表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

怪奇掌編

台風の目

作者:

 

 友人のUは中国の古典オタ。普段は陽気で良い奴なんだけど、ふとした拍子にスイッチが入る。するともう、お手上げ。相手が誰だろうがお構いなしに、論語やらなんやらの話を延々としゃべり続ける。

 友達のDがフラれた時なんか「子曰く……」とか言って、なぐさめたらしい。聞いてたDは逆に落ち込んだとか。

 そんなUと俺と、そしてもう一人の友人Hの三人で某駅の近くにいた時の話だ。

 台風のせいで荒れた空模様だった。ただその時は台風の目に入っていたらしく、雨は降っていなかった。それでかどうかはわからんが、突如Uが古典トークを始めやがった。夜朗自大がどうのこうのって、こっちは全く興味ないんだけど。俺とHは、とりあえずふーんとか適当に相槌あいづちを打ちながら、いかにも所在なげに空を見上げていた。すると、だ。はるか頭上で何かが光っていた。最初は飛行機かなんかかと思ったが、全然ちがった。バカでかい本物の目ん玉が二個、はるか下界をグワっと見下ろしていたんだ。

 俺とHはビビって、思わずあごをアゥアゥとさせた。そんな俺らを尻目に、Uはひたすらしゃべり続けている。

 そしたら、その目ん玉から青い光線がピー……。Uを貫いた!

「うおー!」

 俺とHが思わず叫ぶ。そしたらU、ん? とか言って話を中断した。

「おい、どうした!」

 ってUに聞いたら、U何言おうとしたか忘れたって。俺とHは、それだけで済むのかよ、って思わず目で探り合ってしまった。

 あん時は本当に驚いた。目はほんの十秒足らずで消えちまった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ