表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

羽は生えなかった、それでも天使だった

作者:
掲載日:2025/12/23

ここ、セラフィム学院には羽のない天使が存在する。

その名は『ルシア』。


ーーーーーーーーーー


白い雲が校庭のように広がり、鐘の音が鳴ると、天使たちは一斉に背中の羽を広げた。光を含んだ羽音が重なり、空気が震える。その中で、私はいつも地面に立っている。


「ルシア、貴方は今日も見学です。」


ーー今日もか。


わかってる事だ。だって私には羽がないんだから。

「分かっています。」と答えながら空を見上げる。


見えるのは、純白・淡い青・淡い黄色。同じ人は誰一人としていない。皆自分だけの羽を持っている。


「……私だけ、」

口から溢れ出るのは惨め以外に似合わないであろう言葉ばかり。そんな自分がより惨めになる。


『羽が生えないのは私が悪い子だから』


私の背中は痛みや違和感は微塵もなく、静かだ。でも平和ではない。


「落ちこぼれ」


風に混ざってそんな声が聞こえた。振り返れば誰かが目をそらす。その仕草さえも、もう見慣れていた。最初は辛かった。何度も泣いた。でも、今はもう期待しない。私の味方は私だけ。自分を守れるのも自分。そう思えば楽になった。


私は空を飛べない天使ルシア。二つ名は落ちこぼれ。

地で歩むことしかできない出来損ない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ