表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

むかしむかしの物語


むかしむかしあるところに…


そんなふうに始まる物語。寝る前に母が子に読んで聞かせる物語。現実ではない、ありえはしない物語。語られ尽くした物語。


それを


何度も


何度も


何度も何度も何度も何度も


何度も、


繰り返している


この小さな子共二人きり


あまりにも大き過ぎる部屋で


何度も


何度も


繰り返す


繰り返す繰り返すくりかえす


むかしむかし


お姫様と王子様


何度も何度も


むかしむかし


お姫様


王子様


お姫様


王子様


何度も


何度も


なんども



くりかえすから、



ついに僕は彼女に声をかけた


どうしたかったのかはわからない


どうなりたかったのかも


どうにもならないと思っていたかも


それでも僕は




「お姫さま、たまにはお外で遊びませんか」




お姫様


そう呼んだのは


きっとイジワルからだった


揶揄ったのだ


同じことを繰り返す彼女を


何度も何度も繰り返す彼女を



怒るかと思った

泣くかと思った

無視されるかと思った


けれど


彼女は…


だから


だから僕は、彼女を本物にすると誓った


きっと彼女を本物にしてあげるのだ


そうしたらきっと彼女は…


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ