでくる。


「うぉっ、寒っ。」


勿論、上着は着ていたのだが少しばかりか薄かったようだ。

やはり安物のちゃんちゃんこではダメだな、綿がたらん綿が!

確か、県によってちゃんちゃんこの呼び方変わるんだっけかな?

他県の呼び方は、確か・・・なんだったかなまぁいいか。


着ないよりはましだろうと思って着ていたのだけど、

予想外に外は肌寒かった。


肌寒いのは正直、当たり前だと思う。

安物ちゃんちゃんこに、毛布のダブルコラボレーションで

羽織っていたのだから、

毛布一枚だけ、ちゃんちゃんこだけを羽織るだけとかでは出ない、

きっと数倍の暖かさが体に残っているはず。


そこで、エアコンの暖房も点けたらいいのではないか?

と思った貴方は、論外だ。

理由は、電子機器で作られた、風、温度などは


か弱い体の持ち主の俺には毒に変わってしまうのだ。

まっ毒と言っても、喉が少しばかり乾燥するだけです。てへ。


これ以上、部屋の温度を低くしたくなかったので、

さっさと無駄にでかい窓を利き腕である右腕、

右手の手首にスナップを効かせ可憐に閉めた。


んー、えいっ、みたいに。


動作は可憐でもデカ物の窓から鳴る閉まるときの雑音は可憐ではなかった。


ギギギギッ、ガコン・・・


どこぞの壊れたロボットだよ。

外の寒い風に当てられ冷えきったクロックスの

パクリ商品(百円)みたいな偽ックスを履き。

室内から出てすぐ真正面に、向かいの茶色のレンガを適当に

貼っつけたようなマンションの薄汚い壁をぼけーっと眺めていた。


俺の家は十階建てのマンションで、

周りは自分が住んでいるマンションと

同じぐらい高さのマンションに囲まれている。

だから必然的に向かいもマンション様々が草が生えたように建っている。


特に景色もなく向かいの小窓とか茶色のレンガを、

適当に貼っつけた薄汚い壁が見えるだけである。

マンションに囲まれていて、

そしてどこを見渡してもマンションだらけ、当たり前だな。


ベランダに必ずと言っていいほど備え付けられている物体、

鉄の手すりと言うのがある。

まぁ、落下防止用の手すりだけど

これがなければ毎日が転落死のデンジャラスdayだろう、そう確信できる。

手すりが無いご自宅様にはコンクリートの壁があるのではないかな?

まぁ、よくわからん。


俺の腹あたりに当たる高さの手すりから少しだけ身を投げ出して、

体を反転させ手すりに自分の背中をつけ真上を見上げると

薄汚い茶色の壁だが、


空を見ると霧がかった雲や、動物とか謎の不物体Xの形をした雲など

一つもない綺麗な星空が俺の視界に広がる。

さすがにこの草の生えたようなマンション街でも空を遮る物体などない、

たまに雲が出るがそれはカウントしないでおく。


四階に住んでいるが深夜二時頃なので周りの電気も消えていて

空に燦々と光り輝くお星様がこの都会でも肉眼ではっきりと見える。


まぁ、ただの隕石の欠片らしいですけど、


そこはロマンチックにいこうよ。

例えば、UFOとかさ。

んー、ロマンチックか?


そんな暗く変わった夜空に輝く星をみながら俺は、

他人からしたら本当どうでもいいことを

このあまり使われてない馬鹿な脳で考えていた。


そう誰しもが何気なく暇つぶしに妄想して、

想像して、少なからず望むだろう。


勇者になり魔王を倒して美少女の姫と結婚をする。

(政略結婚の匂いがするぜ。)


超能力を身に付け悪の組織などと戦い。

戦いの中で助けた美少女と共に悪をやっつける。

(ここまでくると中二病な感じが。)


様々な物語へ関与して美少女ヒロインたちと

ぐへへ、ぐへへなハーレムパラダイス。

(ぐへへで、危険な香りしかしない。)


朝、遅刻ギリギリ学校へ向かう途中、

道の曲がり角でパンを銜えた美少女とぶつかり恋が始まる。

(普通、パンを銜えるか?女は黙って博多辛子明太子を銜えとけや。)


などなどたくさんあるだろう。

だがこんなのは現実に起こりえないことばかりなのだ。

だから人は妄想する、想像する。小説を読む、

ライトノベルを読む、特にラブコメなど。

全て幻想であると知らず。


いや、知っているからこそ見たくなるのかもしれない。俺みたいに。

リアルそうこの現実世界にラブコメや純愛があると思っている輩が多い。


正直に言おう。

この世にはそんなのは存在しないかもしれない!

なぜラブにコメディーつけた。

何、愛に喜劇求めるの?キチ楽しいのがいいのか?


そんなのはないない。

まず人に気を使い、あれやこれやと女に尽くす。

無駄に頑張って話をして空回る。


なにあの必死感、くどいぞ。

頭湧いてんの?飛んだ拷問だ、どこにコメディーがある。

お互いゲラゲラとヘラヘラと笑いあって過ごす日常なんて

本当にラノベとかじゃないとないです。


現実世界なんかは、ましてラブすら存在が危うい

混沌の世の中なのに・・・。


混沌って文字入れるだけでなんか、中二病っぽくなるから面白いよね!


本当に汗水垂らしてこの世にあるかどうかもわからない

愛を掴むために本当、

皆様には深甚なる謝意を表します。


本意から申し上げる全部、虚誕妄説なのだよ。


人を蔑み、まるで自分の方が偉いだろうなどと振舞う人、

自己顕示欲が強い人。

所謂、自己中と言う者になる。


そんな世界で特定の異性を強く慕い。

切なくなるほど好きになるなんて皆無に等しい。

異性を慕う愛の部類、恋愛・純愛などの愛は幻想。

人なんて信じられなくなりうる。


この、めんどくさい現実の世界で何かを期待して

何かを願っても叶わない。

努力をしても残るのは結果だけでなにも変わらない。

当たり前で息が詰まるつまらない世界。


安易な言葉で表すならば。

リア充爆発しろ。乙っと


だがこんなことを考えている俺、夜谷佚聖でもほんとはどこか違う日常。

ライトノベルや漫画やアニメのような非日常を望んでいるのかもしれない。

矛盾しているが心深く自分でも知りえない小さな場所で

俺は自分の人生を変えてくれるような非日常を望んでいるのかもしれない。


そして十月のある日、少しずつ寒くなっていくはずのこの秋の季節。

だけどこの日だけは、外出用の暖かい上着を着ていても少し薄ら寒かった。

この薄ら寒さが消し飛ぶような、体の芯から暖かくなるような出来事。

そう俺の非日常への幕開けだった。


ジャンジャン。


・・・×・・・×・・・×・・・×・・・


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ